数人の青城派と崇山派の男たちに囲まれ、相手をする任盈盈・・・そこへ冲が通りがかり、盈盈の助っ人として闘いに交わります。お前たちは、よほど暇なんだな、か弱い女をいじめるとは!と冲が男たちに向かうと、魔教との繋がりは本当のようだな、この女の手は血で汚れている、一緒にやらたいのかと、崇山派の男。勘違いするな、知り合いではないが、娘さんをいじめるな、俺はお節介なんだと言う冲に、ならば先に始末すると手を出します。盈盈は縄を使った武術で次々と敵を倒し、その姿に感服した冲を連れ、煙で目くらましをすると逃げて行きます。
川原まで逃げ一息つくと、盈盈は自分と知り合いでないと言ったことを咎めますが、冲は会ったことがあるのかい?と、本当に知らない様子。盈盈は知らない上に、あなたは正派私は邪派なのになぜ助けのかと冲に尋ねますが、ただのお節介だと答え、武術に感服したと冲。盈盈は自分を娘さん(姑娘)ではなく盈盈と呼ぶように告げ冲を令狐兄さん(大哥)と呼びます。なぜ名を?と驚く冲にそう呼ばれたからと盈盈。答えに納得した冲は、令狐と呼ぶのはいいが、兄さんはちょっと・・・と渋り顔。盈盈は私が魔教の者だから?と拗ねると、慣れてないからとあわてて否定。冲が初めてあった気がしないな、綺麗な声だ、一緒に酒でも飲みたいと誘うと意気投合し街へ。
道すがら、盈盈はあそこへ冲が来た経緯を尋ねます。
酒を飲みながら、冲の話を聞いていた盈盈はおば様について尋ねます。自分のためにいろいろしてくれたので恩は返しきれないと話すのを聞いて、冲は不敗をおば様だと思っていると察し、教主の心中を計り兼ねる盈盈、父親の消息が分かったので、気になります。冲に傷の具合を尋ねると、治せなかった、生死は運命、死ぬ前に旨い酒が飲めただけで十分だと答えるので、泣きそうになると一日でも長く生きられれば十分、死後の世界はもっと愉快かもとどこまでも明るく答える冲。生きている方がいい、命を救ってもらった恩は必ず返すわといじれる盈盈。
冲の体内の気が暴れだし、苦しげな表情になると、明日その内傷を治せる人に会わせるわと、言うと見かねて気を注入しようとします。冲はあわててこれ以上は困ると断り、代わりに苦痛を和らげる話を聞きたいと頼みます。盈盈は子どもの頃に母に聞いた話をでっち上げ聞かせます・・・日月神教の由来は西洋にあり、母も西洋の老人に聞いた話・・・拂菻(ふつりん)という大国にいた聖人の若い従者ニドモ[尼莫多]はある日きれいな服を拾った、その服は話すことができ、拂菻の属国の姫の服だった、姫は妖怪に監禁されていたがその服で自由になれるという、ニモドは苦難の末、姫に服を渡し、自由になった姫はニモドと結婚することになった・・・いい話だニモドは運がいいと冲は口をはさみますが、これで終わりじゃないと、盈盈は続きを話します・・・ニモドは結婚の許可を聖人に得ようとしたところ、妖怪に妖術をかけられ姫と別れた途端意識をなくし、気がつたら姫のことを忘れていた・・・ここで、盈盈は令狐兄さんが姫だったらどうする?と質問。ニモドに会って話をすると答えると、私もそうるけど、ニモドは別の女に助けられ、その女と結婚することになった、ニモドを捜していた姫はそれを知り会いに会いにいったが、知らん顔・・・姫は悲しくて死にたい気分だろうなと冲が同情すると、仕方ないから取り返そうと女に太陽のような服、月のような服、星のような服をあげて3日間ニモドと過ごしたいと頼んだ、だけど女は眠り薬入のお茶をニモドに飲ませて会わせた、ニモドは眠り姫は悲しんだ・・・俺なら剣を刺して起すと冲が言うと、私もそうしたい!!と冲に指で刺す真似をする盈盈。俺を刺すなよと言われ、我にかえった盈盈は話を続けます・・・三日後目覚めた彼は悲しむ姫の事を聞き、ようやく会え記憶も戻り結婚した、女は服を手に入れて喜んだと。冲は話を聞いて気分が良くなったと喜び、明日はたくさん歩くから休むことに・・・。
