新笑傲江湖(月下の恋歌)☆第38話

去一個很遠的地方 従此我們両個人 笑傲江湖
 嵩山に着いた冲と霊珊は平之を封禅台に呼び出します。来るかどうか案じる霊珊に、来るよと声をかけていると、平之が到着。呼び出したのは何方かな?と尋ねる平之を見て安心した霊珊は平之の名を呼びます。平之は驚きを隠すように、岳総帥のお嬢様か、はるばる嵩山まで俺を殺しに来たのかと尋ねます。そんな言葉に動じない霊珊、私はあなたの妻、林家の墓に入るわ、どう変わろうとあなたは永遠に私の夫・・・動揺して顔をそむける平之に近づくと、過去のことは忘れ、どこか遠くで名を隠してやり直しましょうと語ります。何かも捨られるのか?と苛立つように尋ねた平之は、霊珊にあなたの妻だからできると聞き、妻という言葉に心が開き、霊珊に触れ・・・跪くと、殺すつもりはなかった、両目が見えずに何の役にも立たない自分と一緒になれば苦しむだけだから諦めさせようとしたと許しを請います。分かってる、と霊珊に抱きしめられると、
画像
これから辺境へ行って誰にもじ邪魔されないところで住もうと平之・・・喜ぶ霊珊の姿を見届けた冲はそっと去ろうとします。ところが、その足音に気付いた平之、間を入れずに攻撃。やむなく応戦した冲ですが、平之は相手が分からずがむしゃらに向かっていきます。慌てて霊珊が止めに入ると、平之の掌をまともに受けることに・・・小師妹!と叫んだ声でようやく相手が冲だと分かり、平之は激昂。そこへ盈盈が止めに入ります。盈盈が闘う間に、霊珊をだ抱き起す冲ですが、盈盈も危なくなり、平之を攻撃。飛ばされた平之はそのまま逃走。
 大丈夫と言ったはずの霊珊は虫の息状態・・・冲が抱き起すと平之を案じます。あいつは俺が必ず殺す!と怒りを露にする冲に、やめて!と言う霊珊、平之は独りぼっちでかわいそうなの、私はもうそばにいてあげられない、一緒に泣くことも笑うこともできないから、私の代わりに頼むわと冲に願います。まだあいつのことを?と霊珊を憐れむ冲、泣きながら霊珊と約束します。
画像
安心した霊珊は笑顔で冲にありがとう、ごめんねと告げ・・・。
 霊珊を送り墓前で座り込む冲に、悲しんでしても生き返らないと盈盈が語り掛けると、俺が憎いか?と冲・・・どうして?霊珊さんは幼なじみ、あなたが簡単に愛情を忘れるような人なら好きにならないと盈盈は答えます。墓を後にすると、緑竹巷では霊珊の事ばかり考えていたあなたのそんなところに惹かれたの、霊珊さんも幼なじみじゃなかったら一目ぼれしていたはずと慰めの言葉をかけると、小師妹は父親を尊敬していた、師父のような礼儀正しくて寡黙な男が好きだ、俺といれば楽しかっただろうが愛してはいなかった、死ぬ時も平之のことを想って、恨まずに逝って良かったと遠くを見つめながら答える冲。彼への愛は死をも凌駕していたのねと盈盈は感心すると、小師妹は独りきりでは寂しいだろうなと亡くなっても霊珊を案じる冲に、この辺で住める家を探して住みましょう、お墓も近いし、怪我の治療もできるからと提案します。
 空き家を見つけた二人は、さっそく中へ。盈盈は不敗の住まいには劣るけど、ここで死ねたら本望ね・・・と独り言。それを聞いた冲は、何と言った?と尋ねます。ここで余生を送れたら幸せって言ったのと盈盈が答えると、ここは辺鄙で退屈だと冲。盈盈は大丈夫、令狐兄さんがいるからと答え、掃除に取り掛かります。
 夜、鶏を焼いてもらいかぶりついた冲は盈盈にご飯を炊くよう言いますが、やったことがない、食べたいならやるけど、自信がないと盈盈。冲は焦げたご飯でも3杯は食べるよと安心させ、食べたら見せたいものがあると告げ、購入した琴を盈盈に。鳴風琴(めいふうきん)ね、と目を輝かせた盈盈は、知っていることに驚く冲に市で見て気に入ったけど、買わなかったと打ち明けると、盈盈が気に入ると思ったから、贈るつもりで買ったと冲。盈盈が“笑傲江湖”を合奏で来たらいいわねと言うと、俺の腕は未熟だが教えてくれれば必ずできるさ、やってみようと冲は盈盈に弾いてもらいます。盈盈の琴の音に包まれていく冲・・・。
画像
