項羽と劉邦 King's War☆第80話 漢の礎

我是条龍
第80話(最終話) 漢の礎
魯国は領主だった項羽のために、漢に降ることを拒否する。劉邦から魯を攻めるよう命じられた韓信は、項羽の亡骸を引っ張り出し、魯の長老に「ともに項羽の霊を弔おう」と呼びかける。その結果、戦わずして魯も漢に降ることとなった。一方、英布との戦いで再度矢に当たった劉邦は衰弱してきていた。彼は故郷の中陽里を訪れ、懐かしい思い出の数々に浸る。そしてひとりで暮らしていた曹氏を訪ね、2人で昔話を始める……。
最終回・・・ですが、漢王朝にとっては始まりです。
ドラマがどちらかというと、項羽寄りに展開してたかな~な感じでしたので
前回で終わってもいいや~と思いながら、観てましたので
この最終回はどうなの?って感じでした。この先を知ってれば
楽しめたのでしょうが(^^;)まぁ、わからない所は自分で調べて
埋めて行けばいいこと・・・お蔭で、ちょっと詳しくなりました(笑)
劉邦が作詩したという「大風起」のところからラストは、
分かり辛い感じもありましたが、イメージ的なシーンで
終わらせるしかなかったんだろうな~と、感じます。
襄くんが、可愛い♪この襄くんも大人になると
否応なしに呂氏との勢力争いに巻き込まれていくのね・・・
韓信の最後は呂雉さんの怖さを象徴してるような感じでしたが、
彼だけ女性との関わりがなぜか多かったのよね・・・で、
最後も女性に囲まれて・・・据え膳食わなかったつけというか、
つれなくされた女の恨みが募ったのかもよ(笑)

以下ネタばれしてます、ご注意を・・・ 
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魯。
 私塾で子どもたちを教える老人の前に、旅の者だと現れた韓信。滅びゆく国に何用だと尋ねる老人に韓信は、滅ぶというのに、なぜいつも通りに学ぶのか逆に尋ねます。他にどうしろと?と老人が投げやりに答えると、漢に降るのが生き残る道では?と韓信。すると老人は、項王の領地であった魯が、王の死で漢に降っては道義が無くなる、また魯は「六尺(りくせき)の孤を託すべく、百里の命(めい)を寄すべく、大節に臨みて奪うべからず」(幼い子どもを預けることができ、大きな国も治められ、大事の時にもその志を曲げない人こそが君子)との教える孔子様の生地、求めて来た道から逃げることはできない、屈辱の死よりも誇り高き死を選ぶ、漢王が世を治めるのなら魯の民の忠義を尊重すべきだ、それは自分を敬うことに通じる、礼を貴び信を重んじるのが真の君主ではないかと、力だけの王には屈しない魯の民の気持ちを説きます。
 韓信は周勃からも、無理に攻めるべきではないと言われ、忠義を重んじる王ならば魯の民が忠義深いことを知れ心が動くはずと、三日の内に事を収める策を考えます。
 韓信は項羽の棺を携えて魯を訪れ、城門の前で、項王は長老たちの拝礼がなければ旅立つことができない、一緒に弔おうと呼びかけます。すると門が開けられ・・・魯は漢に降ることに。紀元前202年、劉邦は皇帝に即位。

淮陰(わいいん)
 生まれ故郷に凱旋した韓信は、かつて自分に食べ物を恵んでくれたおばあさんを尋ねます。食べ物をやった者はたくさんいて覚えていないと言うおばあさんに、韓信は自分が覚えていればいいと、礼をすると大金を渡し驚かせます。次に韓信は、季桃のところへ。韓信の顔を見て、顔色を変えた季桃でしたが、腹が減ったと言う韓信に食事を与えます。そこへ、季桃の息子と思われる子が現れ、後から父親と思しき男の声。その声の主は韓信に股くぐりをさせた男・・・男は韓信を見るなり、あのころは人を見る目がなかったと命乞いを始めます。韓信が股をくぐれば赦してやると男に告げると、男は喜んで股をくぐろうと韓信に近づきます。這ってくる男の体を足で止めた韓信は、子に文字を教え、女房に楽をさせろと男に官職を与えると、季桃に別れを告げ去って行きます。


