第67話 項羽の疑心陳平の兵無き攻撃・・・その破壊力は
司馬欣のもとを訪れた項荘は、項羽は裏切りを告白することを望んでいると言い、彼の生き方を非難した。絶望した司馬欣は自殺する。その後、楚軍にいる数百人の秦の降将が司馬欣の共謀者と疑われ、取り調べを受ける。無理やり自白させられた者は殺され、共謀者の名を明かさない者は拷問されて死んでいった。陳平は楚軍に間者を潜り込ませ、秦の降将を自殺に見せかけて殺すことでさらに楚軍を混乱させる作戦に出て……。
凄まじいものがありますねぇ(^^;)
どっぷり策に嵌ってしまった項莊がまた、好いように
かき回すのが面白いと言うか、哀れな感じです。
司馬欣がこんな最後を迎えるとは思いませんでしたが、その死を
利用するような、ピンポイント攻撃まで仕掛けて容赦なし・・・
下手に動けば余計に疑われる状況に陥った范増も打つ手なし。
頼れる者がいなくなっていく項羽・・・虞姫ともすれ違いそうで、
なんだか、可愛そうになって来た。。。。。
以下ネタばれしてます、ご注意を・・・
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項軍の幕舎。
司馬欣の処遇を巡って言い争ううちに、項莊は秦軍だった者は全員調べるべきだと口にします。これには季布も黙っていられず反論。項伯は臣下の道を外れぬように、王の決定に従い行動すべきだと、その場を収めますが・・・。
項羽の指示通りに漢に占領されていた時の事を細かく書き記している司馬欣に、早く書くよう催促する項莊。王の真意は、裏切りを白状し共謀者の名を知ること、それを書けば許されるかもしれない、私だったら新安(捕虜が殺された地)で他の秦兵と一緒に死んでいる、恨みを抱いたままただ過ごすなど意味がないと項莊から言われ、王に信用されてないと司馬欣は悟ります。心中を吐露するように数十年使い続けた象牙の箸に語り掛ける司馬欣・・・その昔、項梁を逃した時は、彼らは英雄だと信じて正しいことをしたと思った、章邯将軍には20万の兵を助けるために投降を勧めた、だが新安のあの夜からお前は口をつぐんでしまった、項羽は残忍だがこの男が天下を太平にすると思った、項羽の心が読めなかった司馬欣が愚かなのだ、秦人が死に耐えれば項羽も喜ぶだろう・・・そう言うと、象牙の箸を胸に刺し、自害します。
流言は司馬欣の配下が広めていたとの報告を受けた項羽は司馬欽の報告書に目を通し、行間に憎しみと悔しさを感じる、こうなってもまだ司馬欽を擁護するのかと范増を非難し部屋を出て行きます。一人残り、司馬欣の書を読みながら、そんなはずはない、絶対信じないと悔し涙の范増。
司馬欣の死は、内通者を露にするどころか秦の者全体の疑心を呼び起こすものとなり、疑わしい者の名が書かれた書が項羽の前に山積みにされます。虞子期は項調べないのならこれを燃やしますが、調べるなら大勢が死にますと項羽に指示を仰ぐと、死ぬのは敵だと項羽は答え、調べることは項莊に任せることに。
取り調べが進む中、龍且はこれでは不安になるだけ、漢王に全員が通じていれば反乱はとうに起きていると不満を口にし取り調べる項莊を止めようとしますが、それでは反逆者として殺されると鐘離昧に止められます。だが、これでは保身の為に嘘を言う者が出てくる、皆犬のように噛みつきあうのだと龍且。すると、鐘離昧はもしお前が呼ばれたら私をどうする?と質問。龍且は俺の姓は龍だ、犬ではないと答え、二人で笑います。
