
ウォーロード/男たちの誓い
投名状 THE WARLORDS
2008年 中国・香港
監督: ピーター・チャン[陳可辛]
脚本: スー・ラン[須蘭]
チュン・ティンナム[秦天南]
オーブリー・ラム[林愛華]
アクション監督: チン・シウトン[程小東]
音楽: ピーター・カム[金培達]
チャン・クォンウィン [陳光榮]
出演: ジェット・リー[李連杰] (パン・チンユン[龐青雲])
アンディ・ラウ[劉徳華] (ツァオ・アルフ[趙二虎])
金城武 (チャン・ウーヤン[姜午陽])
シュー・ジンレイ[徐靜蕾] (リィエン[蓮生])
グオ・シャオドン[郭曉冬] (蘇州城主ホアン[黄文金])
シー・ザオチー[石兆琪](魁将軍)
19世紀末期の清国。太平天国の乱の最中、味方の裏切りで自分の軍が
全滅に追いやられてしまった清朝軍の将・朝軍パン。失意のまま放浪していたが
ある日、山賊のウーヤンと出会う。ウーヤンはパンの腕を知り、頭目のアルフに
引き合わせる。そこには放浪中、倒れたパンを介抱し一夜をともした女性リィエンがいたが、
彼女はアルフの妻であった。その晩、山賊たちの村は清朝軍の強奪にあってしまう。
なすすべのない、アルフにパンは軍に入るように進言する。そして、パン・アルフ・ウーヤンの
三人は義兄弟の血の契り“投名状”を交わし、運命を共にすることとなった・・・。
2年ほど前にアンディが
1973年の狄龍(ティ・ロン)主演「ブラッド・ブラザーズ/刺馬」の
リメイクに出演との話を聞いていましたが
いつの間にか題名が変わり、昨年公開され香港などの映画賞では
かなりの好成績を収めた本作、日本では内容の知名度の低さと
『レッドクリフ』の人気の陰でひっそりと公開されたという感じ・・・
物語の歴史的背景は清朝末に起こった馬新貽総督刺殺事件で
謎に満ちた事件として中国ではかなり有名らしいですが
流石に日本では馬新貽って誰?な感じ。
でも、本作はそれを取り込んではあるものの、
人物像を新たに作り上げ、戦時の中、生き抜く為に
血の契りを結んだ3人の男と一人の女の係わりを描いてあるので
歴史を知らなくても充分楽しめる作りになっているので大丈夫。
私も、太平天国の乱ぐらいは聞いたことあるけど、な、くらいの知識で
観ましたが、『レッドクリフ』に負けてないぞ~!と思うくらい
好かったと思いました♪
戦争シーン、凄いです!程小東、相変わらず残酷です(笑)
ただね、悲劇だから、後味がやっぱり悪い・・・
そういうとこも、分が悪かったのでしょうね~女性ウケはしないかも・・・。
清朝末期の混沌とした時代・・・以下ネタばれ有りです。
底辺に生きる人々が真っ当な生き方をしたいという願いを
叶えるためには、自分がまず人の上に立たねばならないと考えるパンは
幼馴染を人買いから助け出すために罪を犯し、世から逃れ
大盗賊団の頭目として生きてきたアルフと出会う。
アルフは盗賊の村だからと蔑められる生活を何とかしたいと考えていた。
折りしも、清朝軍にないがしろにされるアルフを見てパンは清朝軍に入り
認められれば村も豊かになると進言する。
アルフを慕うウーヤンは、もし誰か一人が害された時には
残りの兄弟が必ず復讐するとの血の契り“投名状”を交わす事を提言。
各々の望みを果たすまで清朝軍に属し、正規軍以上の活躍を見せる
彼らだったが、山賊と軍の規律の違い、戦争や内政の駆け引きに
戸惑うアルフと前しか見ずに留まることを考えないパンとの間に
溝ができてしまう。
同時にパンは自分を人買いから助けてくれたアルフに従いながらも
逃げ出したい気持ちを自分に伝えていたリィエンへの想いも募っていく・・・
という、男たちの友情を描きつつ、男女の三角関係も絡んで
とんでもない状況へ三人は追い込まれていくのです。
軍に入った初めのうちは好かったのですが・・・
少人数での捨て身の戦いは後ろで見ていただけの正規軍の将の心を
動かすほど感動的で泣けるほど好かったのに・・・
戦況が厳しくなってくると、人間性を押さえ込まないと勝てない状態になって
軍人として生きてきたパンと情を優先するアルフの考え方の差が
