庶民の熱き血潮がよみがえる!
佐倉義民傳
演出・美術:串田和美
劇中歌作詞:いとうせいこう
出演:中村勘三郎(名主木内宗吾)
中村扇雀(おさん/佐倉城主堀田上野介正信)
中村橋之助(弥五郎衛門)
坂東彌十郎(家老池浦主計)
中村七之助(おぶん/将軍家綱)
片岡亀蔵(幻の長吉)
笹野高史(渡し守甚兵衛)
下総国佐倉では長年の飢饉続きで百姓の生活は疲弊している。
その上領主が代わった途端年貢などが二割増にされ、村は荒廃の一途をたどっていた。
領主の堀田上野之介は私欲に固まる佞人達の言葉に踊らされているのである。
あまりにひどい重税に村人達の怒りは爆発寸前。
名主木内宗吾の舅利左衛門が堀田家の江戸表へ訴え出たが、捕えられてしまった。
そのため宗吾自身が江戸へ乗り出し訴訟に奔走するが・・・。
7月7日、まつもと市民・芸術館で鑑賞♪
思えば二年前の同じ日、
「平成中村座 夏祭浪花鏡」を観たのでした・・・
おかえりなさい!という言葉がぴったりの舞台。
もう、松本の街全体がそういう雰囲気でした。
ここに住んでいたのなら市民キャストまではいかないまでも
サポーターには参加したかも・・・
そういう楽しみ方ができた方はホントに羨ましい。
長野市なんてさ、市民会館をどうする?なんてことで
もめてるくらいだから、
こういう楽しみには程遠いよね(^^;)
そんなグチはさて置き(笑)
「夏祭浪花鏡」では“本泥&本水”がありましたが、
今回は“本土”が舞台にど~んと置かれておりまして、
田んぼになったりするする仕掛け・・・
全開と比べてしまえば、地味な感じですが
出演者の数はかなりのもの。
そして“ラップ”。
少々聞き取りにくかったりしていたので、
東京より絶対多い年寄りの観客には
どうなの?って思いましたが(笑)
歌詞カードも配られていて、メッセージは十分伝わったと思います。
領主と農民の間に入り、武力を使わず
話し合えばわかる、わかりあえると信じて行動したした結果、
最愛の家族を殺され、自分もまでも刑に処されてしまう、
実際にあった悲劇を基に描かれたこの物語が
訴えてくるものはかなり重く、大きいもの。
理不尽だけど、正義の基準は時の権力者によって決められてきた
歴史の上ではよくある話・・・
そのたびに、それでいいのか?と自問はするけど、
結局はあまり変わらず人間は生きている。
わかっちゃいるけど、やめられない・・・
たぶん、この先も同じなんだろうな・・・
舞台の盛り上がりに感動しながらも
冷静にそんなことを思っている自分もいて、
なんだか複雑だった(笑)
でも、出演者は最高!!
一番は七之助くん・・・無垢な心を持つおぶんちゃんの
その姿、たち振る舞いはめちゃくちゃ可愛いくて
いるだけで和むような雰囲気。
それだけに、最後は痛々しく悲しかった。
そのおぶんちゃんを手にかける男・弥五郎衛門には橋之助さん。
弥五郎衛門は原作にはないキャラクターだそうで、
義の宗吾とは対照的な俗悪を象徴するような役。
“悪魔のささやき”を人間にしたらこんな感じ。
見た目がカッコイイので、つい騙されてしまう・・・
なるほどなキャスティングです。
笹野さんはご自身が舞台を楽しんでいらっしゃる様子で、
それがこちらにも伝わってくるような感じ。
カーテンコールでは
悪役だった坂東彌十郎さんが子役たちと仲良くしていて
微笑ましくて好かった♪
親としては観ていられないシーンもあっただけにね。
今回のお土産は・・・
前回同様に手ぬぐいを一本。
前回は菊の花模様でしたが、今回は桔梗の花♪
しかも七夕セール(?)で二割引き!
あと歌舞伎キャラクターの缶バッジを二個♪
松本のお菓子も少々買って帰りました。
“信州まつもと大歌舞伎”と銘、打たれたからには
次回も期待していいよね♪
* * * * * * * * *
観てから2週間近く経ってしまった・・・
週末は娘たちの試合や、合宿などのお付きあいでつぶれ、
平日もその疲れがたまって・・・歳だね~(^^;)
もうすぐ夏休み・・・考えただけで疲れそうだ(笑)
でもこっちの夏休みは短いから、救われる・・・か?
この記事へのコメント
悠雅
記事を書こうとしてあれこれ調べてるうちに松本でも上演されたと知り、
きっとひらで~さんはご覧になっただろうと思ってました。
(なのに、お邪魔もしないで申し訳ない…)
これが生でご覧になれたのは、本当に羨ましいです。
エレキギターにラップ、本「土」の可動式舞台、
どれも斬新で趣向を凝らした演出でしたが、
その分、さらに描こうとしたテーマがよく伝わるようでしたね。
みんなが扮装のまま参加するい最後のラップも、内容に同調するかどうかは別として、圧巻だったんじゃないかと思います。
それにしても、やっぱり七之助さんは可愛くて所作や立ち居振る舞いが綺麗。
橋之助さんの役も面白くて、観れば観るほど巧くて、
なかなか生で観る機会はないけど、いつかきっと、との思いだけは持ち続けています。
ひらで~
WOWOWでのはまだ未見なのですが、
コクーンとの違いが楽しみです。
松本はありがたいことに、
電車で一時間ほどで行けるところですので
頑張って行ってきました。
だた、チケットの入手がなかなか難しく
席を選ばずに何とか行った・・・
という状態でしたので、次回はどうかと。
思想的なものは横に置いておいて、
盛り上がりに関しては
生で観た者だけが楽しめる時間でした。
なんだかわからないけど興奮してる、
そんな状態(笑)
いつかきっと・・・思いは必ず
通じます。