孔明が再び動こうとしていた。
そんな矢先、趙雲の訃報が・・・。
第88話 曹真、兵権を譲る ≪趙雲辭世≫
趙雲死去の知らせが伝わり、諸葛亮は悲嘆にくれる。しかし、曹休が石亭で敗れたことを知った諸葛亮は、再度北伐を始め、陳倉城を攻める。曹叡は、曹真に喝を入れるため、蜀軍の迎撃を命じる。郝昭の必死の抵抗により、苦戦を強いられていた蜀軍だが、曹真が陳倉近くで陣を構えたことを知り、曹真の裏をかく作戦に打って出る。曹真はまんまと策にはまり、魏延に殺されそうになる…。
229年、漢中、右将軍府。
荊州を失ったことを悔む孔明・・・しかし北伐は劉備の願い、
先の北伐で疲弊した蜀は潤いの兆し、魏が呉に苦戦を強いられる今、
立たねばという思いと、地の利の不利と司馬懿という脅威の出現に
成すことが出来るのか不安な様子・・・それでもやらねばなりません。
孔明は陛下に書を書くと人払い・・・(後)出師の表を書き始めます。
先帝慮漢賊不両立 先帝は漢と賊とは両立せず
王業不偏安 王業は偏安せざるを慮(おもんばか)り
故託臣以討賊也 臣に賊を討つことを託す
以先帝之明 量臣之才 先帝の明を以て 臣の才を鑑み
故知臣伐曹魏 臣が曹魏を伐つに
賊才弱敵彊也 敵の強きを知れり
然而不伐賊 王業必亡 然れども、伐たざれば 王業は滅びぬ
與其坐而待亡 座して滅ぶより
不如併力伐之 これを伐つにしかず
臣受命至今 臣 命を受け今に至り
寝不安席 食不甘味 寝食ともに安からず
深知北征 必先入南 北征には まず南征
故有五月渡濾 ゆえに5月 濾を渡り
深入不毛之地 以安後方 不毛の地に入り 後方を安ず
臣非不自惜 惜しまざるに非ず
是知王業不能編安于蜀中 王業は蜀中に 編安すべからざるを知り
必奉先帝之意 必ずや先帝の遺志を奉じ
図北伐大挙也 北伐の大挙を図らん
そこへ突然の趙雲の訃報・・・片腕を亡くした、と嘆き臨終の際に「北伐」と3度叫んだと聞き、その場に崩れ落ちる孔明彼の心残りは北伐、けれど命を縮めたのも北伐だったのかも・・・。
趙雲は生年が不明なため没年齢がわかりません・・・60歳説、70歳説が
あるようですが・・・趙雲についての記載が少ないせいもあるのでしょう。
孔明は意を決したように、続きを記します。
臣鞠躬尽瘁 臣 鞠躬尽瘁(きっきゅうじんすい)して
死而后已 死して後 已まん
至于北伐成敗利鈍 北伐の成否に至りては
非臣之所能逆賭也 臣 予見せざるところなり
魏は呉との戦いで乱れており、今こそ北伐の好機と孔明は
劉禅に出兵を上奏。劉禅は趙雲の死は出兵には不吉の前兆と
心配しますが、天文を見ると吉兆なので心配には及びませんと
孔明・・・前回の北伐の時は天文は変わりやすいから
宛てにはならんと反対を押し切ったのに・・・ここで、劉禅、
若者らしい、ストレートな疑問を孔明に投げかけます。魏は攻めて来ないのに、相父は何度も攻める、もし出兵して
いなければ蜀、魏、呉はいがみ合わなかったのでは?と。
この3国の中で一番若い陛下にはまだ先がありますが、
私は52歳になります。蜀は20年は安泰ですが、その後は
曹魏は必ず攻めてきます。その時は私はもう居ません。
生きているうちに中原をとり、天下を平定したいため
私は北伐を行いたいのですと孔明は応えます。魏には魏の、呉のは呉の、そして蜀には蜀の
大業があるのです、勝手にやめたり、滅んだりすれば
ご先祖さんや亡き主君になんて言ったらいいのか・・・
この時代はそういう時代だったのだと思います。
劉禅、更に上奏文にもあるように、必ず勝つかわからぬのに
推し進めるのか?と問い、座して死を待つよりは北伐すべきと
考えていると孔明・・・残りの人生を北伐だけに懸けたい孔明、
自分がこの時代、この世に生を受けた意味がそこにあるかのよう・・・
それしかないとの思いが伝わって来ます・・・切ないけどなぁ。
曹魏、洛陽宮では曹真が曹叡に呼ばれ、雍涼を守っているはずが