出てくるのですね。そこに一人の女性です・・・
血の契りも一人の女で切れてしまうのね~男の世界も辛いのですね。
と、下世話な想いもあるけれど、
この時代の清朝の役人の狡賢さや、戦争の惨さもちゃんと描かれていて
それに翻弄されていく三人の姿は痛々しくて、
内輪もめという状況に追い詰められた感じも受けました。
いかにも、時代が変わる時にありそうなお話です。
パンを演じるのはジェット・リー・・・う~ん“リンチェイ”の方がしっくりくるな~。
悪役っぽい役は初めてかな?・・・っぽい、というのが彼らしい(笑)
自分の野心の為にアルフたちを利用したように思えるけど、
根っからの良い人の雰囲気があるのですよね~
女性との絡みもやっぱりそこで終わりですか~って感じだし(笑)
アルフを演じたのはアンディ♪
いつもの俺様を封じ込めたところはちょっと物足りなかったけど、
その封じ込め加減が好いですね♪
ちゃんと、正義を貫いていますし、素敵でした。
この二人を兄貴分にもつウーヤンには金城くん。
金城くんもいつもの飄々とした雰囲気はなく、ひたすら弟分に徹し、
一途な思いで二人についていく感じが、好かったです。
中国のリンチェイ、香港のアンディ、台湾(日本)の金城くん、
三人を同じ映画で観れるなんて、嬉しいよね♪
そうそう、実年齢、アンディよりリンチェイのほうが年下なんですが・・・
普通にそう見えます?(笑)
ところで、英題の“THE WARLORDS”、
“ウォーロード”と書かれるとロードを道と
初め思ってしまったのですが(私だけ?)
WARLORDを辞書で調べると
督軍という中国の1916~28年の地方長官の称号とありました。
いわゆる軍司令官とか将軍ですね。
もう、日本語って罪だわ(笑)
・・・いや、単に無知なだけですね(--;)
アンディ・ラウのFilmography
この記事へのコメント
なな
>普通にそう見えます?(笑)
見えませ~~~ん!
ジェットが一番老けて見える~~
というか,アンディが若すぎだろ,って
感じですかね。
ジェットをリンチェイと呼ぶとは初めて知りました。
本名がリー・リンチェイなんですね~
彼の心理描写の演技は素晴らしかったですね。
アクション俳優の彼が,
この年になって新境地を開いた感じです。
ひらで~
やっぱり、見えませんよね(笑)
老けてるというか、落ち着いちゃってる
感じですかね~
子どももいることですし、
まだまだ新婚のアンディは
気が若いですから♪
リンチェイは『少林寺』から
観てますので、その時の名前で
インプットされているのです。
ハリウッドへ進出する際に
英語名をつけたようです。
アクション中心の作品から
物語も重視した作品に出るように
なると、演技の方も磨きがかかって
これからも楽しみですね♪
マリー
私もロード=道かと思ってました。。。
作品としては素晴らしいのに、日本では宣伝もあまりなく、3人の来日もなかったし・・・サミシイ興行でしたね。
3人それぞれの良さが、とても出ていたと思う。
リンチェイも信念を貫くパン、特にアルフが暗殺されるシーン(一人でテーブルに向かっているとこ)など良かった!金城さんも無邪気な表情から、鬼気迫るシーンまで迫力あった。
アンディも愛に生きるアルフ、素晴らしかった!思わずフィギュア買ってしまいました(笑)あまりにもそっくりで、畏れ多くて箱から出せないの~~~。
映画レビューも書いてなくて(思い入れが強すぎてなかなかかけない 汗)TBもさせてもらえないけど~今度フィギュア写真も含めて書きますわ~。
ひらで~
よかった~!
同じ勘違いしてる方がいて(笑)
初めは公開も怪しかったくらいですから、
こうやって観ることができて
幸せ♪って思うしかないですね・・・
好い映画でしたが、内容的に
やっぱり日本ではウケないと
判断したのではないでしょうかね~
アンディのフィギュア?!
お買いになったのですか~!
それは凄い!
写真、楽しみにしてますね♪
フィギュアといえば
『男たちの挽歌』のマークの
SDフィギュア(色なし)なら
持ってますが(笑)