第58話 故郷への逃走彭城の戦いで項羽に負けた劉邦、逃げる際に
劉邦は樊カイや盧綰と再会し、沛県に身を隠すことに。だが沛県は既に楚軍に荒らされており、劉邦らはあらためて故郷の豊邑を目指す。しかし彼はこの戦ですっかり自信を失っていた。一方、項羽に捕らえられた呂雉らは牢に入れられていた。様子を探りに来た范増は、劉邦の息子だと言い張っている肥が、呂雉の息子ではないと気付く。先のない毎日に曹氏は生きる意欲を失っていたが、呂雉はそんな彼女を叱り励まして……。
我が子を馬車から三度も蹴落とした・・・少し前に放送されてたNHKの
特集で、負けた際の狼狽ぶりとして史記にあったと取り上げられ、
そのシーンとしてこのドラマのシーンが使われてましたねぇ・・・だけど、
蹴落とした状況とか理由が全然違うのですけど、いいの?(笑)
呂雉と曹氏、項羽に捕まってどうなる?って思ってましたが、
呂雉さん、強さを見せますねぇ。曹氏への励まし方も彼女らしい。
項羽とも堂々と渡り合って、すっかり姐御の域ですね♪
以下ネタばれしてます、ご注意を・・・
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子どもたちの再会を喜んだのも束の間、逃げたはずの項軍が大挙して向かってくるのを認めた劉邦たち。樊噲は劉邦を守るべく、項軍に向かいます。劉邦は夏侯嬰と盧綰に守られ逃げる途中、一緒にいては危険だと子どもたちを降ろし、隠れさせようとします。そこに項軍の追手。思わず夏侯嬰が子どもたちを助けようと馬車に乗せようとしますが、足で蹴り落とす劉邦。それでも夏侯嬰は無理やり子どもたちを乗せ、馬車を走らせます。その後、樊噲と合流、張良や酈食其とも再会し喜び合います。
改めて沛県を目指す劉邦たち。沛県は呂雉の身内の呂沢(りょたく)が守っています、不安はあるものの、ほかに行くところがない、彼を信じようと、劉邦は望みをかけます。
沛県。
秦軍に荒らされ無残な姿になっていいましたが、民は抵抗せず隠れていたので無事だと聞いて、お蔭で俺たちが帰ることができたと劉邦は喜びます。しかし、食料が足りないことからここでは無理と判断し、豊邑へ行くことに。
豊邑、中陽里村。
荒れ果てた我が家に帰った劉邦。村には食べ物どころか人の姿も見当たりません。今後、王とは呼ばず劉邦と呼べと命じる劉邦、それはできないと言う盧綰に、丁長の頃の方がずっと良かった、仲間と食べて飲んで楽しくやった、肉もあったのに今は何もない、敗残兵の俺が王なのだ?項羽は生まれついての王だが俺はただの庶民だと落ち込みます。そんな劉邦を案じて夏侯嬰は子どもをけ飛ばしたことを恥じていると心を開かせようとしますが、あの子たちは項羽に捕まった方が生きられた、項羽は俺を憎んでも子どもには手を出さない、そいう甘い奴だと劉邦は答えます。
彭城、覇王宮。
劉邦から取り戻した王宮に入った項羽、倒したのは劉邦で韓信ではない、もし韓信が指揮をしていたら簡単には勝てなかったと范増に水を差され、少しイラつきながら3万の兵で十倍以上の敵に勝った、過去に類を見ない大勝利だと言い返し、韓信は我が軍でも才能を見せていたというが、それならなぜ劉邦は負けた?と韓信の力など気にも留めません。そこに、龍且が呂雉たちを捕えたとの知らせ。確かめに行った范増は、わざと耳の遠いふりをして近づきます。劉肥についての情報はなく、范増は龍且から自分は劉邦の息子だと言うので連れて来たと聞かされ、呂雉と二人で話をすることに。