二人が訪れた先には“梅荘”の扁額。ここでは私の言うとおりにして、私の名は左依依(さ・いい)よと盈盈に念を押された冲は門戸を叩きます。中から現れた者に、盈盈は崇山派と華山派の者です、江南四友(こうなんしゆう)にお目にかかりたいと申し出ますが、主は会わないとあっさり断られると、これをと言って左盟主の牌を見せます。しかし、江南四友は五岳剣派とは無関係、左盟主でも会いませんときっぱり言われてしまいます。私のことなど知らないでしょうが、丁堅(てい・けん)殿が祁連山(きれんざん)で4人の強者を一掌で、2人の勇者を一剣で倒したのは存じています、と男を持ち上げます。お恥ずかしいとまんざらでもなく答えた丁堅に、売名をすることもない孤高の剣士は少ない、一字電剣(いちじでんけん)の丁殿のお名前はかねがね・・・と更に持ち上げ、丁殿に会えただけで好かったと一歩引きます。丁堅が冲に興味を向けると、盈盈は岳総帥の師叔ですと紹介し、若いが風清揚先輩の唯一の後継者と付け加えます。名前を問われると、盈盈は自分で左依依と名乗り、冲を風二中(ふう・じちゅう)と紹介。気をよくした丁堅、中でお茶を飲んでお待ちくださいと二人を屋敷の中へ。
部屋に通された、二人は詩書画の一幅の掛け軸に目を止め、盈盈が筆使いは簡潔だけど非凡な者があると言うと、この“酔”の字がいい、卓越した剣術が隠されていると調子を合わせる冲。すると丁堅が、風殿は剣の名手ですねと話しかけ、丹青生様が酔ってこの絵を描いた際、剣法を無意識に秘めた、酔から覚め二度とは描けぬとおっしゃていた、それを見破った風殿を知己と見なすでしょうと、丹青生を呼びに行きます。この成り行きに、字もろくに読めないのに、と驚く冲は書画の話を青生がしないことを祈るばかり。そこに丁堅が丹青生を連れて部屋に。翡翠の杯で酒を飲みながら丁堅から話を聞き、それは大したものだと感心しています。盈盈と冲が挨拶をした途端、絵と剣ができるのか?と青生は質問。冲はあたりの酒の匂いを嗅ぎ、白居易の“杭州春望”の詩を詠むと、梨花酒は翡翠杯に限ります、大した酒通ですねと青生を褒めると、同好の士だな、兄弟、友達だ!と上機嫌に。私の好みは酒と絵と剣だ、人呼んで三絶(さんぜつ:三つの優れたもの、普通は詩と書と画に優れることを意味する)、中でも酒が一番、絵が次、剣術は最後だと丹青生は言うと、冲を酒蔵へ・・・。
酒蔵に入った冲が匂いを嗅ぐと、三鍋頭(さんかとう)の古い汾酒がある、おや?百草酒は75年物?貴重な猿酒まである♪と言い当てるのを聞いていた丹青生は感心しきり。冲は更に紹興の女児紅も絶品だ、トルファンの葡萄酒は当代随一だと匂いだけで酒の名を当てていきます。木樽に密封されているのまで嗅ぎ当てた冲に奇跡だ!と驚く丹青生、このような美酒を地下室に隠してもすぐにわかります言う冲が気に入り、葡萄酒を振舞うことに。
樽から注がれた酒を口へ運び、しばし味わいどんな感じか聞かれた冲は、嫁入りしたばかりの娘か、百戦錬磨の老練のよう、古いが新しいまさに絶妙と答えます。酒に女を感じていた男たちの妄想を断ち切る様に、今はできなけど、別の味わい方があるわと盈盈。氷の上に酒を置いて冷やすと味わいが深まる、でも今は夏、無理ですと言われ丹青生が冬になったまた来て飲めばいい、いや冬まで待てないなと考えていると、内力で水を氷に変えればいいけど、江南一帯に寒氷掌(かんひょうしょう)や陰風爪(いんふうそう)ができる者はいない・・・と、盈盈が丹青生を探るような口ぶりで言うと、いや、いる!と閃いた丹青生、冲を連れ急いでどこかへ・・・。
