第66話 虞姫の誤解陳平による楚軍の離間の計、発動・・・
楚の項伯と項荘は漢と話し合うが、交渉はまとまらない。そのとき、陳平に司馬欣からの文が届いたと知らせる者が入ってきて、項伯は不審に思う。帰り道、2人は漢から司馬欣への密書を手に入れて項羽に渡すが……。そんな中、彭越が項軍の補給路を断ったため、項羽は彭越を討つために一度戻ることに。その間、成皋を守っていた曹咎は周勃が率いる漢軍に包囲され、挑発を受ける。怒った彼は軍を率いて出ていくが……。
楚では離間の計だと分かっていながら、止めることができないのが
陳平の言うところの毒の作用なのですね。
元秦の者を狙うあたりが、怖いところ。
こうなると、頼みの綱は血の繋がりだけになるみたいです。
それにしても、項伯さん、もしかして漢に加担してる?って程に
大胆になってるような(^^;)だって許攸だもんなぁ(笑)
以下ネタばれしてます、ご注意を・・・
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滎陽、漢王宮。
項伯と項荘を迎え、陳平と周勃が和議の為の話し合い。項伯は滎陽を境に、西を楚、東を漢とすると提案すると、陳平は、それは項王の思い込みだとはねのけ、だんまりを決め込んでいた周勃までもが話にならないといつまでたっても平行線のまま。そこへ、陳平へ司馬欽からの文が届いたとの知らせ。陳平が会談中になぜ入って来たと知らせた者を怒鳴りつけるのを見た項伯は不審に思いつつ、漢王と会いたいと願い出ます。しかし、陳平はそれを拒否した挙句、食料不足の楚を皮肉るように宴に誘います。
帰る途中、漢王からの密書を持った者を捕えて密書を奪った項伯は、中身を読みつつも、見ていないとして項羽に手渡します。
彭越の軍営。
彭越は彭城から項軍への補給路は自分が抑えた、王からいただいた兵で梁の外黄や睢陽など17の町を手に入れたとの報告書を奪った町の印を目の前に並べて得意げに書かせます。
項羽の軍営。
補給路を断たれ、後退を迫られた項羽は苛立ちます。范増は曹咎に挑発に乗らぬように成皋を守るように命じます。その間に梁を奪い返すことに。
項羽の猛攻を抑えきれなくなった彭越はさっさと奪った町を捨てて撤退。
成皋。
粟城に籠る曹咎に向かい挑発する周勃軍。周勃は兵が出て来たら、負けたふりをして逃げ楚軍を谷へおびき寄せるよう命じます。その間に、劉邦も向かいます。
城内では、今まで対峙していた漢軍が今頃攻めて来ることに何かあるのではと勘繰り城を出てはならないとする司馬欽に対し、力で押しつぶそうとする曹咎は司馬欽の意見を無視し出撃を命じます。自らも出撃した曹咎は漢の大軍に待ち伏せされ、万事休す。命を無視して失敗したのを恥じた曹咎は自害・・・。
成皋が陥落し劉邦が入ったとの知らせを受けた項羽は虞姫を案じ、奪回に戻ります。成皋を奪い返し、項羽が捕虜たちに虞姫の居場所を聞き出していると、虞姫を警護していた兵たちが現れ、守れなかったことを詫び、項羽が止めるのも聞かずに自害してしまいます。死んだ兵たちを手厚く葬るよう命じた項羽は漢軍の捕虜たち全員の処刑を命じます。
虞姫を捜す項羽は愛馬に導かれ、虞姫を発見。
項羽の軍営。
目覚めた虞姫は、外の空気にあたりたいと幕舎を出ようとしますが世話をする女性に止められます。その様子に只ならぬものを感じた虞姫が問い詰めると、女性は項王が虞姫を探すために漢の捕虜ばかりでなく、虞姫を守っていた兵までも殺したとの話を聞いているので、命に背いたら殺されると白状。責任を感じた虞姫は兵たちを弔います。
