
観相師-かんそうし-
観相 관상 THE FACE READER
2013年 韓国
監督: ハン・ジェリム
脚本: キム・ドンヒョク
ハン・ジェリム
出演: ソン・ガンホ (観相師 キム・ネギョン)
イ・ジョンジェ
(文宗の弟 首陽大君スヤンテグン )
ペク・ユンシク (左議政キム・ジョンソ)
チョ・ジョンソク
(ネギョンの義弟 ペンホン)
キム・ヘス (芸姑 ヨノン)
イ・ジョンソク
(ネギョンの息子 ジニョン)
キム・テウ (文宗ムンジョン)
チェ・サンウ
(文宗の息子 端宗タンジョン)
コ・チャンソク(チェ大監)
朝鮮王朝、第5代国王・文宗の世。
両班の出でありながら、父の犯した罪で
没落した生活を送るキム・ネギョンは
筆職人として義弟ペンポンと息子・ジニョンと暮らしてしたが、ジニョンはそんな生活から抜け出すために仕官をめざし家を出る。同じ時、ネギョンも妓楼の女将・ヨノンに招かれ都へ。観相師としてヨノンもとで働くうち、欲の出たネギョンは殺人事件の真犯人をも暴くことで、、“トラ”の異名を持つ優れた高官キム・ジョンソの信頼を得て、宮中の要職に抜擢される。ところが、それがもとで王の座を狙う文宗の弟・首陽大君に目をつけられることとなり・・・。
時代劇のソン・ガンホ、初めて観ましたが・・・彼の出る映画に
つまらないものはない!って、改めて感じるほど、好かったです♪
物語は、自分は悪くないのに、世から締め出されてしまった主人公に、
並外れた観相・・・顔の相を観る力があったことで、世に出ることに
成功したのはいいけれど、王の継承問題に引き込まれ・・・という、
先が読めそうな感じの物なのですが、実在のクーデター事件を
背景にしてあるので、先が読めることが、面白さを醸し出している感じ。
血生臭さが漂いながらもソン・ガンホの独特な雰囲気にほっこりしたり
笑わせて、最後にはドンと底に落としてくれて、139分があっという間。
以下ネタバレしてます、ご注意を。
そのクーデター事件とは、第7代国王となった世祖が首陽大君の時に
起こした癸酉靖難(きゆうせいなん、ケユジョンナン)・・・
首陽大君の兄、第5代国王・文宗は即位して2年ほどで病死したため
世子の弘暐(のちの端宗)は11歳でで即位。左議政キム・ジョンソらが
補佐をする一方で、首陽大君の勢力が拮抗。端宗即位から一年後に
首陽大君がキム・ジョンソらを殺害し政権を掌握。端宗を譲位させた
首陽大君は王に即位。その後端宗を毒殺・・・というもの。
韓国の歴史ドラマをまだ数本しか観てない私にとっては
「大王世宗」の続きだけど、世宗の息子たちがこんなことをしたのか~って
感じで、不思議な感覚。けれど、映画では父より、首陽大君の相が
争いで王位を奪った祖父・太宗の相に似ているってことになっていて
なるほどなと感心しました。
ネギョンがこの事件と関わるのは、文宗が自分の命が長くないと分かり、
幼い息子が無事に王にさせるため、敵味方を見極めようと
観相師ネギョンの力を借りるところからのなのですが、
キム・ジョンソの観相をしたところとても好い相なので、
王様の味方として見てしまう・・・これが、あとあとネギョンにとっては
不幸の始まり。
文宗の死後、息子が端宗として即位したはいいけれど
王位を狙い続ける首陽大君から、ネギョンが幼い王を守ろうと
頑張ることがかえって裏目に出て来るあたり、ドキドキしました。
仕官すれば不幸が訪れると息子・ジニョンには、仕官することを反対した
ネギョンが息子の頑張りを見て、許してしまう親心にはほっこりしつつも
観立て通りに不幸にあっていく様は、ネギョンの父としての想いが、
一方では愚かさに見えて来るあたり、やるせなさでいっぱい。
危険な人物とネギョンが観た首陽大君は端宗を殺すことは
いつでもできたのに、叔父としての想いから思い止まるあたり
単純に悪役にはしておらず、後に王となって朝鮮王朝を強くすることに
なることを思えば正義と悪の線引はどこからくるのだろうと考えさせられ
人の感情とは曖昧な物だと改めて思いました。
ネギョンの観た未来がどこだったのか、どこを観なければいけなかったのか、
ネギョンは最後に気がつのですが、ここの表情がまた好いのよね♪
これだけ、後味が悪い物語に関わらず、好かったって思えるのは
ソン・ガンホのお蔭だと思います。
もちろん、首陽大君を演じたイ・ジョンジェの悪ぶりも見逃せないところ。
時代劇はもちろん、悪役っぽいのを初めて観たせいもあるけどね♪
ネギョンの義弟・ペンホンも良かったし、出てる役者さん
みんな良くて、一人一人語りたいくらい(^^)
結構、後引く映画です♪・・・たぶん(笑)
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