別の部屋では、男が大きな囲碁盤で、一人囲碁の最中。白石を置き、黒石を手に取り生かすことも殺すこともできんか・・・と思案していると、丹青生たち。入ってくるなり、水を氷に変える技を見せて欲しいと頼まれますが、そんな暇はないと一蹴。碁盤を見ていた盈盈、糸を操り碁石を取ると一手打ちます。その手を見た男は、敵を欺き不利な状況から好転する戦を想像、見事だと感服し囲碁が好きなのか?と盈盈に話かけます。ヘタの横好きです、二荘主、と微笑む盈盈、おじが囲碁好きで珍しい棋譜を集めていたので好局をいくつか知っていたと男の気を引きます。王質(おう・しつ:南朝梁から陳にかけての軍人)と仙人の爛柯山での対局、劉仲甫(りゅう・ちゅうほ)と老婆、王積薪(おう・せきしん)と仙人、どれも有名でしょう、と盈盈が挙げると、そんな神話のどこに棋譜がるのだ訝しげに言う男。盈盈は私も信じられなかったが、おじと成都の旧宅で宋代の名手・劉仲甫が驪山(りさん)の麓で老婆に完敗したいう棋譜をみつけ、嘘ではないと確信したと、言い張ります。男はそれを再現するよう促そうとしますが、氷に変える技を見せてから!と弟に止められ、仕方なく承知。 丁堅に用意させた水を、氷に変えていくさまを見た仲は、この内力なら自分の内傷を治せるかも、そのために来たのか?と考えます。氷ができると早速、葡萄酒の杯を並べ冷えたところを味わい、酒もよし、風殿の評価もよし、氷も見事、左殿の協力も不可欠とご満悦の青生。二荘主は約束だと、盈盈を連れて行ってしまいます。
盈盈が再現した対局を見た二荘主はさすがだ、と感心しきりで、次の手をどこに打つのか尋ねます。次の手は仙人しか思いつかない手です、もう少し間がては?が盈盈はもったいぶっていると、丹青生が加勢して教えるように頼みます。二荘主は教えてくれば礼をするとまで言い出すと、そんなつもりはないと盈盈、実は梅荘に来たのは4人の荘主と賭けをするためと目的を話し始めます。これには冲も驚きますが、梅荘の中に風殿の剣に勝てる者がいるかどうか、達人との賭けは風流でないといけない、もし風殿が負けたら・・・鬼神が打った囲碁の対局20局の棋譜を二荘主に、四荘主(丹青生)には范寛(はん・かん:北宋初期の山水画家)真筆“谿山行旅図(けいさんこうりょず)”を、張旭(ちょう・きょく:唐代中期の書家)の“古詩四帖”もありますと広げたところへ、別の男が戸を開けて入ってくるなり書に釘付けに・・・3番目の兄の禿筆翁(とくひつおう)で、書への傾倒は私以上だと青生。真筆に魅入る禿筆翁を払い、もし誰かが勝てばこの絵を差し上げますと誘います。様子を見ていた冲が全てが盈盈の計画か?思案していると、大兄貴には?と禿筆翁が尋ねます。あります、この世に二つとない“笑傲江湖”の楽譜です、と盈盈が差し出したのは、冲が東方白にあげたはずのもの。この世に2つとないと聞いた丹青生は失われた広陵散よりも?と不審感を現し、楽譜は珍しい、それのどこが特別なのだ?と二荘主が尋ねます。これは今の人が作ったものだから、初めて聞くのは当然、これは琴と簫の合奏の楽譜で・・・冲がおば様に語った“笑傲江湖”についての話が作者は伏せられるも盈盈によって語られていきます。知っているのは儀淋と緑竹翁と東方白と俺の4人のはず、なぜ楽譜が盈盈の手に?・・・盈盈の話を聞いて訝しく思う冲。
盈盈の話で至上の宝と納得した二荘主は、大兄貴も喜ぶだろうと掛けの品に満足すると、我々が誰も勝てなかったら何を差し上げればよいのか尋ねます。何かを求めて来たのではなく、ただ風殿の剣法を裏付けて欲しいだけ何もいただかず失礼しますと盈盈が答えると、禿筆翁が私同様美男の風殿が我らに勝てば江湖に名が轟くというもの、と承諾。しかし、盈盈はこの闘いが少しでも外に漏れたら私と風殿は罰を受けますと秘密のする覚悟です。ではまずは、私から、と丹青生に誘われ、庭に・・・。 冲と向き合った丹青生、剣は?と尋ねると、梅荘を訪ねるのに得物(えもの:最も自分の得意とする武器)などとの答え。丹青生は丁堅に命じ冲に剣を渡します。四荘主の剣法は抜群、技の1つでも学べたら一生ものよと盈盈は冲を励まします。丹青生が出ようとすると、二荘主が止め、丁堅も剣の使い手だからと相手を変えようとします。丁堅殿は人呼んで一字電剣、剣がとても速い、これを学ぶのもいいわねと盈盈と冲は申し出を承諾。丹青生は丁堅に剣を渡すと、負けたらトルファンに酒を運ばすと告げ送り出します。