 その頃・・・不群は思過崖の例の洞窟へ玉磬子を案内中。壁画に感心する玉磬子にここに各派の失伝した武術が彫られている、失われた精妙な技を各派に伝えるつもりであると皆に伝えるよう頼むと、玉磬子は不群は寛大だ、武林の幸福だと喜んで、出発。華山に戻ると、不群を待っていた中則は木高峰と余滄海を平之が殺し霊珊が重傷を負ったと知らせ、すぐ下山するように訴えます。ところが不群は創立したばかりの五岳派の仕事が山積みだ、そんなことで私を煩わせるな、霊珊は平之といるなら心配ないし、怪我が治れば帰るだろうと適当な判事。中則は、あなたは変わったわ、総帥になれば4派で力を合わせ冷禅に対抗すると言っていたのに、冷禅同様、江湖に覇を唱えようとして勢力の拡大に専念している、玉磬子のような卑劣な男を泰山派の総帥にした!と
怒りを現します。4派は陰で私に対抗していて、総帥の座は安定してないからと、不群は言い訳をしますが、だから人の心を掴むために洞窟を見せたの?と呆れる中則。不群はそれのどこが悪い、皆が習得できれば、機を見て一緒に魔教退治に行くのだ!と開き直り、それから?他派を滅ぼし江湖を統一?その次は皇帝?次は不老不死?と責め立てる中則に黙れ!と一喝。私に口出しするなと言う、不群に下山の気がないことを確かめると、立ち去ります。中則が去ったあと、平之に殺せるほどの腕前があったか?と不思議に思う不群・・・。
 世の煩いを避けるように過ごす冲と盈盈・・・冲は簫を、盈盈は琴を、曲洋と劉正風のように、彼らが残した笑傲江湖を奏でると・・・。
 ある日、冲は華山へ行き、師父を師娘に知らせて来ると霊珊の墓前で語りますが、急に霊珊は桃が好きだったと思い立ち、盈盈から裏山になっていたと聞くと、取りに走ります。その途中、二人の魔教の者に遭遇。隠れて窺っていると、不群を掴まえる罠をしかけている様子。彼らが霊珊と平之がここで行方不明になったから、不群が捜しに来ると話していると、別の者が中則を捕まえたと抱えてきます。岳夫人は剣の達人なのにどうやった?と聞かれると、さっき出会った茶屋で薬を仕込んだと得意げに答え、皆で女傑と聞いていたが大したことなかったと大笑い。夫人を囮にすれば、捕まえやすい、薬を仕込んだから、さすがの不群も逃げられまい、俺が不群を誘い出すから、後は頼んだと算段する三人。一人が誘いに出ると、残った二人は眠っている中則に興味がわき、厭らしく笑います。そこに冲を呼ぶ声・・・慌てて二人は隠れます。声の主は盈盈・・・不群が殺しに来ると叫びながら冲を捜します。と、そこへ現れた不群、盈盈に点穴をして動きを封ると。娘は冲に殺されたのかと尋ねます。平之に殺されたと盈盈は答えますが、平之は娘婿、殺すはずがないと信じません。娘婿に聞けばと盈盈は言いますが、捜しているのは平之ではなく令狐冲だと不群。令狐冲が娘を殺したとの噂を聞いた、お前が我行の娘ということもあり傷つけたくないが、冲を誘い出すためだやむを得まいと脅します。私に手を出せば父が黙ってないと盈盈も脅しますが、そんな脅しは利かん!と言うなり、不群は剣を抜こうとします。師父!と止めに入る冲。よくも抜け抜けと師父と呼べたな!と怒りを向ける不群に、俺がどんな人間か師父にはわかるはず、なぜ誤解を?と冲が尋ねると、盈盈は冲に逃げて!こいつはもう人じゃないと叫びます。何を言ってる?と驚く不群に、盈盈は辟邪剣法を習得して男で亡くなったくせに!娘婿に聞いたわと暴露。
画像
不群は殺す気はなかったが、知りすぎたなと言うなり、剣を抜き・・・冲が咄嗟にそれを止めに入ります。剣を抜かずに応戦する冲は、魔教の者が仕掛けた罠へと誘い込み、不群を封じます。仕込まれた薬で不群が倒れると、冲は中則を助け起こします。気が付いた中則は、霊珊の死を冲に確かめると、師父はあなたを破門したけど、私はずっとあなたの師娘よと語り掛け、平之を殺して霊珊の仇を討つよう頼みます。冲は霊珊が自分に“平之を頼む”と言い残したと打ち明けると、愕然とする中則でしたが、やがて諦めたような表情を見せると冲にしっかりと生きなさいと言い残し・・・。
画像
