新笑傲江湖(月下の恋歌)☆第40話

人終有一死 更何況我能跟我心愛的人死在一塊
 思過崖の洞窟より、平之を運び出す冲と盈盈。洞窟を出たところで不群に捕まってしまいます。二人を木に括りつけた不群ですが、笑みを浮かべる冲に何がおかしい?と不機嫌に尋ねます。人はいずれ死ぬ、
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愛する人と一緒なら死んでも後悔はありません、違いますか?師父、と冲。怒った不群は盈盈に向かい、恒山派の弟子と毒消しを引き換えにするつもりだったが、お前を先に殺すか?それとも冲か?と尋ねますが、毒消しは持ってないと聞くと、毒消しの作り方を教えれば命だけは助けてやると迫ります。似非君子と呼ばれる者の言葉を信じろと?と盈盈が答えると冲の影響で口だけは達者だ!と怒りだした不群は盈盈の首を掴んで教えるないのか?と脅しはじめます。しかし、恐れることなく端午の節句に令狐兄さんと地獄の門で待ってるわ、その頃には顔は毒でただれ見分けられないねどね、と答えるのを聞いて、さらに怒った不群は掴んだ手に力を込めて行きます。不群の注意が盈盈に向けられていた間に、縄を密かに切った冲、不群を攻撃。咄嗟に応戦した不群、吸星大法だと察し、逃れようと必死に対抗します。
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しかし、冲は手を放すことなく不群の攻撃をかわすと、もう片方の手からも気を吸い始めます。切羽詰まった不群、育ててやった恩を忘れたか?と冲の心を攻撃。思惑通り、冲の気が緩んだところ手を放すと、すかさず攻撃・・・の瞬間、何者かの剣が不群の体を後ろから貫きます。驚いた不群が振り返って見ると、そこには儀琳。刺した儀琳が、我に返ったように慌てて剣を抜くと血を吹き出しながら不群が倒れ、目を開けたまま、こと切れます。私が殺した・・・狼狽する儀琳に、師太の仇を討ったのよと盈盈が声をかけ落ち着かせます。横たわる不群を見つめ、放心状態の冲。
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崩れるように不群の傍らに座り込むと、そっと目を閉じてやり泣き笑い・・・。
 そのころ、華山には司馬大と鳳凰に助けらた千秋たちや恒山の弟子たちが、華山の弟子を人質に不群を探しに奥まで行進中。岳不群、出て来い!と叫ぶも、静かな本堂・・・奥から出て来たのは冲たち。不群の居場所を尋ねられた冲は、師父は儀琳の剣により死んだと静かに答えます。それを聞いて動揺する華山の弟子たち。冲は、弟弟子だった梁師弟に気が付くと、彼に歩み寄ります。司馬大からこそこそしていたところを捕まえて来たと聞いた冲は、放すように命じ、今の華山で一番弟子である梁師弟に総帥の座を継いで華山派を継続するよう頼みます。そして師父は辟邪剣法のせいで人が変わり破滅した、そのことを戒めにすることと言い聞かせ、同門の者たちに伝えて安心させてやれと命じます。
 その夜、盈盈と冲は霊珊の部屋で一夜を過ごします。かつて冲が霊珊に送った回り灯篭を見つめ、まさかたった数年でこんなことになるとはと悲しむ冲・・・盈盈は、何事にも永遠は存在しない、これも天意よ優しく慰めます。恒山に戻って、総帥を儀玉に譲ったら江湖を引退してどこか遠くへ・・・盈盈の胸に抱かれ囁くように盈盈に心の内を話した冲ですが、返事がないので、信じないのか?と尋ねます。もちろん信じるわと盈盈は答えますが、前にも言ったように端午の節句を待って、とにかく恒山に戻りそれからよ、と話をはぐらかします。