取り調べで無理やり白状させられた者は処刑され、名を挙げぬ者は拷問され死ぬ、これでは混乱するばかりとさすがの項莊も、その数の多さに困惑を隠せなくなり、虞子期に訴えます。それでもやらねばならない、こんなにしたのはお前のせいだと虞子期に言われ、仕方なく再開しようとする項莊。そこに、鐘離昧がやめろ!殺すなと飛び込んできます。鐘離昧を抑えた虞子期は、明日から取り調べをするように告げます。仲間を殺すことはできないと鐘離昧は断ると、敵は向こうにいる漢軍だと訴えますが、それ以上は言うなと虞子期は言葉を遮り、処刑を続けさせます。
項羽に面会した范増は、私の名を出した者はいるのか?と尋ねると、こんな時に配下の者を罰して楽しいか?甬道はもう修復されてしまった、なぜ攻めないのだ!と諫言を口にします。ところが項羽は、范増には関係ないことだと言わんばかりに、軽くいなして体を休めるよう勧めます。すると鐘離昧は何をした?と范増、謀反の疑いがあると聞くと、鐘離昧は自分を犠牲にしても忠誠をつくす男だ、裏切るわけがない!と声を荒らげます。司馬欣もそうだった!と項羽が反論すると、范増はよく考えろと呆れたように口にして出て行ってしまいます。
項王は私の事も疑い始めている・・・范増から聞いて驚いた鐘離昧は我々は劉邦に操られている、こんな状況はもう嫌だと憤ります。范増は明日の軍議で、決着がつくよう手配するからと考えを巡らせますが・・・。
滎陽。
盧綰は一兵も使わずに項羽の配下を消し去った陳平に敬服し、酒を勧めます。陳平はこんな卑劣な手を使ってはろくな死に方をしないと謙遜(?)。陳平は楚にいる秦の降将の名簿を見せながら、楚に間者を送り自害に見せかけ殺すよう盧綰に頼みます。
項羽の軍営。
龍且は死んだ兵たちの名札を鐘離昧の前に積み上げます。こんな時間に会いに来れば、疑われるぞと龍且を案じる鐘離昧。来なければ疑われないのか?と龍且は言いつつ、自分の副将たちが怪しく思えて来たと心のうちを白状・・・ずっと信じて来たが、いまとなっては分からない、誰もが誰かにいつも見られているような気がしていて、今日も幕舎で死んだ者がいる、王は司馬欽と同じように処罰を恐れて自害したと言っている・・・龍且の話に、何かを感じた鐘離昧は、その死体を見たのか?と尋ねます。死体は見てないが、対処した兵は失踪したり気がふれたと答える龍且は答えると、季布を調べるよう命じられたことや、項莊や項伯までもが密告されたらしいことを話します。それを聞いて、鐘離昧は范増にも事が及ぶのではと案じます。
項羽は軍議の場を急に変えると、范増には知らせることも呼ぶこともするなと虞子期に命じます。不安になった虞子期が、范増は信じられると口を出すと、承知の上で休ませるのだと項羽は優しく返します。
軍議に出向くも誰もおらず、場所が変わったことを知った范増は、遅れながらも軍議に参加。修復された甬道をまた攻撃するとの項羽の話に、状況は変化しているのだから作戦を変えるべきと口を挟み、休んでいるようにと勧められると、戦場には這ってでも行く、休めと言うならここで聞くと、座り込ん動きません。仕方なく軍議を続ける項羽。范増は、5千の兵で甬道を攻めると項莊が言うのを聞いて笑い出し、まるで子どもの話だと馬鹿すると項莊も黙っていられず、耳が遠いなどと反撃。それを宥めた項伯は、范増から意見を聞きだします。攻撃と修復の繰り返しの甬道にはかまわず、とにかく滎陽を攻めろと范増。甬道を攻めるのは亜父の考えだと項羽が言うと、状況は変わっている、王ならそれぐらいは分かるだろう!間抜けなお前たちを誤った方向へ進めさせぬ為に来たのだと范増は項羽を黙らせます。項羽もさすがに折れ、范増に策を請いますが、范増が包囲するだけで攻めねば士気が落ちる、攻撃に耐えられぬ状態の滎陽に鐘離昧を先鋒にして総攻撃するのだと言い出したところで、項莊が軍師殿はモウロクしたと口を挟んでしまいます。范増に黙っていろと怒られた項莊は、仕返しのように我々が蜂起したころは山で魚を獲っていたいたくせにと馬鹿にします。これに怒った范増は、杖で項莊を殴って出て行ってしまいます。項羽は項莊を怒りますが、甬道を攻めることにしてしまいます。
