
エニグマ
ENIGMA
2001年 イギリス・ドイツ
監督: マイケル・アプテッド
脚本: トム・ストッパード
原作: ロバート・ハリス
『暗号機エニグマへの挑戦』(新潮文庫刊)
音楽: ジョン・バリー
出演: ダグレイ・スコット (トム・ジェリコ)
ケイト・ウィンスレット (ヘスター・ウォレス)
サフロン・バロウズ (クレア・ロミリー)
ジェレミー・ノーサム (ウィグラム)
ニコライ・コスター=ワルドー (パック)
トム・ホランダー (ロジー)
マシュー・マクファディン (ケイブ)
1943年、イギリスのブレッチリー・パークの軍暗号解読センターに
解読チームの中心的存在で若き天才数学者のトム・ジェリコが戻ってきた。
彼は最愛の人クレアと別れによる精神的な病で休暇を取らされていたのだったが、
解読したはずのドイツ軍の暗号機エニグマの暗号コードが突然変更され
彼の力が必要となり、急遽連れ戻されたのだった。
ジェリコはクレアを気にして彼女と同じアパートに住むへスターに消息を問うが
数日前から行方不明になっていると告げられ、彼女部屋に行ってみる。
そこで、彼が発見したものは・・・。
NHK-BS2での放送で再見。
ミック・ジャガーの映画初プロデュース作としても有名な本作、
初見は5、6年前で、当時はケイト・ウィンスレットしか
出演者になじみがなく、お話も一回観ただけでは理解できなくて
なんだかよくわからなかった記憶が(苦笑)
今観ると、めちゃ豪華♪・・・かなり私的ですが(笑)
歴史的な知識も今より乏しかったから
歴史的背景と物語の繋がりの理解も深められなかったうえに
登場人物は初めて観るような方ばかりで誰が誰?状態の当時の自分が
おバカさんに思えるくらい、今回は楽しんでしまいました。
お話の大筋は変えられてしまった暗号コードを早急に解読して
イギリスの危機を救う・・・というものですが、
以下ネタばれです!
国際的な機密、恋愛、スパイ、と4重ぐらいのお話が交錯していて
お話自体の解読が難解なんですね~
で、再見でようやく解読キーが見つかり・・・なんてね(笑)
歴史的な事実を、よくサスペンスに仕上げたな~、と感心。
背景は戦時中、まだドイツ軍に勢いがあったころ。
連合軍の輸送船団を狙うUボートの暗号の解読キー(シャーク)を
気象用の暗号から解読したはずが、急に変更されて
さあ、大変!どうしましょ!!というのが物語の発端。
先の暗号解読に関わるもクレアとの別れによる神経衰弱が原因で
解読チームより外されていたトムが、やっぱり解読にするには
お前の力が必要だ!と、呼び戻される。
一方で、変更した理由は機密情報である解読成功が
どこからか漏れたに違いない、スパイがいるぞ!・・・と
スパイの捜索のため、ウィグラム捜査官がセンターにやってくる。
ウィグラムは姿を消したクレアに目うつける。当然元恋人だった
トムも睨まれることに。
そんな中、トムは失踪したクレアを探すために彼女の部屋を捜索。
そこで隠されたドイツの暗号文を見つける。
それが手がかりになると察したトムは彼女と仲の良かった
へスターに協力を頼み、解読をはじめるが、そこに書かれたことは・・・
ここからは観た人だけね♪
ドイツ軍が大量のポーランド人の死体を見つけたというもので
1990年代に入ってから、明らかにされた“カティンの森の虐殺”と呼ばれる
約4400人のポーランド軍将校らの捕虜がソ連の内務人民委員部(NKVD)に
銃殺された事件のこと。
発見後、ポーランド亡命政府は調査を始めるがソ連側は
事件はドイツの謀略と関与をうやむやにしてしまう。
大戦後も調査は進められていたが事実は冷戦時代を経るまで
公開せらることはなく、ロシア政府になってようやく公開、とのこと。
イギリスのこの発見の無線傍受も史実だそうです。
この傍受がトムとクレアの運命を変えてしまうのですが・・・
このあたりの理解が一回目では難しかったのね(苦笑)
さてさて、注目の出演者♪
いきなり失恋がもとでダメダメ状態で出てくるのが
天才数学者トム役のダグレイ・スコット。
そういえばドラマ「MI6 英国秘密情報部」で割と最近、
観たばかり・・・細かい神経の持ち主のイメージそのもの。
彼の協力者・へスターにケイト・ウィンスレット。
初見のころは『タイタニック』のヒロイン・・・のイメージだったけど、
今観ると存在感は大きいよね。
メガネかけて田舎娘の風貌だけど、華のあるクレアに
憧れてた様子とか、トムに一生懸命協力する様子とか見てると
いじらしくて、ラストではこら~トム!彼女を幸せにしないと
許さんぞ~!って思ったくらい(笑)好かったです。
そして、再見の一番のお目当て、ニコラスくん♪

かなり注目度高い役でした♪
だけど、彼について
もう少し描かれていたら、
わかりやすかったんじゃ・・・
割と初めの方で
彼の生い立ちを語る
セリフがあったけど、
それだけだったから、
ラストでの急展開には
驚くよね(笑)
スパイを捜索する捜査官・ウィグラムにはジェレミー・ノーサム。
内部捜査官って、それだけで嫌な嫌な感じだけど、
ウィグラムって男自体が嫌な奴だよね(笑)
でも、似合うんだなコレが。
あまり、大きな役ではないけれど、隻眼の将校さんケイブには
『仮面の真実』で素敵に思ったマシュー・マクファディン。
戦争で負傷して顔半分が焼けただれている形相で
一見怖そうだけど、真面目そうな雰囲気が好かったです。
徹夜明けで、海図の上に突っ伏している姿がツボです(笑)
ここに出てくるブレッチリー・パークの暗号解読センターの存在も、
“カティンの森の虐殺”と同様に1990年代に明らかにされたもの。
大戦時の情報はまだ公表されていないものが多いとのこと。
すべてが明らかになるのは来るのでしょうか・・・。
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