
世界を変えたのは、
妻であり、母であり、
ひとりの女性だった。
マーガレット・サッチャー
鉄の女の涙
THE IRON LADY
2011年 イギリス
監督:フィリダ・ロイド
脚本:アビ・モーガン
音楽:トーマス・ニューマン
出演:メリル・ストリープ
(マーガレット・サッチャー)
ジム・ブロードベント(デニス・サッチャー)
オリヴィア・コールマン
(キャロル・サッチャー)
ロジャー・アラム(ゴードン・リース)
スーザン・ブラウン(ジューン)
ニック・ダニング(ジム・プライアー)
ニコラス・ファレル(エアリー・ニーブ)
イアン・グレン(アルフレッド・ロバーツ)
リチャード・E・グラント(マイケル・ヘーゼルタイン)
アンソニー・ヘッド(ジェフリー・ハウ)
ハリー・ロイド(若き日のデニス)
アレクサンドラ・ローチ(若き日のマーガレット)
英国初の女性首相を務めたマーガレット・サッチャー。老いた今は、孤独に暮らし、
認知症を患い既に亡くなった夫・デニスの幻影と会話をすることもある彼女だが、
時折、昔のことが鮮明に蘇ってくる・・・。若い彼女は、市長も務めた父の影響で
政治家を志し、下院議員選挙に立候補。惜しくも落選するが、実業家のデニス・サッチャーが
優しく励まし2人は結婚する。双子を生み幸せな家庭生活を送っていたが、
政治への興味は衰えず、再び立候補。見事に当選するが・・・。
20日に鑑賞♪
プロモーションで来日したメリル・ストリープをTV番組で見ましたが
実に可愛らしく、素敵な女性の印象・・・
それが、こんなにも別人に化けるなんて・・・。
英国初の女性首相が誕生したころ、私はまだ学生で、
英国の情勢どころか、日本の政治にも特に関心を持つこともなく
80年代のバブリーな雰囲気を感じながら(体験ではなく)、
のほほんと暮らしていた・・・と記憶しておりますが、
映画で語られる歴史的な事実に、そーいえば聞いた事があるな~と
思いつつ、ホテルの爆破とか初めて知るような事もあって、
英国の最近の歴史を少しばかり勉強しているような感覚で
この作品を観ておりました。
男性主体の世界に身を投じた女性の物語ですから、
ある程度その困難や苦悩の姿を予想ができ、
そのあたりは、そうだろうなぁ~と思うばかりでしたが、
それは半分ぐらいの事、半分は退任後の老いた彼女の姿で、
そちらの方が、かなり衝撃的でした。
あれほどの人が・・・と誰でも思うような姿と
まるで世間から切り離されたような暮らしぶりには
切なくも、とても現実味を帯びていながら、
亡き夫の幻覚と語る姿は家庭を犠牲にしてきた彼女の
後悔の念が現れているようにも受け止められます。
こうした切り口で語るのは女性の脚本家、監督ならではの
モノのような気がします。男にはたぶんこんな風には
描けないんじゃないかな。
同時に、認知症と診断されていても、戦い抜いた女性の言葉は
とても強く心に残ります。お父さんの信念もあったようですが、
何を感じているかではなくて、何を考えているかが大事で
言葉がその人間を創る・・・(だったようなセリフ)
実に英国人らしい言葉でした。
雰囲気を大事にする日本人には到底できない事ですが(笑)
これから先、自分の考えをきちんと言葉にできないと
だめだよね~
いろいろ思う事はあるのだけれど、巧くまとまらないなぁ~
私としては、首相になるまでがもっと観たかったので
こういう人生どうだった?って問いかけを孕んでるような
切り口のは、そう言われても~って、戸惑うところもあるんですけどね(笑)
意地悪な見方をすれば、
彼女のような特殊な人生を送った女性も、
行きつくところは同じ・・・茶碗を洗う人生なのよって言ってるようで、
なんともやりきれないというか、すっきりしないというか(^^;)
無理やり平凡な主婦のラインへ引きずり落としているみたいで
なんだかな~って・・・
カッコいいままで、そっとしておけばいいのにとも思いました。
見る角度によって、感じる事が違ってくる不思議な切り口の
伝記映画だったように思います。
ただ、間違いないのはメリル・ストリープの演技力の凄さですね。
サッチャー首相って、殆どイメージしか記憶にないのだけれど、
演技しているとか、化けているとかのレベルじゃないような・・・。
それから、何かにつけて暴動を起こすイギリスの姿を観て
日本って平和だよなぁ~って思いました。
それは、雰囲気を大事にする・・・ここで暴動はヤバいっしょ・・・的な(笑)
日本人気質のお陰なのかもしれないけどね。
この記事へのコメント
sakurai
>無理やり平凡な主婦のラインへ引きずり落としているみたいで、なんだかな~って・・・
そこ!感じました。
いぶかしんで見ると、反サッチャー側の策謀だ!と言う話もあるみたいですね。
彼女の業績を忘れ去らせるみたいな。
私は、そこまでとは思いませんが、もっと彼女の辣腕ぶりとか、あの男性社会に毅然として立ち向かって行った姿をもっと見たかったと思いました。
女性なら、彼女の母としての姿や、妻としての思いは言われなくても理解できるなあって。
ひらで~
こちらこそ、どうもです!
巧い具合に乗せられて首相になり、
我儘で下ろされた・・・
そんな感じがしましたが、
反サッチャー側の策謀の匂いも
言われてみれば感じるかも・・・
それにしても、そうですね~
観たかったところがちょっとずれてて
残念だったなぁと思いました。