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 翌朝。華山に仰々しく任聖教主のご命令であると使者が冲を訪れ、五岳剣派の総帥と門弟は、朝陽峰に集結せよ、十二堂の香主たちは教徒を率いて道を警護し逆らう者を切り捨てよ、聖姑様も令狐様もお越しくださいと伝えます。“五岳剣派は朝陽峰に来い”とは問答無用だなと我行のやり方に呆れる冲。総帥たちはほとんどが洞窟で亡くなった、教主は失望するだろうな、謀は人が計画するが成否は天が決めると言う、師父も毒消しを得ようとして事に及んだが、自分が飲んだものが偽物とは思いもしなかっただろうとやりきれない思いを吐き出します。そして、また教主は俺に入信を勧めるつもりだろうか、断っても恒山派に累が及ばねばいいのだが、と案じるると、誰にも無理強いはさせない、そばにいるからと盈盈は励まします。
 朝陽峰。待ちわびる我行の前に現れた冲と盈盈。挨拶をする冲にもうすぐ家族になるからよい、今日は天下の英雄たちと会うから私事はあとだと上機嫌な我行は、まずは座れと主席を指差します。五岳剣派は以前より嵩山が主席で恒山は末席なのになぜ?と冲が尋ねますが、恒山派の顔を立ててのこと、気にせずにと向問天が答えると、冲は仕方なく従います。我行は身内の者の入場を命じ、千秋らを跪かせ挨拶の口上を受けます。その光景に、我行はますます偉そうになった、、もう豪傑とは言えないと感じた冲は入信したら、自分もこんなことをするのかと嫌な気分に。冲とは裏腹にご機嫌な我行は、皆に労いの言葉をかけ、席へ促します。冷禅が来ていないことに気が付いた我行は、盈盈が令狐兄さんが殺したと教えると、最大の敵だったのに、殺す機会を無くしたと悔しがります。そこへ恒山派門弟が到着。儀玉らは挨拶をすると跪くように言われ、仏と菩薩と師父には叩頭しますが凡人にはしませんと断ります。我行の手下が凡人ではないからと促しますが、凡人にはせぬ、殺したければ殺せと儀玉。手下はすぐに殺せと命じ、恒山派を取り囲むと、冲が我行に俺に免じてと許しを請います。あっさり許した我行、ほかの4派が来ないのを気にすると手下が思過崖の洞窟に冷禅と玉磬子の遺体、洞窟の外に不群の遺体があったと報告。我行が莫大の遺体は?と尋ねると、見つからなかったとの答え。誰に殺された?と我行が問うと、冷禅よと盈盈。更に不群は儀琳に殺されたと答えると、不群は達人たちを招き、手なずけるつもりが無駄に終わったと言うことかと我行は呆れ、我々が手を患させなくとも同士討するとは、江湖から彼らの名も消える、聖教主の前では自滅が関の山、恒山派だけが残ったのは令狐総帥の指導のお蔭、今後は恒山派と我が神教は一蓮托生、共に栄華を極める、聖教主は天下無双の右腕を得られたと問天が褒め称えます。ご機嫌な我行は恒山派は今日限りで解散していいぞ、女弟子は黒木崖へ来てもいいし、残っても構わぬ、副教主の私兵にしようと冲に告げ、問天もすっかりその気で、副教主になられることは喜ばしきことと祝いの言葉を述べると、周りからは副教主万歳!の歓声があがり、千秋らも嬉しそうな表情。我行が大喜びすると、まずは神教加入の祝い酒を飲み、次に成婚の祝い酒を飲みましょうと問天は場を盛り上げ、だまって聞いているだけの冲に、聖教主は貴殿を副教主にすると言っている、武林で聖教主以外は貴殿の下位となるのだ、早くお礼を言いなさいと促します。冲は笑みを浮かべながら我行の前に出ると申し上げたいことが二つあると告げ、一つ目、定逸師太は総帥の座を臨終の際に託し、俺は引き受けました、恒山派を発揚できなくとも日月神教に引き込むわけにはいかない、あの世で師太に合わせる顔がなくなる・・・我行は口を挟み、そんなものは、総帥の座を女弟子の一人に譲れば済むこと、お前が入教したのちに、恒山派が華入手るか相談すればいいと決めつけ、二つ目を聞きます。私事ですが、盈盈との結婚を認めてください・・・我行はそれを聞いて笑いだし、周りもつられて笑い出すと、娘とは相思相愛の仲、無論許す、心配はいらんと答えます。感謝の言葉を口にした冲ですが、ただ俺は決まりを守れぬゆえ、入教しても規則を破ってしまうので考えを取り下げるよう訴えます。不機嫌になる我行に、何度も入らないと申し上げてきたのに、教主は聞かなかった、俺は素直に聞き入れるような男ではないと冲。我行は憤り、冲の名を大声で言うと、減らず口ばかり、恒山派を潰すなど容易いことだと脅します。それを聞いた恒山派の弟子たちはそろって我行の前に出て、恒山派は女ばかりだが、死を恐れない、私たちは総帥の命令しか聞かない抵抗します。