丁堅が礼をしたところで、今回は剣法勝負なので内力はなしでと提案。もちろん寸止めでと承諾するのを聞くと
この勝負は剣法の技量を競うもの、華山派の気功は有名だけど内力で勝っても負けよ、と内力の使えない冲に向かって、荘主たちに聞こえるように盈盈は忠告します。冲も承知で、内力を使えば笑われるだけ、絶対に使わないと約束し、盈盈に失礼のないよう、手加減はしないように言われ、わかったと言って丁堅の前に・・・。
冲VS丁堅・・・速い丁堅よりも速く動いた冲、丁堅の耳脇の髪を切ると、失礼したと一言。冲の剣に感服した丹青生は勝負が終われば風殿と飲む、と酒を丁堅に用意させ、勝負をすることに。
冲VS丹青生・・・剣を構える丹青生を見ながら、丹青生の言葉を思い出し剣の腕も立つのだろうと予想する冲、彼の絵から鋭い筆法ではあったが、制御が効かぬところもある、剣法も同様なら隙も多いはずと考えます。向かってくる丹青生の剣・・・それは、絵の中に秘められた剣法の如く。第21話


登場人物&キャスト
不敗と盈盈が入れ替わってどうなる?と思いきや・・・気がつけば盈盈と旅する冲くん。お節介が功を奏するというのか、天性の引き寄せ性分(って、言葉あるのか?)なのか?(笑)
おば様を不敗と思っている冲くんに、盈盈が名乗り出ないのは不敗を恐れてのことだろうけど、訪ねた先には、また不思議な御仁が4人も・・・あと一人いるようですが、次回かな?
丹青生を演じるのは、レン・チェン[任泉]さんですね♪ 『孔子の教え』で初めて見ましたが、あの時は孔子が一番愛していた弟子、顔回を演じていてその健気なさには涙ものでした。そのイメージとは正反対で、別人かと思うほど(笑)でも、楽しくて、イイよね♪
冲くんも、内力さえ使わなければめちゃくちゃ強くていい感じです(^^)
この記事へのコメント
ちはる
新たなキャラが出てきて面白くなりました。個性ある兄弟の中の一人丹青生、任泉さんに似てると思いながら観てましたがやっぱり任泉さんでしたか!
孔子の教えでは孔子の愛弟子顔回さんでしたが、丹青生は変わった方ですね。顔回とは違う役が観れて嬉しいです。
盈盈ちゃん冲と一緒で楽しそうですね。あんな簡単に兄弟を騙してしまって大丈夫かしら。バレたりしないのかなと気になります。
それにしても不敗と盈盈ちゃん冲の三角関係もややこしいですね。途中でおば様が不敗に入れ替わり、冲は不敗がおば様だと思っているわけですが、声で分かったりするんじゃないの?と思うのですがどうなるのでしょうね。
盈盈ちゃんは笑傲江湖の楽譜を見せて私がおば様よと言っているようなものなんですが、鈍感なのか思い込みが激しいのか不敗がおば様だと思っててこの先どうなるか楽しみです。
碁の場面でこんみんの草船借箭の計っぽいのが登場しましたね♪ちょびっとテンション上がりました。でも、あの一手だけで草船借箭の計のシーンを妄想するのもスゴイ気がするです。
ひらで~
おはようございます
今日は雪景色の朝でした。
やっぱり、任泉さんでした~♪
エンディングで名前を見て、いつ
出てくるのか楽しみにしてました(^^)
悪い人じゃなくて好かった♪
闘う姿も良いですよね♪♪
顔回さんとは別人のようでしたから、
出てることを知らずに観たら、私も
似てるな~って思うくらいだった
かも(笑)
冲くんって、素直すぎて疑うことが
できないのかも・・・それにしても
江湖の人たちって、思い込み激しいよね。
勝手にお話作っちゃうとこあるような
気もするし・・・。
三角関係、どうなりますか楽しみですけど、
魔教の女性に気に入られた冲くんと
正派との関係が心配です。
草船借箭の計・・・多分中国語字幕にも
出てると思うので、あえてそこの部分は
簡単に書いておきました(笑)
囲碁って、こうやってみると戦をする
ゲームなんだなって思いました。
でも全然ルールがわからないので
どうしてこうなる?って感じ(笑)