大切なひとを救えるのか──?
Dr.パルナサスの鏡
THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
2009年 イギリス・カナダ
監督: テリー・ギリアム
脚本: テリー・ギリアム
チャールズ・マッケオン
音楽: マイケル・ダナ
ジェフ・ダナ
出演: ヒース・レジャー (トニー)
クリストファー・プラマー (パルナサス博士)
リリー・コール (ヴァレンティナ)
アンドリュー・ガーフィールド (アントン)
ヴァーン・トロイヤー (パーシー)
トム・ウェイツ (Mr.ニック)
ジョニー・デップ (永遠の美の世界のトニー)
ジュード・ロウ (才能と名声の世界のトニー)
コリン・ファレル (平和で自由な世界のトニー)
2007年、ロンドン。パルナサス博士が率いる旅芸人一座がやって来た。
出し物は、人が心に隠し持つ欲望の世界を、鏡の向こうで見せる
「イマジナリウム」・・・そこはどんな願いも叶う不思議な世界。
そんな不思議な能力を持つ博士だったが、差し迫った問題を抱えていた。
それは、自分の願いと引き換えに悪魔とした契約・・・一人娘の
ヴァレンティナを16歳になった時、悪魔に差し出すというもの。
そんな事とは知らないヴァレンティナは誕生日まであと3日となった日、
瀕死の男を助けるが。だが。その男は記憶を失っていた・・・。
25日に鑑賞♪
公開日に行きたかったけれど、
娘たちの用事でお預けでしたが、
平日の方がゆっくり観ることができて好かった・・・と、いうことに(笑)
ヒースの悲報で撮影中だったこの作品は幻に終わり、
『ダークナイト』が遺作だと思っていたけれど、
すべてがヒースでなくても都合のよい構成になっていたのが幸いし、
ヒースの友人であるジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが
引き継いで撮る・・・との情報に嬉しく思ってから約2年。
でも、正直なところ、
本当に完成するのか、公開が決まるまでは半信半疑でしたし、
ヒースの出演シーンは一体どれだけなんだろう?と
あまりの少なさに観てがっかりしないだろうかと心配していました。
でも、ここまで多くのシーンが撮られていたとは!とびっくりするくらい
ヒースのシーンが多くて嬉しかったです。
ここまで撮れていれば、何が何でも完成させたくなるのも頷けます。
演者が変わっても何の違和感もなく、
初めの設定や展開をどう変えたかはわからない程、納得の完成度でした。
そして最後・・・
当然、ヒースへのメッセージが現れるとばかり思っていたのに、
“A Film from Heath Ledger & Friends”
というメッセージ・・・泣けた。
キャスト&スタッフのこの映画へかけた想いが伝わりました。
物語の展開は意外にもわかりやすいので、
あとは監督の世界観を受け入れられるかどうか、ですね。
私は結構、受けたと言いますか、OKでした(笑)
警察官のダンスは大笑い♪
鏡の中で映し出されるのはあくまでも
人の心の中ですから、非現実的なのですが、
その想像力や美意識(?)、
批判的にも思える宗教観や道徳観が
とても面白く、シニカルな部分でさえ嫌味に感じなくて
もっと観たかったくらい。
私だったらどんな世界かな・・・とか考えたりして(笑)
その部分でヒースの役を演じた3人は
それぞれの個性を生かしてる?と思うほどの役割で
個性がありながらも、その中にヒースがいましたね。
たぶん、ヒースを知っているというのが滲み出ていたのでしょうね。
ヒースは鏡の外、現実の世界での姿の役なのですが、
さすがに登場シーンの姿はショッキングでした・・・
等身大の役で見た目は好青年だけど実は・・・なところもあって、
優しさ、悲しさ、楽しさ、狡さなどいろんな顔を見せてくれました。
本当にこれが最後、ヒースの新作はないのですね・・・でも、
私としてはこの素敵な作品が最後で
救われたような気がします。
24日は誕生日でしたので、
好いプレゼントをいただきましたと幸せに思っています♪♪
人の心の表と裏、善と悪・・・
パルナサス博士とニックがいつまでも賭けをしているように
どちらかがなくなるということは
ないのでしょうね・・・
この記事へのコメント
桃源児
主演が4人?どんなものだろうかと思っていましたが、違和感なく出来上がっているようですね。
ひらで~
ちょっとどころか、
しっかり気にしてください(笑)
主演が4人、というより、
4人で1人の人物を演じているのです。
楽しく変わっておりますので
どのように変わるのかは
自ら確かめてくださいませ♪
悠雅
まるで示し合わせたように、わたしたち同じような思いで観てたのですね。
わたしも、ほんの少しの登場でもいいとしよう、と思っていたので、
あんなに長時間観ることができたことも、
3人が3人とも、ヒースを感じさせる演技を見せてくれたことも、本当に嬉しかったです。
“A Film from Heath Ledger & Friends”
この短い言葉を何度思い出しても涙があふれてきます。
確かに、思いがけないことで何より大事な命を失ったヒースだけれど、
それは今でもどこかでまだ信じきれてないところもあるけれど、
最後にこの作品とスタッフに恵まれたこと、
本当にいい友人たちに囲まれていたことを思うと、
なんだかこれで1つの区切りがつくような気がしてきました。
こんな素敵な男をスクリーンで観れて、幸せだったな…
そして、きっといつまでも忘れることなく、ヒースが好きなままだろうな、と。
ひらで~
私も悠雅さんの感想を読み、
思いは同じ・・・と感じました。
本当に観ることができて
嬉しかったですね。
>こんな素敵な男をスクリーンで観れて、
幸せだったな…
本当に、そう思います。
何よりもこうしてお話しできるのも
ヒースがいたからこそなんですよね。
これからもヒースのお話
しましょうね♪
なな
ギリアムさんの作品はどう転んでも
私は感動はできないのですが
(チンプンカンプン)
この作品はヒースへの
みんなの思いが込められていて
そういう点でおおいに感動しました。
ヒースってみんなに愛されていたんだなぁと
そうそう,最後のテロップの
「ヒース・レジャーと仲間たちへ」
わたしも泣けてしまいました。
あと,警察官のダンス!
あれはウケましたねぇ~~
ひらで~
ギリアム監督作品は好き嫌い
色々あってのものですから(笑)
理解しようとするより、
楽しんでしまえば
それで十分かと・・・
それより、ヒースへの想いが
感じられる作品で好かったです。
よくぞ、完成させてくれたと、
こちらの方が感謝したいくらいなのに。
警官のダンス、
ななさんにもウケましたか~
すご~くキモいのだけどね(笑)