 中則を抱きしめながら、師娘!と何度も叫ぶ冲・・・その声に、不群が目覚めます。盈盈が不群に手をかけようとするのを冲は止め、俺とお前の師弟関係も今日で終わりだ、今度会ったらただじゃおかん、失せろ!と怒鳴ります。唖然とする不群に盈盈は隙を突いて、何やら飲ませると、毎年黒木崖へ毒消しを飲みに来るよう告げます。三屍脳神丹か!と察した不群に、手柄を立てた者だけが飲むの、五岳派総帥の岳不群が日月神教に入信したと噂を広めてやると盈盈は脅します。薬を飲まされ愕然とする不群は、夫人の遺体を華山にと言われても必要ないと答え、盈盈たちに埋葬を頼んで去って行きます。そんな不群に、罠をしかけた魔教の者が娘と妻を預かった、ついて来いと声をかけます。不群は、二人は死んだ、罠も破った、これ以上何をする気だ、毒消しを出せ!と剣を向けると、毒消しは端午の節句に黒木崖に行けば教主がくれると聞き出します。殺した際に転げ落ちた黒木令をみつけた不群は、盈盈を利用して毒消しを手に入れることを思い付き・・・。
 霊珊の横に中則を埋葬し、寂しくないだろう、師娘と一緒だと語り掛ける冲・・・。その夜、冲は華山派の行く末を憂いでいると、盈盈が話しかけ不群をなぜ殺させてくれなかったのか尋ねます。薬を飲んだからと答えた冲に、薬をなぜ持っていたのか尋ねられ、あれは偽物、不敗しか持っていないと打ち明けます。偽物でも不群にはいい薬だと言いながら、平一指が毒消しを調合できたか案じる冲は、平之は嵩山にいる、命が危ないと盈盈との話題を変えます。本気で守るの?と聞かれ、平之は八つ裂きにしたいほど許せないが小師妹と約束した、約束を破れば小師妹も浮かばれないと冲。でも夫人は殺してと言ったわと盈盈が言うと、もう江湖での殺し合いはうんざりだ、恒山に戻り儀玉に総帥の座を譲る、二人で遠くへ行き江湖を嘲笑おう(笑傲江湖)と誘います。いいわと答える盈盈ですが、端午の節句が過ぎたらね、とにかくそれまで待ってと冲に頼みます。
 翌朝、食事をしながら盈盈を見つめる冲・・・結婚したら子供は何人がいいかなと尋ねます。冗談はよして恒山に行かないわよ、と恥ずかしそうに拗ねる盈盈。そんな盈盈を楽しそうに見ると、変装して恒山に登るから麓で待ててくれ、儀玉にすべてを譲たら戻ってくる、そしたら二人で遠くへ行こう、どんな変装がいいかな?と思案します。尼さんは?と盈盈が提案すると尼さんは縁起が悪いからダメだ、でも見性峰(けんしょうほう)に登るには女でないと、声で男とばれても困ると冲。すると盈盈がいい考えがあると、冲を引っ張って行くと・・・黒装束を纏った女性姿にさせます。前世は女性だったのかも、とその姿を茶化す盈盈に、口を利かなくてもいいように懸空寺(けんくうじ)の掃除婦をまねたな、私は真剣なのに笑うなんてひどい拗ねてみせる冲ですが、満更でもなさそうです。
画像
 恒山に入った冲は、儀琳の剣の稽古の様子をのぞき見・・・心、ここにあらずで稽古に身が入らない儀琳に見かねて稽古をやめ部屋に戻すと、儀琳の相手をした姉弟子が、令狐冲のことを想って集中できないのはあるまじきこと、諌めるべきではと儀玉に訴えますが、それは自分で悟るしかないと答えるも、師父のかたき討ちがあるから、それもままならないと儀玉は答えます。儀琳は内に情熱を秘めているので出家するべきではなかったのではと思う二人・・・。冲はそのまま二人の会話を聞き、師太の仇が不群が針を使って冷禅の目を潰すのを見て不群だと感づいたことを知り、師太の傷を見た盈盈の話を思い出して不群への疑いを強めます。
そのころ、“天下一の怠け者”と称されて吊るし者になっている伯光を老頭子たちが発見。伯光は降ろしてくれと頼みますが、罠かもしれないからとなかなか手を貸しません。
画像
鳳凰の仕業かもなどと話しているうちに、縄が切れ自由になった伯光、黙って部屋を出て行きます。訳の分からない老頭子たち、儀琳に尋ねることに・・・。そんな中、漠北双熊と孤桐たちが何やらよからぬ計画を、生き残るために実行しようとしています。そうとも知らずに儀玉たちは、令狐総帥は無色庵の中で儀琳を一番気に入っている、武術に専念すれば総帥にふさわしいと話を続け、聞いている冲も自分のことを気にかけてくれているのに何もしてやれないと悩みます。そんなところへ、儀琳を探す老頭子。入ることを禁じられていた無色庵に来た老頭子を儀玉が諌めますが、それどころではないと老頭子は儀琳の居場所を尋ねます。