あとは、ハッタリよ。
九度山での生活を楽しんでいた信繁のもとへ、宇喜多秀家の家臣だった明石全登が訪ねてくる。大阪城で徳川家康を相手に戦ってもらいたいと信繁に懇願する。信繁は断るが、そこに現れたのは・・・。そして豊臣秀頼と茶々が苦境に立たされていることを知った信繁に、きりは・・・。大きな決断を迫られた信繁は、息子の大助を呼び、くじを引けと迫る。九度山村での生活に幸せ満喫しているところへ、突然の訪問者・・・
から始まって、ラストのナレーションに観ている方もワクワクするような
幸村誕生のお話でした。
信繁さんはまるっきり、世の動きを知らなかった、ってことだったのですね。
佐助くんが、諜報活動して知らせてくれるのかと思っていたけど、
してないみたいで、警護担当ってことなのかな?
小間使いのような感じでもあって、でも住居は信繁さんたちとは別だったし、
仕事としては近所の子どもたちに忍術を教えてたみたいだけど、
絵のほうが得意な感じだったし・・・巧すぎる!!けど、何に役立つ?(笑)
きりちゃんに気があるような素振りもあって、平和な九度山村生活の中で
素っ破の技術を持て余してるんだろうなとか、気になるばかり(笑)
前回の愚痴は、実は平和過ぎて欲求不満が溜まってたんだろうね・・・
そんなことを考えつつ観ていると、密かに信繁くんに会いに来た
片桐さんによって、徳川と豊臣の間が拗れに拗れて一触即発になっている、
大阪城で徳川と戦ってほしいと、世に言う”方広寺鐘銘事件”の
顛末が語られていくのですが、語る片桐さんが哀れでしたねぇ。
前から哀れ感は漂う人でしたが、こうやって当事者(笑)が語ると、
この徳川のこの時を待ってました!とばかりの
豊臣と片桐さんの離間の策から大阪攻めの口実を作る展開って、
すごいドラマだわ~と、改めて思いました。成り行きもあっただろうけれど
片桐さんの気のまわしすぎと豊臣の驕りが絡みに絡んで
自分の首を絞めることになり、暗殺計画までことが進んでしまえば、
一晩でも語りつくせないお話ですものねぇ。
でも、このくらいじゃないと、どっぷりと平和な九度山生活に浸かってしまった
信繁くんを動かせませんからねぇ。
世間と隔離されてはいても、貧しくても、家族がそろい、笑いが絶えない
穏やかな時が流れる九度山村の生活と、戦乱の世、それを天秤に
掛かるとすれば悩むのも当然だけど、ここは動いてもらわないと~
なんて思っていると、きりちゃんの出番♪
「あなたの幸せなんて聞いてない、そんなの関わりない。
大事なのは、誰かが、あなたを求めているということ・・・」
悶々とする信繁さんの心を開いたきりちゃん、よくやった~(^0^)/~
きりちゃんの言葉をいつもはさらっとかわす信繁さんが、逆切れした姿に
見ているこちらも、そこまで言うかとびっくりしたけど、
すぐに感謝するなんて・・・きりちゃん同様、泣きそうになった。
信繁くんときりちゃんの表情が好いよね♪
ここで、きりちゃんの信繁さんを叱咤するセリフを聞いてて思ったのだけど・・・
きりちゃんて、もしかして私たちと同じ目線で信繁さんを語ってる?って。
きりちゃんの存在って、これまで、信繁くんとは幼なじみで、男女を超えた仲で、
言いにくいこともはっきり言っちゃうような”うっとしい”存在でもあるけど、
時にはこうして背中を押してくれたりするありがたい存在・・・なんて単純に
考えてましたが、彼女の言葉って、私たちが観ながら、ツッコんで言いたくなる
言葉でもあるのよね。だからきりちゃんて、観ている私たちをドラマと繋ぐ
存在なのかな~って、ふと思ったわけで・・・殊に、小田原開城の手柄は
何とか官兵衛って言った時、もしかして?って(笑)
