悪魔の存在を信じるから、神を信じる。
ザ・ライト -エクソシストの真実-
THE RITE
2011年 アメリカ
監督: ミカエル・ハフストローム
原作: マット・バグリオ
脚本: マイケル・ペトローニ
音楽: アレックス・ヘッフェス
出演: アンソニー・ホプキンス (ルーカス神父)
コリン・オドナヒュー (マイケル・コヴァック)
アリシー・ブラガ (アンジェリーナ)
キアラン・ハインズ (ザビエル神父)
トビー・ジョーンズ (マシュー神父)
ルトガー・ハウアー (イシュトヴァン・コヴァック)
母を早くに亡くし、納棺を生業とする父の元を離れて神学校の寮で暮らすマイケルは
卒業を目前に控えていたが、自分の信仰心に自信がなく司祭の道へ進むことを
ためらっていた。そんな彼に恩師の神父はバチカンのエクソシスト養成講座の受講を勧める。
薦めに従いローマを訪れた彼は異端だが一流のエクソシストと讃えられるルーカス神父と
出会い、16歳の少女の悪魔払いの儀式に立ち会うことに・・・。
観るかどうか迷っていたのですが、4月13日
『英国王のスピーチ』を観に行った折に時間が丁度よかったので
二本立てを決行(笑)
アンソニーがエクソシストに!なんだか妙な期待感と違和感が混在・・・
映画もそんな気持ちを見事に汲んでくれたような感じ。
とはいえ、
物語は子どもの時から死を身近に感じる境遇にいて
神に対して今一つ信じることができずにいる青年が
悪魔払いを経験することで、悪魔の存在に対する神の存在を感じる、
成長過程が中心ですので、あくまでもアンソニーは助演。
でも、助演とはいえアンソニーの存在は大きく、
この青年・マイケルの存在感が薄くなってしまいもったいなかったです。
彼のお父さん役はすっごく久々に観たルトガー・ハウアーで、
冒頭にかなり思わせぶりな登場シーンがあって、
それを踏まえた父と子の関係が興味を引いたのですが、
それっきりで、いつの間にか早くに亡くなった母との
思い出が大きくなってて、なんとなくしかマイケルの気持ちが
理解できなくてね、残念でしたね。
しっかり形ができてない青年の気持ちを描きたいのはわかるのですが・・・
それに対して、アンソニー、
悪魔にも神にもなり得そうな存在感、さすがです。
ついつい、主人公そっちのけで観てしまいますが、観終わってみると、
ホラーでも何でもない一人の青年の成長譚で、
物足りなさも感じてしまいました。でも、
現代にもエクソシストが普通にいるということには驚きでした。
神そのものを描かず、悪魔の存在を信じることで
悪魔に対する神の存在を信じさせる・・・
そういう理屈はわかるけどね、
悪魔的な現実が重なると悪魔しかいないようにも
思えてしまうような気もするのですが・・・
そのあたりのことは深く考えないように、ということなでしょうか(苦笑)
舞台はバチカン、ローマでも出演者は英国人でしたので
もう少し英国らしさを期待したのですが、
する方が間違いでしたね(笑)
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