第70話 釜茹でにされた儒学者食料不足解決に頼られた簫何ですが、あらぬ心配を抱かされ
食料不足に陥った劉邦は、糧秣を送るよう蕭何に文を出す。糧秣を運ぶ兵がいない蕭何はそれに答えることもできずに困っていたが……。レキ食其は劉邦に、斉国と手を組み一緒に項羽を討つべきだと進言。劉邦は韓信に斉国への出兵を命じてあるのに、レキ食其を斉国に送って説得に当たらせる。それを知ったカイ徹は韓信に斉への出兵をけしかけ、ためらう韓信に「斉を攻める命令はまだ撤回されていない」と畳みかけるが……。
息子たちを手放す羽目に・・・周りの者たちも色々考えて
いるのですねぇ(^^;)というか、案じていながら、結局は
猜疑心の種を植え付けているような感じです。
簫何への手紙の件は張良が言い出した事だけど、
こうなるって分かってたのかしら・・・
韓信は手柄の横取りを恐れての進撃で、攻略に成功・・・だよね?
気を利かせた蒯徹、女性を韓信にあてがいますが、
韓信って女性が苦手なキャラなのか?(笑)
それにしても、酈食其さんは可愛そうだったなぁ・・・
このエピソードは「三国」の第84話で引用されてましたが、
こういうことだったのね。
以下ネタばれしてます、ご注意を・・・
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劉邦の軍営。
食べ物にがっつく薄姫は、劉邦から腹を空かせていたのかと尋ねられ、自分はまだいいが、兵たちは食べ物がなく病になる者もいると聞いた、何とかしてほしいと願います。人の心配ばかりする薄姫に心を動かされた劉邦は、自分の身の回りの世話をさせることに。
簫可の軍営。
王からの文が三度も来たと案じる鮑生(ほうせい:簫何の書生?)に、糧秣を運ぶ兵がいなのに、返事はできないとそっけなく答える簫何。鮑生は王は前線で苦労しているはずなのに、労いの文に返事をしないでいると、心変わりをしたのでは疑われると進言。簫何はそんなことをするなら前にやっていると異を唱えますが、今は昔と違う、簫何さまが変わらなくても王様は変わったかもしれないと言われ、納得。王の疑念を晴らす手段を思案する簫何に、手段ならあるがその前に、と鮑生は王は自分にとってどんな存在かを尋ねます。簫可が金や地位、肉親どころか命より大切だと答えると、自分の息子をを王のもとへ送るよう鮑生は進言します。そして、簫何は息子に糧秣を届ける役目を与え、王のもとで学べと送り出します。息子たちは自分たちが人質として送られることは重々承知で王のもとへ。
簫何の息子たちを迎い入れた劉邦は、息子たちが軍に入るよう言われて来たと知り、簫何の気遣いを察します。
糧秣も兵の数も十分ではない状態では、項羽には勝てない、利害の一致している斉に助けを求めて、和議を結び同盟を組んで項羽と戦うべきと酈食其から進言された劉邦、斉の宰相・田横は自分と同じ儒学者だから話し合いに応じるはずと言う酈食其の言葉に心が揺れます。既に韓信に出兵を命じてあると、劉邦が案じると、韓信の兵はわずか2千、街が70もある斉を平定することはできないと説得、劉邦はその気になります。
酈食其の策に乗り気となった劉邦は、張良に酈食其は目の付け所が違うとべた褒め。しかし張良は韓信が斉を攻めると言うのに、酈食其を送るのは危険だと案じます。攻撃を命令したわけではない、自分で行くと言ったのだ、帰れるかは運しだいと劉邦、自分のせいではないと言いた気ですが・・・(^^;)。
斉に向かった酈食其、斉は孔子・孟子を産んだ国、そこへ行けるのが楽しく仕方がない様子。必ず使命を果たそうと、意気揚々。
斉の平原の城門まで来ると、武装した兵に阻まれます。何事かと、尋ねる酈食其。斉の兵が韓信の攻攻撃に備えていると答えるのを聞くと、その話はもう古い、私は漢王の命を受けて和議を結びに来たと告げ、通行を許されます。
斉の都・臨淄、斉国王宮。
酈食其を王宮に迎え入れた田横は“使者として君命を恥ずかしめず”の言葉があるが、あなたほど使者としてふさわしい人はいないと大歓迎。酈食其は私は一介の儒学者、国が手を組むのは利益の為ではなく道義の為であると考える、そうすれば平和が訪れると語り、ますます田横を喜ばせます。客舎に通された酈食其は、歓迎振りを王に伝える文を書き、斉王に会うことを劉邦に伝えます。