戦は人を変えてしまう、昔のあなたはどこへ行ったの・・・私の為に人をころしたの?虞姫の問いに、私も辛かった、兵は失ってもまた集められるがお前の代わりはいないと答えた項羽。民の心を失っては居場所がなくなると案じる虞姫に、ゆっくり休めと言葉をかけるしかない項羽は静かに外へ。そこへ、虞子期から虞姫を守っていた死んだ兵たちから疫病が発生したとの知らせ。疫病の広がりを抑えるために死者を燃やすように命じる項羽。
火葬される兵たちが並ぶ前で、項羽は連れて帰ることも埋葬もできないことを詫び、虞子期はその炎で勝利へ導くよう祈ると火を点けます。様子を見に来た虞姫に、この兵たちが虞姫を守り切れず自ら命を絶ったことに心を痛め、今また心を鬼にして遺体を燃やしていると、虞子期は項王の苦しみを聞かせます。項羽が兵を殺したのではないと知った虞姫は、兵たちを憐れむと、項羽に誤解していたことを詫びます。
漢から奪った密書について、司馬欣宛だとは思えない項羽に、項莊は戦いの後に司馬欣だけが戻ったのが証拠だと反論し、項伯も滎陽の兵は傲慢で楚軍が迫っていても平気の様子から、劉邦に楚を破る策があると信じているようだった、そうしたことから敵の回し者がいると思われると遠まわしに訴えます。范増は、それは項王が考えることと制し、司馬欽は裏切らないと庇うと、心が揺れる項羽に、司馬欣は忠実だと言い張りますが・・・。
幕舎の外で范増に司馬欣について再び尋ねる項羽。秦を裏切ったことや捕虜を殺したことで恨みがあるはずとと、引っ掛かりを感じる項羽に対し、司馬欣は気が小さく、私の密命に従おうとしたができなかったと范増は庇い続けます。項羽は自分に黙って密命を出したことが、気に障った様子。時間がなくて報告できなかったと弁解を受け流した項羽は、司馬欣は恩人だが保身ばかりで気に食わない、処分は任せてほしいと范増に告げます。
項羽に目通りした司馬欣は曹咎を止められず、成皋を失った罪を赦してほしいと訴えます。曹咎には配下の意見を聞く必要はなく、出撃したのは曹咎の罪だと項羽は言うと、では何の罪だ?と尋ねます。ひれ伏す司馬欣を立たせた項羽が、ない罪をかぶり忠誠心があると見せかけるのは許せないと語ると、私は違います、離間の計に嵌り、成皋を失ったと司馬欽。そして項羽に、今は私が離間の計に嵌りお前を疑っているというのか?と尋ねられると、司馬欣は「はい」と答えます。漢王と通じているのか?と最後に尋ねる項羽。否定する司馬欽に信じると告げた項羽は、范増から密命を受けたかどうか尋ねます。司馬欣は「いいえ」と否定。項羽はそれを聞くと、司馬欽に幕舎から出ることなく、劉邦に投降後の出来事をすべて書き記すよう命じます。忠誠をつくしている私を、王様は殺せても、辱めることはできないと静かに抵抗を見せる司馬欣に、項羽は疑うでもなく辱める気もない、ただ裏切者を捜すのに役立てるだけだ、手助けは嫌か?と心中を探るように問いかけます。深く傷ついたように遠くを見つめながら書くことに応じる司馬欣。
一方、司馬欣に対して龍且が悪いのは曹咎だと庇うと、項伯は曹咎の戦い振りを讃え、そんな死者に鞭を打つのかと反論。龍且は死者には言いすぎたが、生きている者には公平であるべきだと、自分に成皋を任せればこんなことにはならなかったと項王を批判。これには虞子期が怒り出し、鐘離昧がそれを止めに立ち上がります。すると、項伯が秦の役人だった司馬欣が裏切るのは不思議ではない、そう言えば鐘離昧将軍も秦の役人だったと言い出し、雰囲気は一気に下降状態。黙って聞いていた范増が止め、意見を求められると司馬欣には裏切りの証拠はなく項王も無罪としている、楚の臣下は一致団結しなければならんと咎めますが・・・。
第65話


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