項羽と劉邦 King's War☆第29話 揺れる女たち

情可動人 情可誤人
第29話 揺れる女たち
劉邦らが軍営代わりにしていた民家には、ひとりの女性がいた。彼女は、夫は矢に当たって死んだというが、実はその矢は劉軍のものだった。一方、劉邦の実家では兵の徴集から逃れるため、劉邦の兄が1日中納屋に隠れて過ごしていた。逃亡兵が作物を食べてしまい食料もなく、呂雉は義姉に辛く当たられる。項羽は毒蛇に噛まれて意識不明になった虞姫を毎日見舞うが、このことを虞姫に内緒にするよう緑衣に言いつけて……。
戦でささくれた男たちの心の隙間にそっと入り込む女性たち・・・
野心で動いていた男たちも、愛する事を知って変わっていくのか?
愛した女性を前に項羽も劉邦も、今までのイメージとは違った姿を披露♪
久々に戦がないお話、女性から観ると、
こういうところももっと観たいのよね♪

以下ネタばれしてます、ご注意を・・・ 
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定陶・薛家村。
軍営代わりに居留している民家に住む女性・戚夫人に興味を持った劉邦が、
踊りが得意だと聞き、舞わせようとしますが、飢えていて無理だと
断られます。身の上を聞くと、夫は兵でもないのに矢に当たって
亡くなったばかり・・・劉邦、女の涙で、ますます興味を持ったようです。

項羽の軍営。
蛇にかまれ意識のない虞姫を案じる項羽、何度も訪れ快方に
向かっているのを見届けると、緑衣に自分が来たことを知らせるなと
告げて去っていきます。
虞姫を心配し思いつめる項羽に、愛情は人を動かし、また人を誤らせる
(情可動人 情可誤人)、しっかりしなさい、と励ます范増。
その言葉を噛みしめる項羽ですが、どこまで解っているのでしょうか・・・
経験が少ないですからねぇ。

一方、劉邦は項羽と義兄弟になった時のことを、皆に話して聞かせ
樊噲が鞭を受けたことに感謝します。「三国」で張飛だった樊噲が
この話を聞いて歓ぶのを観てると、なんだか妙な感じです(笑)
項羽とは義兄弟になっても気は許すな、ここでは問題を起すなと
話を進めている最中に戚夫人・・・男たちの中に若く美しい寡婦が一人、
どうしても男たちの目は彼女に向けられてしまいます(^^;)
誰かの手に落ちるなら、いっそ沛公が、などと言われた劉邦、
夫人のあとを追うように部屋を出て行ってしまいます・・・
行先は厠だそうですが、誰も信用してないし(^^;)
そのころ、呂雉は中陽里村で劉邦の義姉たちと義父の面倒を見て
暮らしていました。義兄たちは、徴兵から逃れるために隠れているようで、
男手がない上、食料は脱走兵によって奪われひもじい暮らしを強いられて
いました。そんな暮らしをしていれば心も荒ぶのか、呂雉に辛くあたる義姉。
とはいえ、生来の気質なのでしょうね、強気で義姉に対応し屈することは
決してない呂雉でした(^^;)の前に・・・この家の男は頼りなさすぎ(笑)
でも、お父さんは可愛い♪
家がそんな事になっているとは思いもよらない劉邦は・・・
ある夜・・・戚夫人から夫に刺さっていた矢を見せられ、矢が自分の軍の
矢だと解ると、自分たちは民には矢を射ない、運が悪かったのだと慰め
夫人を助けたいが出来る事はないかと問うと、平穏無事・・・満腹に食べられ、
暖かい着物があり、怯えずに眠れる、そんな暮らしがしたいと夫人。
暫し考えた劉邦は、叶えてやる、と一言。そして、夫人の笑顔を見ると、
劉邦も微笑みます・・・ここでも愛情が人を動かしたようです。

快復に向かっている虞姫、楚の軍営にいると知り、憎みながらも
項羽を思い心が揺れているようです・・・緑衣の項羽に対する言い方が
わざとらしいのが好いよね(笑)

鍾離昧の幕舎。
韓信が暇を持て余し、これまで軍が進んだ地形を記憶中・・・そんな姿に
面白いと興味を持つ鍾離昧。韓信が気に入った鍾離昧は軍を率いないかと
誘いますが、韓信は私の兵法には合わないからと断ります。その上、
項羽将軍に推薦して欲しいと願い出ます。が、思ったことをはっきり言う
韓信は項羽の気性とは合わないと、鍾離昧。それでもやってみなければ
解らないと強く願う韓信は、たまたま空きがあった項羽の護衛兵となり、
項羽に近づきます。
護衛兵となった韓信、項羽の幕舎の前に立っておりますと、幕舎の中から
項羽たちが秦との戦いについての話し合いが耳に届いて来ます。
職務を忘れて幕舎に入り込み、いい案があると口を挟む韓信・・・当然、
項羽を怒らせ摘まみ出されてしまいます。
鍾離昧にも怒られる韓信・・・当然の結果ですね(笑)でも、范増の目には
止まったみたい・・・。
鍾離昧といえば・・・展開には関係なのですが、“しょうりばつ”の“ばつ”は
字幕では“昧”(日偏に未)ですが、“昩”(日偏に末)なのでは?
“昧”だと“まい”ですよね・・・はっきりしてないのかな?