 燕王となった盧綰は、審食其(辟陽侯:へきようこう)より、陛下の言葉を賜ります。「盧綰はひどい男だ、燕王でありながら僅かばかりの財を貪った、だが忠誠心に免じ今回は不問とする。また話し相手のいない長安に辟陽侯と共に来い」と審食其は述べると、ひれ伏す盧綰をすぐに立たせます。ほっと一安心の盧綰でしたが、あなたに謀反の疑いがあると告発した者が朝廷にいると聞かされ、それはありえないと否定しますが・・・。
 その後、陛下から何も言われないことで悪夢でうなされる日々が続くようになった盧綰は、相談した家臣から本当に謀反を起こすか、すぐに都に向かい王に会うべきと言われ、取るべき道が二つだけなら・・・と、謀反を起こすことに。

長安、紀元前196年。
 5年前に謀反を疑われ淮陰侯に降格されていた韓信は、蕭何に呼び出され、陛下が陳豨(ちんき:鉅鹿太守)の反乱を鎮圧したと話し、大臣たちが祝いを述べるために参内しているので一緒に行こうと誘われます。韓信は今の自分があるのは蕭何様のお蔭、火の中へ飛び込めと言われても従いますと答え、まさか今日がその日になるとは・・・と、覚悟を決めて向かいます。
 参内した韓信は、蕭何から引き引き離されると、蕭何に別れを告げます。すると、頭にかぶせられ・・・連れて行かれた先は、呂雉の前。大胆な男ね・・・韓信を見るなり、そう声をかけた呂雉は陳豨と謀反を図ったことを認めるのかと尋ねます。韓信に限って謀反などありえないと言い張る韓信。死を前にしても認めぬとは尊大で傲慢な男だと呂雉が呆れると、韓信は皇帝が殺すつもりになればどんな口実でも可能だが、どうやって殺すです?と尋ねます。皇帝と韓信の約束に天か地か、光が見えるところでは殺さない、銅や鉄の武器でも殺さないとあるのは知っている、約束は守るから安心しなさいと呂雉が答えると、蝋燭を消せばいいと韓信は開き直ります。その態度に、お前はいつも尊大で軽薄に振舞い人を見下してきたと呂雉は言うと、周りに女たちに韓信を殺せと命じます。そして・・・。
 部屋の外で待つ蕭何は曹参に、韓信が死んだ、私が皇后に協力したと話します。驚きつつも、仕方がないと肩を落とす曹参に、誰よりも信頼していると前置きして、これまでに私がしてきたことを清算するために、私が賄賂をもらっていると告発するよう頼みます。驚く曹参に、ほどなく理由をつけられ捕えられるだろう、死罪になるかもしれない、証拠は私が作るから捕まったらその証拠を出すようにと簫何・・・。