巧く言えないけど、ドラマの中で観ている側と同じ目線で語られたりすると、
親近感が湧いて、理解もよりできるのではないかな。
価値観も道徳観も現代とは違った時代のお話ですから、それを下手に描くと
違和感だらけで邪魔になるのだけど、きりちゃんは”うっとしさ”に
巧く変換されていたってことなんだろうな。
しかも、信繁さんに会いに来た人が誰だか解ったから、信繁くんの変化に
気がつくことができたってことで、それって彼女がガラシャさんのところに
行ってたことがここの伏線になってたってことなのですよね。これも、凄いわ。
そして、回想で無念に散って行った思いが信繁くんの心の中で蘇り、
大きな力となる・・・いつもなら、タイトルに回想シーンでの出演者も
名前が出て来るけど、今回は数が多すぎたのか(笑)たぶんわざとだろうけど、
出てこなかったので、こちらも意表をつかれた感じで感慨深いものが
こみあげてきました。これも反則技ですね(笑)
そして、信繁さんにとっての伏線といえば、やっぱり”クジ引き”・・・
幸村さんの名前、まさかのクジ引き(笑)
村の字はって、ドラマの中では九度山村の村しか思いつかなかったから、
ここから取るのではと予想はしてたけど、どう決めるかまではさすがに
思いつかなかったので、驚いたというか感心したというか・・・
やられた感、半端じゃなかった(笑)大反則です。
「真田左衛門佐幸村・・・良い名だ。」
史実ではなかったらしいけれど、盛り上がって来たぞ。
「後に日の本一の兵(つわもの)と呼ばれる
戦国最後の名将の誕生である。」
続くナレーションがまた、上向きでいいのよねぇ。♪
有働さんも、言っていて、気持ちよかっただろうな(^^)
第39回


キャスト
真田信繁・・・堺雅人
真田信之・・・大泉洋
きり・・・長澤まさみ
春・・・松岡茉優
佐助・・・藤井隆
真田大助・・・浦上晟周
矢沢三十郎頼幸・・・迫田孝也
明石全登・・・小林顕作
本多正純・・・伊東孝明
豊臣秀頼・・・中川大志
高梨内記・・・中原丈雄
片桐且元・・・小林隆
大野治長・・・今井朋彦
大蔵卿局・・・峯村エリ
梅・・・大出菜々子
清韓・・・植本潤
茶々・・・竹内結子
徳川家康・・・内野聖陽
この記事へのコメント
キョーコ
ゲンジローの回想シーンで、鈴がリンリン鳴ってたのがとっても切なかったです。
パパが信玄公のことを想う時に馬の足音がしたのと同じ演出ですよね。
これからもしょっちゅう出てくるのでしょうか。
おりんご
小林隆さんの悲哀を感じる芝居、本当に見事でしたね。両家の関係のこじれを一晩で語らせるとはさすがのストーリー構成だと思いました。
きりちゃんのはっきり言う性格、ついにここまで来たかって感じでした。あれだけ言われると本当にうっとうしいですね。
ネットでも話題になりましたが、くじで新しい名前を決めるとは。三谷幸喜らしいとしか言いようがありません。
ひらで~
こんにちは(^^)
あの鈴の音は、冥土から聞こえるようで
悲しい響きでもあり、秀吉という大きな
影に囚われているような不気味さも
感じました。
確かに、音の演出はパパと同じ・・・
親子共々主は変われど同じ轍を踏んで
いたってことなのかしらね。
鈴の音はゲンジローの心の支えになりそう。
挫けそうになると、聞こえてくるかも。
ひらで~
こんにちは(^^)
小林さんは、三谷作品では欠かせない
役者さん♪難しい役だったでしょうが
見事ですよね。
きりちゃんの言葉は的を得てるから、
うっとしいけれど、良く言った!って
褒めたくなる時がある(笑)
幸村さんの名前を出すための、伏線・・・
やられましたね♪やっぱり親子って
感じで、妙に納得(笑)