斉王・田広にお目見えした酈食其、田広に天下を握るのは誰かと尋ねられ、間違いなく漢だと答えます。今の状況は項羽に分があるように見えるが、なぜそう考えるのかと理由を尋ねられると、項羽は心が狭く有能な人材を無駄にしている、性格が残忍で多くの人を殺し、義帝を殺したことで人心は離れた、反対に漢王は義を重んじ賢人を受け入れていることから、二人に人々が抱く期待はまったく異なっている、糧秣についても漢王が有利、楚軍の糧秣は減るばかりなのに、項羽は糧秣については無関心で、穀蔵だった敖倉は漢に奪われる始末と酈食其は揚々と答え、斉の二人を唸らせます。そして田横と相談した田広は、酈食其の為に宴を開き、前線の守りを解いたことを伝えます。
韓信の軍営。
斉からの密書で漢王が和議の為に、酈食其を送ったと知った蒯徹は急ぎ、韓信に伝えます。出兵を命じておいての和議とは、出兵までの時間稼ぎかと考えた韓信ですが、和議を結んだと聞いて出兵すべきか悩みます。そんな韓信に蒯徹は、酈食其は舌先三寸で斉王を丸め込んだ、その舌に大将軍の戦功が負けてしまっては漢は救いようがない、だが攻撃すればまだ救いようがあると出兵を促します。漢王は大将軍に次の手を選ばせるつもり、それを間違えれば死ぬことになる、道は一つ、斉を攻撃すること、王は攻撃の命を撤回していないのですと説得し・・・韓信は斉を攻撃することに。
劉邦の軍営。
韓信が斉を攻めたと聞いて、不義理をしたことになったと怒る劉邦に、韓信への攻撃中止命令は手遅れだったと訴える張良。冷静になった劉邦は、斉は裏切りが得意だから同盟しても信用できぬ、攻撃は問題ないと考えなおします。張良は酈食其の命を案じ、同時に韓信が負けたらどうするか劉邦に尋ねます。劉邦は暫し考えると、殺す、と一言。
臨淄。
何も知らずに捕えられた酈食其は、何事かと田広に尋ねます。田広は韓信が攻めて来た、騙したのはけしからん!怒り、酈食其が私は仁義礼智を備えた儒学者、騙すことはしないと訴えると、無防備な平原を攻めた、歴城もすぐに落ちる、更にこちらに向かっている、口では徳や義を説いても腹の内は真っ黒だとその怒りは増すばかり。こうなっては何を言っても信じてもらえぬと悟りながらも酈食其は、最初から仕組んでいたとの言葉には、それなら既に逃げていたと反論。詐欺師呼ばわりにも、詐欺師に裏切られたのだ、成し遂げた偉業を股くぐりの韓信に台無しにされたと訴えますが、ならば今からでも韓信を止めろできなければ釜茹でにすると言われ、できないと答えた酈食其、恥ずかしめを受けるなら、死を受け入れる、だが、最後これだけは言っておく、私の言ったことは真実だ、私は誇り高き人間だ、煮るがいい!と訴え・・・。
広武山(滎陽の北)、項羽の軍営。
浮かぬ顔の項羽、鐘離昧があれが鴻溝(こうこう)、その対岸に漢軍がいると声をかけると、劉邦と勝負をつけるためここに駐屯すると言い出します。鐘離昧は長期の滞在は糧秣が心配だと訴えますが、かき集めろと言われ更に不安を募らせ、劉邦の家族の利用を進言。これには虞子期が軽蔑される行為だと口を挟み、季布も反対します。しかし、長引けは不利になると鐘離昧は訴え・・・。
臨淄、斉国王宮。
臨淄を陥落させた韓信は、王宮に入り、王の椅子の座り心地を確かめた後、更に奥にある王の寝台へ。一方蒯徹は、気が利いて、貴族の娘ではない女を韓信の相手として選びます。韓信に娘を送りたいと考える貴族は多いが、下手に選べば妬みを招くからとの理由で、選ばれたのは娥妹(がまい)と言う名の女性。
斉王様の世話係だと言われ、私は王ではない、私の王は漢王だと韓信は言葉を遮ると、蒯徹の仕業だと察し、蒯徹を捜すふりをして(たぶん)娥妹を置いて部屋を出て行きます。
張耳と合流した韓信、斉の将軍・田既(でんき)を胶東(こうとう)に追い払った、灌嬰の攻撃で田広も田横も窮地に陥っていると張耳から聞かされ、強国の斉をここまで追い詰めたのは私だけだと笑いが止まりません。臨淄の支配者だと張耳は韓信に告げると、共に戦えて光栄に思う、一生共に戦うと言葉を残し去って行きます。
笑みが止まらぬ韓信に、田広が項羽と手を組めば厄介になると蒯徹は進言。この戦で、漢王は斉の民心を失った・・・そう言いかけて、責任は私にあると反省の言葉。不機嫌となりながら、韓信は斉の平定は私の意思、民の不満はその内消えると告げ、蒯徹から逃げ出します。
その頃、敗走した田広と田横が韓信の攻撃で煙の上がる臨淄を臨んでいると、漢王は卑劣だ、恨みを忘れ楚と手を組み討つべきだと食客たちに進言されますが、意地はないのか!と一喝し、項羽と話し合うことは絶対にない、楚との和睦を口にした者は切り捨てると田広は怒ります。
田横に宥められた田広は、これからの道を模索。田横は、改めて斉の存亡にかかわることだと楚との和睦の検討を進言し・・・。
第69話


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