薛城。
懐王・羋心(びしん)は宋義に項梁将軍亡き後、兵を誰に任せるべきか問うと
大王自らが引くのがよろしいと宋義・・・今は楚軍=項軍と思われているので、
それを覆すには絶好の機会、軍の指揮権を取り返せば国の実権も握れます
と進言すると、懐王も策を講じます。、まずは筋を通すために項羽を
長安侯に封じ魯公の号を授け呂臣(りょしん、元陳勝軍の人)を
司徒・・・古代中国の官名、三公の下に位置する六卿(りくけい)の一つ、
教育、人事、土地管理などを司る・・・に任命し項羽と呂臣の軍を合流させ、
父親の呂青と共に項羽を牽制する魂胆です。それでは足りぬと宋義は劉邦を
碭陽(とうよう)城の守りに派遣することを提案、武安侯に封じることに。

季布より軍議を開くので彭(ほう)城に集まれとの懐王の命を聞き、
愚かな王だと怒る項羽。秦を討つ好機を逃した今はひとまず戻り
王の考えを聞こうと宥める范増。・・・季布くん、久々の登場ですが、
伝令みたいな役?(^^;)
彭城召集の知らせは劉邦の元へも・・・武安侯に封じられ、彭城に屋敷を
用意したとの知らせも同時に受け歓ぶ劉邦でしたが、項羽には屋敷が
与えられていないのを知ると、これは項羽に対する挑発だと断わろうと
します。しかし蕭何はこれは項羽への牽制であり、受けることで王の面目を
保つことができ、項羽と対等の立場に立てる、そして沛公がもう流浪の
民ではないことを、王が天下に知らしめてくれると、屋敷を貰うことを進め、
納得した劉邦は屋敷をもらうことに。更に項羽から離れることも進言する
蕭何・・・王に重用されれば項羽に嫉妬心が芽生え、災いが起きるとも。
そうして、早速彭城へ・・・どうやら連れが一人増えるみたい♪

咸陽后宮。
章邯への手紙を崇信が届けてくれることになったので、早速したためる晨曦。
手紙は明花から崇信の手に・・・届けるかと思いきや、自分たちの為に
晨曦を利用するのだとほくそ笑んだ崇信は、晨曦の手紙を模写します。
あまりにそっくりな文字を見て驚く明花に、趙高の能力が外に見える物なら
私には内に秘められた才能があるのだ、刺繍だって晨曦さまより巧いのだから
文を書くなど言うまでもないことと崇信・・・晨義と手を結んだのには
裏があったのね(^^;)

彭城への出立の日。
世話になった民への礼として食料を置いていけと命令する劉邦の姿を見た
戚夫人、いい人なんですねと声をかけると、悪いところもあるぞと言いながらも
なんだか嬉しそうにする劉邦・・・魂胆が見え見えですねぇ(笑)
劉軍の行列を民は名残惜しむように見送ります・・・思っていたより、
大行列なのでここは、驚きです(^^)
戚夫人も寂しそうに見送っていますと、そこに劉邦・・・ついてこい、贅沢な
暮らしはさせてやれないが、ひもじい思いはさせない、だが行ったらもう、
戻れないぞ・・・・馬上より手を差し伸べ、戚夫人を一気に引き上げ自分の
前に乗せると、夫人の頭の喪章を取って捨て・・・
ひゃ~♪そんなこともできる人だったのね~劉邦って・・・
でも、曹夫人も寡婦だったらしいから、実は寡婦好きなのかしらね~
って、曹操か?(笑)

落ちた喪章の白が重なるは劉軍が進む路傍の枯れ草に落ちた霜の色・・・
なびく劉邦軍の旗の赤に趣を添えるようです。

中陽里では・・・
今日も徴兵から逃れるために劉邦の兄が嫁にせっつかれるように
隠れ家に入っていきます。その様子を見ていた劉邦の娘が面白そうだと
近寄りますが、兄嫁が乱暴に遮るものですから、大泣きです(^^;)
そこに何をしているの!と呂雉が・・・義姉も謝るどころか、ここぞとばかりに
文句を並べ、劉邦の悪口に及ぶと、呂雉も大反論。このままでは負けると
思ったか、義姉はお父さんまで呼び出して・・・。
第28話                         第30話
項羽と劉邦 King's War☆キャスト
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