なぜまだ都にいるのかと問われます。孔明が迫ってきているのに
それも知らずに女遊びで忙しい曹真です(--;)曹叡は司馬懿一族を抑えるように言われたが、そんなことを
している間に諸葛亮に奪われるぞ!と、とうとう怒りを顕わにし、
早く行かねば司馬懿を大都督にするぞと脅し、3日以内に
行けと命令。負けたら戻って来るなとは、かなりの成長ぶりを
見せてくれる叡くんです。この方、あまり幸せとは言えない育ち方をしているせいか、
人を見る目はあるみたい。
曹真は息子曹爽と共に陳倉に向かいます。
228年、陳倉の戦い。
孔明が戦いを見ながら、郝昭の動きを偵察。蜀軍は郝昭に阻まれ苦戦していましたが
援軍の将が曹真だと知り、姜維に呉が曹休にやったように
偽降の計を曹真に仕掛けてみよと、孔明。元魏兵の姜維を
使うところが孔明の凄いところ。孔明の読み通り、
投降の書を姜維から受け取った曹真は、すっかりそれを信じ、
天は我に味方したと大喜び。
孔明を姜維と挟み打つにすると計画した曹真はのこのこと
孔明の陣中に入って行き、袋の鼠状態に・・・。姜維、魏延に迫られ、また負けた~
と、自決を覚悟した曹真でしたが、曹爽の援軍で何とか脱出。
孔明の陣。曹真を打ちとれず、少々ご不満げな孔明・・・こういう
態度も珍しい・・・陳倉を攻めるのに時間がかかり過ぎたうえ、
糧道を塞がれ、兵糧がもたぬので南へ帰ると言います。一気呵成になぜ攻めないのかと魏延が問うと、兵を置くには
地形が悪く勢いだけでは勝てぬ、撤退は命令だと孔明。
がっかりと肩を落とす魏延です。
敗走中の曹真の元に孔明南下の知らせが入り、
曹爽が追撃に出ることに。それでは足りんと、曹爽の部下・王双に
陳倉の郝昭を合流させようとしますが、彼は司馬懿の部下、
良い返事をするわけがなく、兵符を見せてようやく
半分の兵を出すことに。
そのころ、魏延が孔明への不満を口にいたしておりますと、
孔明から呼び出されます・・・いきなり、不満を口にするとは
不届きだと怒られる魏延・・・孔明ったら、地獄耳(笑)・・・ですが、魏延には武将としての意地もあり、いつになったら活躍できるのかと
撤退への不満を孔明に訴えます。ならば、曹真の追撃を
待ちうけよ、と命令。そう来なくっちゃ~♪ってな感じで、孔明の話もそこそこで出撃する魏延でした・・・なまじ、力があるから
扱いが面倒でも孔明は使うしかないんでしょうね~。そして孔明は姜維に陳倉攻めを命令・・・こちらは素直。まるで
馬謖の代わりに?って思うほどの可愛がりようです。
そして、陳倉・・・閉じていたはずの城門が開けられ蜀軍が侵入。
魏延が倒した王双に合流していた郝昭の兵が着ていた鎧を
利用し、開城させた姜維・張苞が攻撃してきたのです。
要害を落とされ、これまでと悟った郝昭は司馬懿に詫びながら
自害・・・魏延の伏兵に散々にやられた曹爽の姿を見た曹真は
皇叔の身分に胡坐をかき、誰よりも負け戦が多くても大都督として
咎められずにいたが、これで終わりだ・・・と嘆きます。すると、部下の郭淮(かくわい)が病気と称し、
司馬懿の派遣を上奏するように進言。
そして死罪を免れようと、怪我を負った曹爽を上奏に・・・
情けない父親のために、傷を負って、嘘まで言わされてる曹爽、
かわいそうだなぁ~。
曹叡はなぜ本人が来ない~!と激怒しますが、曹爽渾身の演技に
百官達は騙され(^^;)、曹真の命だけは~と懇願。
仕方がないな~と、曹叡は華歆に司馬懿を連れて来るように
命じます。
第87話


前回の馬謖の死から今回冒頭の趙雲の訃報で、ど~んと
落ち込んでいましたが、曹真が出てきてからはなんだか
楽しい♪でも、また司馬懿が出てくるんだ・・・
この記事へのコメント
さっちゃん
今日の回をを見ていて孔明の姜維に対する様子ですが、この二人の年齢差もあると思うのです。
多分このころ姜維は27か28くらいだから、孔明は自分が主君に三顧の礼で迎えられた時と同じような感じ?