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見かねた盈盈が許してほしいと頼むと、我行は今日お前たちを殺せば、伏兵を置いて罠を仕掛けたと言われる、今日のところは恒山に帰れ、一か月以内に自ら見性峰に登り皆殺しにしてやると宣戦布告。止めようとする盈盈に、冲は教主が決めたこと、何を言っても無駄と我行の言葉を受け入れ、盈盈に黒木崖へ戻るように我行が命じても、結婚を認めてくれたのだから心配ない、教主は約束を破らない、黒木崖で待っててくれと告げ、我行には見性峰で待つと毅然として別れを告げて去って行きます。怒り爆発寸前の我行でしたが、急に胸を抑え・・・。
 黒木崖に戻った我行は一指の診察を受けます。心労が重なったのが原因、滋養薬を処方します、無理はいけませんと一指が診たてますが、江湖統一を前にやることがたくさんある、休んではいられないと我行。盈盈が言うことを聞いて、教内のことは向おじ様に任せればいいわと父を案じます。我行の部屋を出た一指を盈盈が追い、父の病状を尋ねると、仕事の負担してもらい休まねば責任は持てないとの答え・・・。
 父の部屋に薬を届けた盈盈、江湖の模型を見ろと呼ばれ、霊鷲寺と恒山は千里は離れている、令狐冲は救援を求めるはず、救援に向かえば寺は空だ、その隙に寺を焼き払い、寺の奴らが戻るところを伏兵で討てば殲滅だきる、霊鷲寺さえ滅ぼせば他は容易いと聞かされます。盈盈は、日月神教の名は天下に轟き、父さんの名も知れ渡っているのに他派を滅ぼして、人々を殺す必要があるの?恒山派は好戦的ではないのに殺すの?とやめるように訴えますが、冷禅や不群でさえ狙っていたように、江湖で強者に食われたくなければ強者より強くなるしかないと我行は聞く耳を持ちません。
 一指を呼んだ我行は毒消しを催促。研究中ですと答える一指、上官雲の屍虫は骨の髄まで達し取り出せず、残された方法は毒で毒を中和する方しか残ってないが、組み合わせは数千もあり間違えば死ぬかもしれないと煮え切れず、苛立つ我行はそんなことより、いつ出来るのかと尋ねます。一年半はかかると一指が答えると、節句まであと10日だ、1年半後では意味がないとまくし立てる我行。しかし努力はしますとしか言いようのない一指に、怒りを抑え、これは神教の興亡に関わること改めて頼み、盈盈にはすぐ出来ると答えるように念を押します。
 その頃、恒山では魔教襲来に備えて、仏様も“身を捨てても立ち向かうべし”、恒山が滅びるのが天意ならそれまでと儀琳たちは覚悟を決め、冲も何があろうと恒山派と生死を共にすると二人に話します。
 部屋で仕事をする我行、急に気が暴走し始めますが、何とか抑え込みます。そこへ具合が悪そうなので診察に来たと一指が現れ、平気だと我行は、端午の節句まであと二日だが毒消しは無理か、出来ることなら娘と代わってやりたいと親の顔に。そんな我行に毒消しが出来ねば騒ぎが起こるかもしれないので、策を考えておいた方がよいと一指が指摘。我行は我に返ると当日はいつも通り祝いの席を設ける、お前は調合に専念しろと告げ・・・。