 粛清により殺される王たちを見て、淮南王・英布が反乱を企てます。討伐に向かった劉邦は、項羽に射られたところをまた矢で射られながらも、英布を鎮圧します。

中陽里。
 長年の戦が崇り、極度に衰弱した劉邦は、故郷を訪ねます。しかし、故郷は皇帝が来るというので静まりかえっており、劉邦をがっかりさせます。傷の痛みに耐えながら、生家を訪れると、ここでの生活の景色がよみがえり、棗をひとかじり・・・。呂雉との思い出に、つい顔をほころばせる劉邦・・・。
 家の外に出ると、控えていた周昌(しゅうしょう)より、紀信の家族の行方を捜すように命じられ捜したが、彼を知るものがいない、ここの生まれではないと言う者もいたと報告を受けます。命の恩人だから、何としてもしても探し出したい劉邦は、身内がダメなら友人や近所の者にを捜し、その者をとりたてると、命じます。
 次に劉邦が向かった先は、曹氏の店。中を覗き、竈に火をくべる曹氏に、おいと声をかけ、陛下・・・と跪く曹氏の手を取ると、劉邦と呼んでくれと頼みます。恐れ多いと恐縮する曹氏。劉邦に、どうしてお前は都に来ることもなく、俺に足を運ばせるのだ?と尋ねます。賑やかなのが苦手でと曹氏が答えると、賑やかなのは好きだろうと笑う劉邦でしたが、ここは店を閉めれば静かになるが、宮中は店じまいをする時がない、と聞かされて黙ってしまいます。
 曹氏を相手に酒を呑み上機嫌の劉邦。曹氏は息子の安否を尋ねます。俺もしばらく会ってないが、元気だろうと聞いて、離れていれば災難から逃れられると安心し、嫁を娶っても一緒には暮らしたくないと曹氏は本音を語ります。それを聞いてやっぱりお前は頑固者だと笑う劉邦。そして、俺にまた会いたいと思わせた罰だと、酒を呑むよう命じます。呆れた曹氏に、会いたくなったらまた会いに来てと言われますが、そんなことはできない、もう年だと劉邦。そんなことは言わないでと曹氏は怒って言いますが、表情は寂し気です。すると、思い出したように劉邦に仲間はどうしたのかと尋ねます。王にすべき奴は王にした殺すべきは殺し、幽閉もしたと険しい表情で答えた劉邦は、蕭何は忠誠心の塊のような男だったが今では欲が深くなった、だが強欲であるほど安心でき良いのだ、野心のない証明になるからなと劉邦は答え、盧綰について訊かれると、俺に背いて北に逃げた、人は変わる・・・
と寂し気な表情を見せます。聞いていた曹氏は皇帝になれば願いが叶うはなのに、悩みが増えたのねと思わず涙を流します。それは違う・・・遠くを見つめながら劉邦は、時間がないことを感じている、先は短い、だが死にたくない、死ぬのが怖いのだと涙ながらに訴えます。もしも不老不死ならば、故郷に帰るのもいい、最近ここでの暮らしやここの人たちの夢を見る、両親はもちろん、買っていた犬までも出て来た、お前もまだ若くて色っぽい夢だ・・・劉邦は、そっと曹氏の頬に触れながら語ります。思わず、忘れてと言葉を遮る曹氏。劉邦は懐から、曹氏からの小袋出すと、曹氏に見せ、忘れられるものかと告げます。そんな劉邦の言葉に、曹氏が感極まっていると、劉邦は聞こえて来る音に耳を傾け、何の音かと尋ねます。お芝居の稽古の音だと教えられますが、劉邦はそうではないと、急に音の聞こえる方に向かいます。
 駆け付けた劉邦が見たものは、松明を手にして踊る男たちの列。引き寄せられるように劉邦も、松明を持って列に加わり・・・
大風起兮雲飛揚 
    大風起こり 雲飛揚す
威加海内兮帰故郷 
    威は海内(かいだい)に加わりて 故郷に帰る
安得猛士兮守四方 
    安(いずく)にか猛士(もうし)を得て 四方を守らしめん
(大風が吹き起こり、雲が舞い上がる。私の力は天下に加わり、故郷に帰って来た。どうにかして強い者を募り、四方を固めたいものだ:劉邦が帰郷した折、開いた宴会で作った歌詩。子どもたちに、教えて唄わせ、自らも歌って踊った)それは、劉邦の内なる願い・・・

長楽宮。
「お前は誰だ?」「襄。」・・・斉王となった劉肥の子・劉襄と話をする劉邦。こに住んでいるの?と聞かれ、そうだが、すぐに出て行く、長陵(高祖・劉邦の陵墓)へ行くと答えます。今度はお墓に住むの?と無邪気に尋ねる襄に、みんなそうだ、お前もいずれ住む・・・ここと、そんなに変わりはないのだと劉邦は答え、好物の棗を与えます。まずい!と一口かじって吐き出す襄。劉邦は不機嫌になって、食え!と命じ食べさせます。そして、この部屋についてどう思うか尋ねます。好いと聞いて機嫌を良くした劉邦は、安房宮はもっと素晴らしかった、残念だが、項羽の馬鹿野郎が燃やしてしまったと語ります。項羽って誰?と襄。戦の神だと言われていた奴だが、俺が討ち任した、不思議だろう、この劉邦には奴を負かす力はなかった、天が俺を勝たせた、秦を滅ぼした時に苦労をしなかった俺が一番得をした、運が良かったのだろうけど、仲間の助けがあったからだ、策については張良に適わない、国事や租税では簫何には敵わない、兵を率いて戦うことは韓信には敵わない、彼らは豪傑だが俺についてくることを望んだ、なぜだと思う?なぜなら俺が龍だからだ、俺は母親が龍に巻き付かれた時に身ごもったと
いう、信じられないだろうが、俺は龍だ、体に72個の黒子もある、赤龍である俺が白龍を殺したから王になったと仲間は言う、陳勝は「王侯将相寧んぞ種あらんや」(王侯将相寧有種也:王侯になるのは血統や家系は関係ない、誰でもなれる)と言ったが、俺の知る中で一番面白い言葉だ、貧しかった俺が三尺の剣で天下まで勝ち取った、これは劉邦の才能ではなく天意だ、民の怒りが勝ち取った勝利、項羽は死ぬべきではなかったが死を望んでいた、俺は奴を尊敬している、そして今でも恐れている、だが屈したことはない、鳳凰が負けて雀が勝った、人は百回負けても、最後の一回は勝たねばならない・・・お前が俺の歳になったころ、漢はまだあるのだろうか・・・万世の基礎は移ろいやすく頼りない、俺は漢の基礎を作ろうと命がけで頑張ったが役に立たなかった、この長楽宮(ちょうらくきゅう:長安にあった漢の宮殿)も基礎がしっかりとせず、揺れているぞ・・・独り言のような劉邦の話を聞いていた襄は、部屋は揺れていないよと口を挟みます。劉邦はそうだと言うと、襄に語って聞かせます・・・揺れているのは部屋ではなく、心だ、漢の人心が揺れている、この世でもっとも難しいのは人の心だ、王朝の交代は天に従い人に応ずるもの、王道は徳と力で人を従わせるもの、天下はやはり治めねばならず王道と覇道を持って管理する、それが人を治めるということだろう・・・と。
第79話                        
項羽と劉邦 King's War☆キャスト  項羽と劉邦 King's War☆INDEX
気になる出演者“秦”より  気になる出演者“楚”より 