もしかすると親子のような情があったと考えます。
今回この三国志は年齢が親子ほど離れたコンビネーションはうまく連携ができていていいと感じています。
それにしてもあの筆を落として、そのあとよろよろとよろめくように倒れるあの姿。
泣けました。ボロボロでした。
それと52歳という年齢。あと2年なんですね。
複雑な心境です。
ひらで~
そうか、年齢歳ね。
そういう年周りなんですね。
俳優さんの実年齢を考えちゃうから
それで、その年齢?って惑われる
事があって、姜維の歳は気にして
なかったです(笑)
でも、それだけ離れてて、使い勝手が
良ければ可愛がりたくもりますね。
魏延、可愛くないし(笑)
趙雲の訃報を聞いてからの姿は
切なかった・・・さすがにこの回は
出だしにいきなりそんなシーンで
ブログどうしようか~って思った程。
でも、後半が小気味よくて、気分が
少し晴れました。
あと2年・・・その回までにあと6話です。
涼子
ひらで~
このところ、悲しいお顔ばかりで
書いていても辛いのですけど、
孔明の最後は変わりませんので、
仕方ないですね。
お気に入り・・・う~ん難しい(笑)
舌戦も含めて呉の中で頑張ってる
姿は良いですよね~
周瑜の病を治す処方箋のとことか
怒らすところととか・・周瑜には
悪いけど(笑)
あとはやっぱり、隆中対ですかね~♪
若々しくて素敵です。
そうそう、張飛にいじめられる(?)
ところも・・・って、挙げてけば
多すぎ?(笑)
ちはる
趙雲の死は観ていて辛かったです。あんなに取り乱して号泣するんですから、私まで泣けてきました。
「八人の英雄」の若くてお顔がふっくらしたルー・イーを観た後に、88話を観たせいか孔明が老けてやつれて見える気がするんですが、そう思うのはのは私だけでしょうか(笑)
ひらで~さんがおっしゃるように、曹真が出てくると一気にコメディーチックになって面白いですよね。このドラマの曹真は度量が狭くて、自分は皇叔で司馬懿より偉いんだと言ってて、我が一族は名門だと言っていた袁紹を思い出してしまいました。こんな父親をもつ曹爽が不憫です。まぁ、観てて楽しいのでいいですけど(^◇^)
上のコメント拝見しました。涼子さんはじめまして。お気に入りの孔明様ですか、三顧の礼や赤壁の孔明も好きですが、私は35話で劉琦が孔明の助言を聞き出すために、古書のある二階に上がらせ梯子をはずしてしまう回が好きです。
古書を楽しそうに読む姿や梯子をはずされ困った表情+小声でアイヤーって言うルー・イー@孔明は観ていて楽しかったです。
ひらで~
頼りにしていた趙雲を亡くした哀しみと
劉備の思いを一人で背負わねばならない
孔明の心細さのようなものを感じて、
孔明の涙には、私も泣かされました。
「八人の英雄」のルー・イーはぽっちゃりで
可愛いですよね。あれから5年経っての
「三国」ですから、変わってますよね。
「三国」でも33話の彼に比べれば
ほっそりした感じに見えますもの。
ドラマ、暑かったり寒かったり、
大変だったのではないでしょうか。
曹真ね~私も袁紹タイプの育ち方
したんじゃないかと思います(笑)
息子、健気ですよね。あんな父親でも
父親ですから、仕方ないけど・・・。
あいや~って言う孔明、私も好きです♪
ルー・イーが言うの初めて聞いた(笑)
う~ん、好きなシーンいっぱいあるなぁ~
どれって、決められないわ(笑)