項羽と劉邦 King's War☆第46話 巴蜀の王

男人可以用剣来保護女人的尊厳 而女人却可以用理解来保護男人的心
第46話 巴蜀の王
劉邦は咸陽が燃える様子を見て項羽の凶暴さを思い知り、彼との衝突を避けてきたことを後悔する。虞姫は飢えた子どもたちのために、倉庫の食料を放出しようとする。だが倉庫には何もなく、若い女性が倒れているだけだった。連れ帰ったその女性、若姜は自らの生い立ちを虞姫に話し、2人は心を通い合わせる。そんな中、項羽は関中を章邯、司馬欣、董翳に分割して与える一方で、劉邦には僻地の巴蜀を与えようとして……。
秦への恨みが強すぎて、咸陽を燃やした項羽は、
そこに留まることさえ嫌っていたようですが、
それは大人のすることではないとの評価なのですね。
そもそも、天下取りより楚の復興を願っていたのですから、
彼にしたら達成感はあったのでしょう。
でも、周りがそれでいいの?って気にもなるのもうなずけます。
一方、危険視された劉邦は秦が流刑地としていた、
誰もが行くのを嫌がる巴蜀を与えられますが、実は・・・。
誰が流した噂だったのでしょうねェ(笑)でも巴蜀の由来にびっくりです。

以下ネタばれしてます、ご注意を・・・ 
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炎上する咸陽。
焼け出された民が沛公に項羽を止めてほしいと頼みにくると簫何から聞きますが、劉邦は項羽を説得できないからと拒否。世のすべての勝利と栄誉を求める項羽に、咸陽を譲ってやったのに、こうなるのであれば譲らなかった、民には罪がない、と怒り、戦いを避けて譲って来た自分が悪かったのだと後悔しきり。今は我慢するしかないと宥める簫何・・・。
そんなころ、韓信は混乱する街の姿に、これが我々の祝宴なのかと驚愕し、劉邦がこのような祝宴をしなかった訳を考え中・・・項羽に軍力で劣る劉邦は、項羽を恐れたためだろうと考えた韓信はもし、軍力が同じだったら、どうしたであろうかと劉邦に思いを馳せ・・・。
一方、虞姫は飢えた子どもたちを救おうと食料を捜索。子どもといえど秦の民だから項羽に知れたら大変だと心配する兄の気持ちをよそに、倉庫に入った虞姫は倒れている女性を見つけ、連れて帰ります。

咸陽、丞相府。
 女は若姜(じゃくきょう)という名で、父は趙国の富豪だったが戦で咸陽に移り住み私が生まれたと、身の上を聞いた虞姫は彼女を気に入り、そばに置くことに。
 混乱の収拾に頭を悩ませる范増は、諸侯の恩賞を早くすべきと項羽に提案。項羽は土地を与えれば内輪もめが起こると乗り気のない反応。そこで范増はこの混乱の最中に身を潜めている英布を使えと入れ知恵。項羽は土地では動かないだろうが、妻を与えよと范増に言われますが、心当たりがなく・・・と、そんなところに虞姫の琴で剣舞を舞う若姜の姿。姉妹の契りを結んだと虞姫に若姜を紹介された項羽は、既婚者かといきなり尋ねます・・・いきなり、政治の道具にされちゃうのか(^^;)この方、「後宮の涙」の宋女官長さんだねぇ・・・。
 英布への輿入れが決まった若姜の部屋を訪ねる虞姫。姉の為にと髪をとき、英布に対する不安を払拭させようと強くて守ってくれる人だと語ります。項羽将軍のように?と尋ねられ、男は剣で女の尊厳を守り、女は理解することで男の心を守ると答える虞姫。
 嫁を迎えに来た、英布、新婦を見初め満足げな様子・・・雰囲気違うね・・・項羽に礼を奉げます。英布を見送った范増、これで領土の分配ができると安心すると、送り物を先にやらねばと項羽・・・。
 数日後、諸侯を集めた項羽は秦滅亡を祝し、叔父に代わって一献差し上げると杯をあげ、まずは自分が一杯飲み干します。すると項羽の偉業を褒め称える声が上がり、陳餘らは渋い表情に。項羽は、恩と仇を私は分けると敬意はすでに表したと言うと、杯を陳餘の前に。陳餘は過ぎたことはおしまいにしてほしいと願うと、項羽はではおしまいにしようと言うなり、忍ばせた兵に先ほど褒めまくった諸侯らを処分。驚いた張耳が、かつては楚を孤立させたが今は違うと不服を唱えますが、英布が前に出てこんな奴らは殺せばいいと一言。英布が項羽に賛同したので引っ込むしかない張耳。残った者は英雄だと項羽は言うと、飲めと改めて酒を勧めます。英布が項羽についたと悟った陳餘と張耳は恐れをなし、領土の分配が少なくても我慢するしかないと諦めつつも、陳餘は諦めきれずに何やら思いついた様子。
 魏豹は家に戻ると、薄姫に項羽は全員を殺す気だったのかと尋ねます。薄姫は死にたくないなら、後日の領土分けでは文句を言わず与えられたものを受け、なんでも言うとおりにすると答えなさいとアドバイス。

