マイレージ、マイライフ☆あなたの人生の重さは?

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 あなたの“人生のスーツケース” 
  詰め込みすぎていませんか?
マイレージ、マイライフ
UP IN THE AIR
2009年 アメリカ
監督: ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
脚本: ジェイソン・ライトマン
    シェルドン・ターナー
音楽: ロルフ・ケント
出演: ジョージ・クルーニー (ライアン・ビンガム)
    ヴェラ・ファーミガ (アレックス・ゴーラン)
    アナ・ケンドリック (ナタリー・キーナー)
    ジェイソン・ベイトマン (クレイグ・グレゴリー)
    ダニー・マクブライド (ジム・ミラー)
    メラニー・リンスキー (ジュリー・ビンガム)
    エイミー・モートン (カーラ・ビンガム)
    J・K・シモンズ (ボブ)
    サム・エリオット (フィンチ機長)
ライアン・ビンガムはリストラを企業に成り代わり宣告する“リストラ宣告人”として、
国中の空を飛び回り年間322日も出張する生活をしていた。彼の信念は公私の生活に
煩わしさを持ち込まない“バックパックに入らない人生は背負わない”こと。そして、
もう少しで達成されるマイレージを1000万マイル貯めることを目標としていた。
そんな中で、アレックスという同じような生活をしている女性と出会い意気投合。
一方、会社では新人ナタリーのネットを利用しての解雇宣告の提案を受け入れる
話が持ち上がる。反対するライアンだったが、彼女の教育係をまかされ、
一緒に出かけるのだが・・・。

アカデミー賞では受賞はならなかったけど
作品、監督、脚色、主演男優、助演女優の5部門で
ノミネートされていたので、面白くないわけがない・・・
との思いで観ましたが・・・なるほど、そう来ましたか~な展開で
人生半ばも過ぎた者にとっては(笑)身にしみるお話でした。

主人公ライアンは控訴などを恐れる企業の代わりに
リストラ宣告をする仕事に就いている男。
広いアメリカ中を飛行機で飛びまわり、
生活必需品は規則正しく
こじんまりと詰め込まれたスーツケース一つ。
独身で恋人もなく、家族は姉と結婚間近の妹。
人生のしがらみや煩わさはほとんどない生活。
スマートでカッコ好さそうな生活をしているし
言っていることも、なるほど~と思えることばかり。
そんな生活に二人の女性が入ってくることに・・・。
スーツケースにも入らない荷物まで持たされ
“バックパックに入らない人生は背負わない”が信条の男の
バックパックに入れるものを再考する時がきた・・・
このお話、現代社会の抱える問題もちりばめてありますので、
たぶん、観る側の性別や年齢、
置かれている立場によって受け止め方に
幅があるんじゃないかと思われますが・・・

原題は“UP IN THE AIR”。“宙ぶらりん”の様な意味合いがあるらしい。
主人公はいつも飛行機の中にいるような生活をしてるし、
社会の中で地に縛られる繋がりもない状態だから、
原題は二重の意味を含んでいる。
エンディングの唄の題名でもあるし、歌詞の中に何度も出てきて、
言いたいことがよく理解できました。
でも、邦題の“マイレージ、マイライフ”の方が好いよね。
マイレージは主人公が集めているもので、
彼にとっては存在証明のようなもの。
目標が達成された時、何を思うか、そのあと何をするのか・・・。
なかなか、奥が深いです。

ライアンという人物、
若い時にこういう生活をしている人を見たら、
カッコ好いとか、憧れるとか思うかもしれないけど、
今となっては、頑張って貫いてください・・・としか思えない(笑)
私は結婚もして子どももいる女性だから、
登場人物的にはアレックスに気持が近くて、
アレックスのような生活、羨ましいかも(笑)
だから、私もライアン、何で来たの?って思ってしまう。
子どもじゃないんだから~って(笑)
客観的にみれば、少々遅かったけど好い経験したよね、って。
自分が傷つきたくない一心でそういう生活を選んでいたなら
尚更だよね。それに、
リストラを宣告しつつも新しい人生に導くことができる彼だから
あのまま、飛行機に乗り続けても大丈夫だと思う。
降りたくなったら、いつでも降りることはできるよね。

さてさて出演者・・・いつもは堂々と、
窮地でも軽いジョークでかわしてしまうようなイメージのジョジ・クルさん。
一人でも生きていけそうなんだけど、それは女の眼から観てるせい?(笑)
生活感がないところは、似合ってたと思います。
ライアンとの会話で上手をとられた時の表情が可愛かったし、
私的は『コンフェッション』でツボにハマったシーンに被るシーンがあって
非常に嬉しかった♪
その、ライアンを演じたヴェラ・ファーミガ。
デパーテッド』に出演してましたがそこでの彼女より
こわれゆく世界の中で』の娼婦の役が印象的でしたので
別人のような雰囲気にびっくりです。
これから楽しみな女優さんですね。

原作者のウォルター・カーンは
大のお気に入り映画『サムサッカー』の原作者。
そこでは人生のしがらみをどう断ち切っていくかが
描かれていました。
『マイレージ、マイライフ』は断ち切り過ぎてしまったお話・・・
両極端とも思える世界を観てしまうと
自分のいる世界が一番好いのよね♪
と、思えるかも(笑)

この記事へのコメント

  • マリー

    こんにちは~~、
    まだレビュー書けてない。。。><;
    観てすぐは、いろんなこと思ったのですよ~。でも時がたったら、ジョジクルさんって、ホント生活感ないな~とか、あの女優さんよかったな~とか、そんな感想しか浮かばなくて・・・

    でも、詰め込みすぎてる人生送ってる私には
    もう少し軽くしてもいいんじゃない?って思える作品でした~。
    2010年06月27日 17:01
  • ひらで~

    マリーさん♪
    生活感がないジョジ・クルさんが
    割と身近に感じてしまうのも
    妙な感じですよね(笑)
    そんなことで、私も上手く
    感想、まとまりません(^^;)

    軽くしたい時もあるけど、
    それも自分の一部だと思うと
    もったいなくて捨てられない・・・
    ということに(笑)
    2010年06月28日 20:53

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