天才女形の壮絶なる生涯。
花の生涯~梅蘭芳(メイ ラン ファン)
梅蘭芳 Forever Enthralled
2008年 中国
監督: チェン・カイコー [陳凱歌]
脚本: ゲリン・ヤン[嚴歌苓]
陳國富
張家魯
音楽: チャオ・チーピン[趙季平]
出演: レオン・ライ[黎明]( メイ・ランファン[梅蘭芳])
チャン・ツィイー[章子怡](モン・ツァオトン[孟小冬])
スン・ホンレイ[孫紅雷](チウ・ルーパイ[邱如白])
チェン・ホン[陳紅](フー・チーファン[福芝芳])
ワン・シュエチー[王學圻](シーサン・イェン[十三燕])
[呉剛](費二爺)
イン・ター[英達](フォン・ツーコアン[馮子光])
ユィ・シャオチュン[余少群](青年時代のメイ・ランファン)
安藤政信(田中隆一)
六平直政 (吉野中将)
清朝末期に京劇の名門に生まれた梅蘭芳は若くして
女形のスターとなる。清朝崩壊後、海外で学んだ邱如白の講演を聴き、
伝統に縛られず新しい形も取り入れるべきという考えに感化し、
義兄弟の契りを結ぶ。それは師である十三燕との別れでもあった・・・。
もう一ヶ月もしないうちにDVDになるのですが
ようやくこちらでも公開されましたの
黎明お目当てに観に行ってきました♪(実は24日)
陳凱歌監督の京劇モノといったら、やっぱり
「さらば、わが愛/覇王別姫」ですね~
どうしても比べちゃうのは仕方ないけど・・・
う~ん、伝記モノとなると難しいかな。
伝記モノって、その人の生涯のどこを切り取るかによって
その人に対する印象が変わってきますし、
共感度も差が出てくるもの。
梅蘭芳という方については
恥ずかしながら有名な京劇の女形としか認識がなく
初めてその名を耳にしたのは
20年も前に観た、香港映画『北京オペラブルース』の中。
以後、映画の中ではよく耳にしたり、お目にかかったり
してましたので、中国ではめちゃくちゃ有名な方なのだ、
という認識になりましたが、
実際の生き様については無知もいいところ。
本作を観るにあたってさすがに少しは時代背景ぐらいは
知っておかないと、と予習していきましたが・・・
予習してなかったら、置き去りにされてましたね(笑)
とはいえ、彼の人生に大きく関わる邱如白など
架空の人物が何人か出てきますので
虚構部分も多いのも確かで、
それがどういう風に彼の印象を変えているのか
わからないのも難ですね~
本作では、彼の生き方というより、
彼を愛した人たちを描くことで彼の姿が見えてくる
そんな作りになっていますので、
余計にわかりづらいのかもしれません。
お話は
梅蘭芳に魅入られた邱如白、梅蘭芳の妻・福芝芳の愛し方と
少年期、伝統を頑なに守り通そうとする師匠、
青年期、男役女優・孟小冬、
壮年期、日本軍の侵略時下、
京劇から離れた梅蘭芳を舞台に立たそうとする田中隆一の
それぞれの愛し方が描かれる展開になっています。
誰からも愛されがゆえに苦しんでいる、
そんな姿が浮き彫りにされてはきますが、、
梅蘭芳自身ののそれぞれへの愛し方の描写が薄く
なるがままになっている印象も感じられてしまいました。
平行して描かれる邱如白の愛し方も
普通じゃないので理解し難いところもあります。
この邱如白という架空の人物は梅蘭芳を支えた
後援会とでも言うのでしょうか、そういう団体を
人物化したそうで・・・それは無理じゃないかと思うのだけど。
それに、日本軍が出てくると日本人は辛いよね・・・
ただ、そうやって描いてくれているので
何をやっていたのか知らしめてくれる点では
ちゃんと観るのは日本人としては大事なことだと思います。
「さらば、わが愛/覇王別姫」の愛の描き方を
期待して観なければそれはそれでいいかと・・・ということで、
ま、多少残念な思いはあるけど
いつものごとく役者で充分に楽しんでしまいました♪
久々に観る黎明は役柄ゆえにちょこっとふっくらしていて
ど~なんでしょうとは思いましたが(笑)
頼りなさそうで回りが何とかしたいと思わせる雰囲気は
充分にあって似合ってましたね~♪
でも、一番は孫紅雷かな♪
初め誰?って思いましたもの(笑)
チャンパオ姿とか30~40年代の丸い襟のワイシャツとか
私的ツボにはまり、お話そっちのけで
うふふ状態になりまして困りました(大笑)
なので、評価は芳しくなくても
結構気に入ってます♪
この記事へのコメント
kimion20002000
>この邱如白という架空の人物は
あ、そうですか。僕はこの人も実在の人物かなと思っていたので(笑)
でお、僕だってあんな女形の仕草を見せられたら、恋してしまうかもねぇ。
ひらで~
こちらこそ、ありがとうございました。
邱如白は私も実在していると
思いながら観ていましたが
パンフレットに監督が語ると言う形で
支持者が集った梅党と呼ばれた文化財団の
人々の総合的イメージとありました。
かなり密着した団体だったのですね。
恋した人々の集まりですからね(笑)
悠雅
近所では公開がなかったので、結局WOWOWの放送になったのでしたが、
その間に、NHK BShiで放送中の『蒼穹の昴』を観ているので、
当初、黎明目当てだったものが、『蒼穹の昴』で主人公を演じている余少群観たさも加わって、
最初から最後まで釘付けで画面に見入ってしまいました。
青年期を演じた余少群、綺麗で可愛くて一種、風格もあって、本当に巧かったです。
この彼なら、清朝末期の宦官(西太后お気に入りの京劇俳優でもある)を演じるにはハマりすぎるくらいで、
今後の活躍がとても楽しみになりました。
ひらで~
ご覧になることができて、好かった~
私も嬉しいです。
余少群くん、綺麗で可愛かった♪
彼が黎明に・・・と考えると
ちょっと違うなぁ~とは思いましたが、
黎明がちゃんと彼の雰囲気も内に入れて
演じていて、好かったです。
一見、大丈夫か?な感じですが
中身は凄く頑固な人というのが
似合うよね(笑)
『蒼穹の昴』は、録画に失敗して以来
ご無沙汰なので余少群くんの活躍を
観ていなくて残念です(><)
今後は要チェックですね♪