 ある日、項羽の臣下の韓生は漢中を取るように進言しますが、興味がないと言われて、項羽は秦へ帰る気だと気がつきます。韓生は帰ってはならない、秦が強大であったのは要地である漢中があったからこそだと説きますが漢中は好きではない、彭城で西楚の王となると答える項羽。漢中の王が諸王の盟主でないと?楚は天下の一部分に過ぎないと引き下がらないでいると、項羽は天下を取っても故郷に帰らねば、夜に錦を着て歩くようなものと我慢しながら答えます。するとこれほどまでに項羽が幼稚だったとはと笑い出した韓生、楚人はサルだと世の人は言うが、その通りだったと項羽を怒らせると、間違った人についた己にうんざりし、項羽の釜茹でにしろとの命を素直に受けます。
 領土分けの時を迎え、西北の辺境の地をどう分けるか項羽は諸侯たちに良策を尋ねます。諸侯たちの反応をじっと見る項羽と范増。話し合いが終わり、項羽と范増が二人きりになると懐王の処置について相談。懐王は我々が王にしたが、秦を倒すための計略で庶民に冠をかぶらせただけ、倒した今はもう旗印はいらないと項羽は言いますが、今はまだ、そのままにしておけと范増。不服を唱える項羽に、懐王を義帝として敬う、皇帝は唯一無二だが、義帝なら仮の皇帝の意味だからと妥協案を授けます。次は劉邦について、項羽は何も考えていないと言うと、范増は劉邦に辺境の地で咸陽からの道もないような巴蜀の一帯を分け与えるのがいいと提案。ミミズのような巴の字はそれがいるようだが、中原の者が昔からそれを表してきた、蜀の中にも虫がいる、つまり虫のような人間が住む場所だ、漢中も同じようなところで道中は困難があるので劉邦たちが辿り着くまでには大部分が逃亡するだろうと説明。それでは気の毒だと空々しく言う項羽、秦の流刑地であったから漢中巴蜀に送ると言えばどんな極悪人も震えたと聞くと、一度行けば戻れないとほくそ笑みます。それより心配なのは項羽が忌み嫌う、ここ関中のことと范増は切り出すと、ここを三つに分け、章邯を雍王、董翳を翟王(司馬欣を塞王、この三人を三秦と称す)に奉じて与える、秦の事は秦にやらせるのだと提案。
 
覇上、劉邦の軍営。
 項羽の懐王の処置を耳にした簫何と張良は、項羽が恐れているのは懐王との約束が果たせず宙に浮いたままであること、英布を九江王に封じるなど18の諸侯を王とし自らは皇帝とならず西楚の覇王となった、盟主というところだが、勝利を得て利を求めぬとは幼く、盟主であり続けるのは難しいと項羽を評価しつつも、劉邦への沙汰がないことには不安を募らせます。そんなところに緊急事態だと二人は呼ばれ・・・。
 劉邦の前で、項羽に巴蜀を与えられて、鳥も卵を産まない所だと文句をわめきたてる樊噲たち。簫可がそれは沛公が決めること、と騒ぎを止めると劉邦は、簫可に意見を求めます。簫可は巴蜀の評価は噂に過ぎない、秦から手に入れた記録から巴蜀だけはこの戦乱から逃れている、肥沃な土地で水は豊富、天然の要害に囲まれている、まさに天がくれたもの喜ぶべきだと正反対の評価をし、張良はついでに漢ももらうべきだと提案し・・・。

咸陽。
 張良は劉邦からの鴻門の宴での感謝の印と称した手土産を持参して項伯に会うと、漢の地を劉邦に与えるよう項羽に取り計らうように願います。辺境を与えられた劉邦に同情しつつも何もできずに心を痛めていた項伯は、漢も関中の一部、これで項羽も懐王との約束も果たせると張良にくすぐられ、その気になります・・・項伯って、好い人だなぁ♪・・・。
 さっそく、項羽に話しをすると范増も、漢を加えても何も変わらない、劉邦はなす術がなくなる、王にすれば陰口を抑えられるとすんなり了承。范増はそれより、項羽が兵を減らそうとしていることが気になります。兵を休めたいとの項羽の計らいですが、諸侯との優位が崩れるきっと彼らは何かを企んでいる、と危機感を呈しますが、私への服従の証に兵を減らす手本を示し黙らせればいい、心配はいらないと項羽。范増は、憂い顔で退出。そこへ、騎兵校尉・呂馬童(りょばどう)。鉅鹿で100人の首を取った勇者だと自分を褒め称える項羽に、このまま兵としておいてほしいと願い出ます。故郷に帰って錦を飾るのは皆の願いだ、褒美も増やすと項羽に言われても、家族を亡くし戦うことしかできない、このままここにと嘆願する呂馬童。項羽は諭すように戦は終わった、家にかえれと告げられた呂馬童・・・。

覇上。
 簫何のところに、呂馬童は軍でしか生きられないので兵に加えてほしいと願い出ます。項羽が兵を減らしていると聞いている簫何は、覇王のところのように贅沢はできないし、巴蜀への道は厳しく後悔するだろうと探りをいれ、呂馬童の人柄を見込むと、灌嬰の部下として騎兵将軍として兵に加わることを許します。
第45話                         第47話
項羽と劉邦 King's War☆キャスト
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