終わりました~80話はさすがに長い(^^;)
「三国」に比べると、地味な感じなので途中、他の派手な
中国ドラマに浮気してしまうこともありましたが(笑)
なんとか終わりました。さすがに終わりの方になってくると
面白いと思えるようになって、興味が湧いてきました。
項羽を演じたピーター・ホーは特に好きと言うことは
なかったのですが(すみません)この項羽のピーターは
強さや怖さのほか脆さも出ていてなかなか良かったです。
欲を言えば、主役二人以外が地味だったのが
淋しい感じ・・・日本限定かもしれないけど(^^;)
キャラ的には范増さんがお気に入り、可愛かった♪
紀信には泣かされて、この人がいなかったら・・・って
私も思いました。

内容についてはもう少し、分かりやすくまとめたものに
したかったのですが、難しいですね・・・
文体もぐちゃぐちゃで読みづらいですし、文字の元が
簡体字の中文ですので、漢字の間違いがあるかも・・・
誤字・脱字には少々目をつむっていただけるとありがたいです。
自分でも読み返しては、直してますが80もあると・・・ねぇ(^^;)
中国史劇ドラマ、ここにきてまた、盛り上がってきた雰囲気♪
これからも、いろいろ楽しんで行きたいと思います。
最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。
・・・漢の方々の出演者については、近々・・・UPできる・・・かな?

この記事へのコメント

  • kei57night@ma.kitanet.ne.

    先日までのBSフジの録画をやっと、見終わりました
    貴女のこのブログがなければ理解度はわずかでした
    特に地名、人物、セリフの正確な記述にはまるでシナリオを読んでいるようでした、ドラマ以上に貴女が好きになりました
    2014年10月01日 14:17
  • ひらで~

    kei57nightさん♪
    コメント、ありがとうございます。

    吹き替えでの放送なのに、登場人物の
    名ぐらいしか字幕に出ず、セリフ中の人名や
    地名などが分からないことが多く、
    自分用のメモとして始めたものですが、
    お役に立って何よりです(^^)
    分からないことが多い分、自分で調べるので
    理解もできて好かったかな(笑)
    これからも、覗いてやってください♪
    2014年10月02日 22:13
  • 未子

    こんばんは
    この度、最終話を読み終えることができました。詳細で膨大な量の記事をどうも有難うございました。
    ドラマを観終わったときよりも、ひらで~様の文章を読み終わったときのほうが、じんわりと感動を覚えました。
    特に79話は、もう一度ドラマを観たい、と思わせられました(消去を後悔)。

    ひらで~様のブログを高希希監督にも是非みていただきたいって思いました。こんなに丁寧にドラマを観ていて、ファンにわかりやすく解説してくれている人が存在しているんだよって知ってほしいです。

    ドラマの感想としては、陳道明の劉邦がみられて良かったです

    長きにわたり項羽と劉邦シリーズの連載お疲れ様でした。
    遅くなりましたが、まずはお礼まで
    2014年11月13日 19:29
  • ひらで~

    未子さん♪
    最後まで、読んでくださり
    嬉しいです(^^)お褒めのお言葉、
    ありがとうございます♪

    放送されたのは嬉しかったのですが、
    吹き替えの上、地名なのどの情報が
    ほとんどなくて、観ていても謎だらけ(笑)
    仕方がいので、自分で調べた・・・って
    ことなのですが、奥が深すぎてどこまで
    調べりゃいいのさ?って感じでした(笑)
    でも、ドラマを通して基本(?)は
    学べたので、やって好かったと思います。
    何より、こうして読んでくださった方の
    お役に立てたのが嬉しいです♪

    ダオミン大王(たーわん)、貫録でしたね。
    あれだけ熱い項羽に負けないのですから、
    ダオミンは適役でした♪
    2014年11月15日 17:15

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