呂雉を王の妻として丁重に扱う范増。呂雉は囚人扱いされていることに不満を現すと、范増は今は戦で秩序が乱れている中で項王が義兄弟のよしみで夫人をお連れしたのだ、項王の仁義だ、分かるか?と呂雉の前でに龍且を咎めます。話を耳にして、それが本当なら漢王に変わって礼を言うべき、直接伝えたい、戦は勝手にすればいいけれど、家族を捕えて脅すのは君子のすることではないとはっきり伝える呂雉。強がる呂雉に范増は項王に良心や情けがなければ夫人はここに座ってはいないと言うと、子どもが心配ではないか?尋ねます。つい、自分の子どもの事だと思い、見つかったのですかと反応する呂雉を見て、先ほどの子が漢王の子ではないと察する范増。呂雉の子はまだ見つかっていないが、必ず見つけるから子どものためにもおとなしく待つように告げます。
牢では、少ない食事で満足しない息子に自分の分を与える曹氏の姿に、劉邦の父が、巻き添えにしてしまったことを後悔の念を現しながらも身を案じます。無気力となった曹氏を見かねた呂雉は、漢王の女であり劉肥の母親は死ぬことは許されないと詰りますが、ここで皆死ぬのだから望みはないし、私は足手まとい、なによりもこれほど自分が他人に迷惑をかけたことはなかったと、自分を恥じている心の内をさらけ出す曹氏の言葉を聞いて、肥に跪かせ食べるように請わせます。それでも食べない曹氏に、その子は漢王の子、あなたが躾けないで誰がするのかと強く言い聞かせる呂雉。曹氏は肥を抱いてひとしきり泣くと、食べ物をのどに詰め込みます。
いっそのこと劉邦の家族を殺そうと言い出す項羽に、韓信が睢水(すいすい)の南に居り、仇討に来るからダメだと反対し、人質は巧く使えば劉邦を操れると范増。劉邦は子どもを降ろして逃げようとしたと知らせを受けている、家族を案じる男ではないと項羽が反論すると、劉邦はただの人間だ、危うい目にあって思わぬ行動をとったが、後で後悔しているはずだ、今我々は劉邦を苦しめられるコマを握っている、彭城に救出に来るほど愚かではないが、家族は大切に思っていると范増は説きます。ところが、項羽はそれが正しいことだとしても、私は西楚の覇王だ、そんな卑怯なことには従えないと異を唱えます。これは戦いだ、勝つことが目的だと范増は説き伏せようとしますが、それでもできないと項羽はつっぱねます。さすがに怒り出した范増、今更何を言う?放たれた矢は二度とは戻らない!と声を荒らげますが、亜父がいつも正しいとは限りません!と、項羽に言われて引き下がります。
劉邦の父と呂雉を呼び出した項羽。私が劉邦を漢王にしたのに、奴は関中に攻め込み彭城まで占領した、私の度量の大きさに付け込んだのだ、これほどに裏切りは本人への処罰だけでは足りぬ、一族皆殺しだと伝える項羽。劉邦の父は、慌てて跪き劉邦は田舎者、相手にしないでください、義兄弟なのですからと許しを請います。そんな義父の姿に見かねた呂雉は、謝る価値はないと義父を立たせます。それに腹を立てた項羽に、呂雉は項王が正しいのならこれほど恨まれはしない、不満だらけであるのに項王だけがご存じないのでは?項王に背くのは漢王だけではないはず、殺すなら殺してください、でも君子のすることではないと訴えます。殺す気はないと言う項羽、義兄弟の家族を監禁したことで小人物だと言いたげだが、そんなことは知ったことではない、これは戦だ、規則も限度もないと、呂雉の口を黙らせると、劉邦の父を立たせ、先に劉邦が背いたが、家族まで憎んではいない、不自由はさせないと告げます。
未だ見つからない劉邦に苛立つ項羽。劉邦に中原には頼れる場所はない、これ以上探しても無駄だと范増が打ち切りを進言すると、彭城に土足で踏み込んだ恨みは必ず晴らすと怒りを露に。手掛かりがないと訴える虞子期に関中にある劉邦の拠点を徹底的に調べように言うと、范増が横から反対。不思議がる項羽に、情勢は刻々と変化している、前はいつでも劉邦を殺せたがしなかった、兵を出すには関中は遠すぎる、糧秣だけでも大きな負担だ、彭城の糧秣は戦に使うことなく、劉邦に襲撃され苦しんだ彭城の民に振舞えば、感謝すると進言し・・・。
第57話


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