実は伯光が、と話し出すと、通りがかった儀琳が気が付き、やってきます。老頭子は伯光が泣いたりわめいたりして様子が変だからと儀琳を連れ出し・・・林の中へ。儀琳は首を吊ってもがいている伯光を発見。ここでも罠かもしれないと、老頭子は待ったをかけ様子を見ながら、自分の罪深さに気付いてのか?伯光に語り掛け、もがく様子を楽しんでいます。その様子を陰から見ていた冲は呆れながらも、小石を投げて縄を切ってやります。儀琳が慌てて駆け寄り、誰にやられたのかと尋ねると、自分で・・・と、半べそをかきながら伯光は話を始めます。師父を楽しませられないなら、生きていてもしかたないから死にたかった、それにある人と約束した・・・ある日、隠れて焼き鳥を食べていると、邪魔する者が現れ、無色庵に来たのは儀琳を守るためだろう?と話しかけます。現れた黒装束の者は誰だ?と尋ねる伯光に、誰でもいい、答えねば殺すと脅します。伯光はやれるならやってみろと抵抗しますが、あっさり点穴で動きを封じられ、儀琳の心には令狐冲しかいないからどうしようもない、しつこく迫れと言うのか?と渋々答えます。黒装束の者は、点穴を解くと愛とはそういうものと言うと、なぜ儀琳が好きなのか尋ね、分からない・・・でも、ほかの女とどこか違う、彼女のことを考えると胸が苦しくなり、彼女が楽しそうなら俺も楽しい、悲しそうなら俺も悲しい、ほかの男といると嫉妬で狂いそうになる、初恋と同じようだと答える伯光に、初恋の女はなぜ去った?と再び尋ねます。分からないと答える伯光に、愛が純粋ではなかったからだ、本当の愛とは、たとえ相手に傷つけられようと愛し続けること、相手の喜怒哀楽を自分の事のように感じ、それだけを励みに生きる、相手が楽しそうなら自分がどんなに辛くても楽しく感じられる・・・どうすれば分かったか?と聞かせると去って行きます。
画像
分かったと答えた伯光は、儀琳を絶対幸せにしてやる♪と意気込み・・・。 
第37話                         第39話
登場人物&キャスト
 なんで、そうなるの?・・・霊珊ちゃんと中則さんの最後に呆然。平之くんの霊珊ちゃんへの想いは本物だったのか?信じきれないところもあるけど、霊珊ちゃんが平之が自分を愛していたと思って逝ったのだけが、救いかな。でも、中則さんや冲くんの気持ちを考えると、複雑です。こうなると、不群さんが命で償っても、収まり切れない虚しさでいっぱい・・・。冲くんがこのままどこか遠くへ行って、江湖を嘲笑おうって思う気持ちがよくわかります。もうどうでもいいやって感じ・・・。こうなると物語に期待するのは、残った者の幸せだけになりますね。どうなりますか・・・。
 不敗さん、やっぱり生きてた?崖から落ちて死んだ人がいないのは、お約束だもんね(笑)

この記事へのコメント

  • しょうつぁん

    はじめまして。(*・ェ・*)ノ~☆コンバンワ♪
    ひっそり、時々ですが拝見しておりました<(_ _)>

    リー・ヤーポン(李亞鵬)版の笑傲江湖を検索していたら
    たどり着きました(o*。_。)oペコッ

    いろいろ変更されているところもありますが
    新笑傲江湖もd(>_< )Good!!ですね
    2014年03月01日 00:56
  • ひらで~

    しょうつぁんさん♪
    いらっしゃいませ(^^)ひっそりでも
    覗いてくださって嬉しいです♪
    コメントも、ありがとうございます。

    亞鵬版、残念ながら未見なんです(^^;)
    原作も読んでないですし、映画では
    やはり不敗さんは女性が演じたのしか
    観てないので、建華版が私にとっては
    オリジナルになるのかもしれません。
    建華版は、華やかさや美しさが売りのようで
    往年のファンからは違う!とか言われても
    仕方なのでしょうけど(^^;)
    亞鵬版の評判は、かなりいいものと聞いて
    いますので、近いうちに観たいと
    思っています。
    2014年03月01日 16:57

この記事へのトラックバック