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 節句の当日。盈盈が祝いの準備を眺めていると、問天が教主のところへ行くよう告げられ、行ってみると食事の支度が整っており、自分が作ったのだと勧められます。今日は仕事をせずにお前に付き合うぞと嬉しそうに我行は語り、盈盈を喜ばせます。12年も離れていてやっと会えたら不敗の退治、教主に就任したら江湖統一、仕事ばかりで時間が足りないわと愚痴る盈盈は、一日120時間あるといいのだがなと聞いて、向おじ様は忠実で能力もあるから仕事の一部を任せればいいのにと提案。すると、我行は表情を厳しく変え、不敗のように裏切られたくないからとその気がないことを示し、お前に後を任せるしかない、令狐冲の小僧が適任だと思ったが奴は断った、お前のことがなければとっくに殺していたと、怒り出します。令狐兄さんは自由が好きなの、無理強いはダメと盈盈が反論すると、加入しないなら結婚は許さんと我行。私たちを引き離すの?と問われ、お前は父親よりあの小僧を選ぶのか?と逆に問い、盈盈を困らせます。黙ってしまった娘を宥めようと今日は節句だ、親子水入らずで過ごそう、嫌な話は忘れて乾杯だと盃をを取ります。仕方がないと許した盈盈は笑顔に戻り乾杯。
 神教の祝いの場、聖教主は永遠に栄え江湖を支配す!と讃える声の中、我行が入場。席に着くなり、乾杯が捧げられ、、慈悲深い聖教主はきっと毒を消してくださるはずと期待されます。我行は快く毒消しを与えようと告げ、皆に丸薬を与えます。皆が飲み終わると、我行が自ら盃を上げ、酒をふるまうと・・・皆意識を失い倒れてしまいます。驚いた盈盈も・・・。
 意識を失った者を牢に入れた我行、三屍脳神丹の威力は恐ろしいとつぶやきます。薬ができたと思っていた問天にどういことか尋ねられ、調合ができなかった、騒ぎを抑えるために閉じ込めたと答えた我行、それでは教内の精鋭が全滅すると言われも仕方ないと答えるしかありません。
 一方、盈盈は悪夢から逃れるように突然目を覚まします。どういうこと?と取り乱し、頭が痛いと言うなり、冲の姿が見え後を追います・・・冲はすぐに消えてしまい、慌てる盈盈でしたが、幻覚であることに気がつきます。娘の異常に慌てる我行、酒を飲んだからだ、休めばよくなると取り繕いますが盈盈は平之や霊珊の幻影を見て、毒の発作であり、毒消しが間に合わなかったと気が付きます。泣き叫ぶ娘を落ち着かせようと、毒消しの効果はすぐには現れないと言い聞かせ、抱きしめる我行・・・。その頃、牢では・・・。盈盈も気がふれたようになり、剣を取り暴れ始めます。我行が止めると、盈盈は我に返り、私を殺すよう訴え、頭が痛いとわめき出します。見かねた我行は点穴で盈盈を眠らせたところに、一指が現れ、内功で毒を抑える治療をさせます。
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しかし、毒が脳から消えただけで、四肢と内臓に分散させた毒は49日後にはまた回りだし、助からないとのこと。その49日の間に必ず調合すると一指は約束しますが・・・。
第39話                         第41話
登場人物&キャスト
 なんだか、あっという間の出来事・・・不群さんの最後は、予想外の展開で、何が起こったの?状態。すぐには受け入れられず、冲くんの涙で、あ~そうか~って感じ。結局、まともだったのは恒山派だけだったのかしらね・・・莫山さんは何処に?この方、最初から謎だったけど、最後も謎だわ(笑)
 冲くん、我行さんに宣戦布告・・・やっぱり、そうなるよね。もう、冲くんは無敵な感じだから、勝てる自信があるんだろうね。でも、盈盈ちゃんはどうなるんだ?毒消し、一指さんでも作れないのか・・・結構自信ありげなのにねぇ。できなくても困った風でもないし・・・この方も謎です。

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