軍議が終わると、仲間割れとは劉邦に笑われるなと項伯は反省しますが、項莊は范増の横暴さに怒りが収まりません。二人の話に加わった虞子期に、范増は内通の疑いのある鐘離昧に肩入れしている、范増も一味なのではと訴えます。項伯は言いすぎだと項莊を止めると、特に虞子期将軍には言うなと、意味ありげな言葉を挟み、自分は范増を信頼しているが、人の心は計り知れない、何が偽りかは誰にもわからないと語ります。それは王様もお見通しだから、心配ないと虞子期は項伯に告げますが・・・。
その夜、虞姫は項羽を労りながら、言い争う声を聞いたと案じます。理由を話してため息をつく項羽の膝の上でに座った虞姫、笑って♪と顔にいたずら。堪え切れず笑った項羽に、お前の顔を見ると悩みも忘れると言われた虞姫は、私もそう望みますと囁き・・・。項羽に抱えられ床に寝かされた虞姫は、さっきは見たことない怖い目をしていたと語りかけます。心を見透かされ、范増の事を蒸し返された項羽は、皆亜父の事ばかり話すとうんざりして、不機嫌に。項羽は虞姫に范増との関係が皆の士気に影響する、妙な噂に振り回されるのはあなたらしくない、私は范増に冷たくされてきたが、王に忠誠を尽くしてるから恨んではいない、あなたが范増を退けようとするのは楚軍には危険なことと諌められますが、范増は密偵を使い私の動きを知っている、小さな嘘もつけぬ、一介の軍師が王の動きを探り、いったい何を企んでいるのかと、范増の別の一面を語って聞かせ自分も不安を露に・・・。 そのころ、鐘離昧が范増の幕舎を訪ね、軍を滎陽の城壁から後方に下げたと報告。項伯が滎陽から戻ってから変わってしまったと鐘離昧が憤りますが、敵の計略に嵌ってしまった、もう項王の信頼は取り戻せない、名ばかりの軍師では用はないと范増は諦めている様子で話します。そんなことない、二人が意地を張ったままではとんでもないことになると、鐘離昧が困惑していると、范増は若造と話してくると言うと、急に立ち上がり・・・。
項羽の幕舎の前で、休んでくれとの伝言も無視してじっと待つ范増。項羽は、私を困らせているのだと范増に腹を立て、虞姫の言葉も耳に入らぬほど。虞姫は項羽に跪き、范増に会うように懇願します。
立ち続ける范増を心配して鐘離昧が駆け寄り、やめるように言いますが、言わねばならん、話を聞くかどうかは項王の気持ち次第だと范増はそのまま立ち続けます。
一方、陳平は密かに丁公(彭城.で逃げる劉邦を見逃してくれた元、秦の将)に面会。例の話の為に来たと言う陳平に金は使いきったと話す丁公。陳平は心配ない、更に一万金渡すと告げると、范増を楚の陣営から消し去りたいと話し・・・。
第66話


項羽と劉邦 King's War☆キャスト
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この記事へのコメント
おりんご
寄せ集めの組織の脆さが描かれていて、今の世でもこんなことがありそうだなんて思いながら見てました。
ひらで~
この回は、項羽と項荘の気質を利用した
離間の計ということですね。
項荘は鴻門の会以降は行動があまりよく
分かってないみたいなので、ここは
脚色でしょうけど、巧く出来てると
思いました。
劉邦の関知はどうでしょう・・・こういう
策については、お任せなのかも。少なくても
このドラマでは、そんな感じです(笑)