真夏のオリオン☆きっと帰ると、オリオンの星に誓った。

映画館で鑑賞♪(実は21日)
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真夏のオリオン
2009年 東宝
監督: 篠原哲雄
原作: 池上司
    『雷撃深度一九・五』(文春文庫刊)
脚本: 長谷川康夫
     飯田健三郎
音楽: 岩代太郎
主題歌: いつか
     『願い星~I wish upon a star~』
出演: 玉木宏 (倉本海軍少佐・イ-77潜水艦艦長)
    北川景子 (倉本いずみ/有沢志津子)
    堂珍嘉邦 (有沢海軍少佐・イ-81潜水艦艦長)
    吹越満 (中津大尉・航海長)
    益岡徹 (田村特務大尉・水雷長)
    吉田栄作 (桑田特務機関大尉・機関長)
    平岡祐太 (坪田軍医中尉・軍医長)
    黄川田将也 (遠山回天搭乗員)
    太賀 (鈴木・水雷員)
    松尾光次 (森・水雷員)
    奥村知史 (小島・水測員)
    三浦悠 (久保・回天搭乗員)
    鈴木拓 (秋山・烹炊長)
    デヴィッド・ウィニング (スチュワート米海軍駆逐艦パーシバル艦長)
    ジョー・レヨーム (フリン副長)
    鈴木瑞穂 (現代の鈴木)
倉本いずみは元米海軍駆逐艦艦長の孫より届いた手紙を祖父を知る鈴木老人に
見せるため彼に会う。手紙にはいずみの祖母の手書きによる古い楽譜が同封されていた。
楽譜にまつわる話を鈴木老人は静かに語り始める。それは終戦間際の出来事だった・・・。

娘に観にいこうと誘ったものの、あっさりと断られ
一人で観にいくことに・・・この日、先に別な映画を一本
主人と観たのですが、その後は別行動で(笑)
一緒に観たのは『トランスフォーマー/リベンジ』・・・
戦争映画の“括り”で言ったら一緒か?
その前に、久々の邦画なのね~今年初めてのですね。
何で?と自分でも不思議なのですが
潜水艦映画、好きなので(笑)
それに吉田栄作さんも観たかったし♪

物語は人間魚雷・回天を乗せ、
本土に迫り来る米海軍の船団の行く手を阻む役目を担った
イ-77潜水艦の倉本艦長を中心にしたお話。
時は終戦間際・・・原爆も落とされ、敗戦が目に見えている時です。
敗戦国が描く戦争映画ですので、いつもでしたら、
死を以って愛する者を守るという展開が常套なのでしょうが、
本作は“生きるために戦う”戦争映画となっていました。
   戦争を知らない私たちにとって、
   戦争を知るにはこうした映画を観たり、話を聞いたりするしかなく
   それは確かに必要なことなのですが、
   敗戦の悲惨さや戦犯としての償いなどばかりで
   どうやっても“負”の要素が大きくてへこんでしまう。
確かに死を以って守るというのは語る上では美談になるのでしょうが
残された者にとっては辛いだけのお話です。
だけど、イ-77潜水艦の乗組員たちは一人を除いて
皆、愛する人の所へ帰ることができたのです。
愛された人は残されることなく一緒に生き、
孫の世代と繋がる展開は
生きる大切さが伝わってきて“へこむ”ことなく観ることができました。
海中の特攻兵器・回天を搭乗させながら
一度も使用しなかった艦長が実際にいたというは
映画を観てから初めて知りましたが、その艦長をモデルに
生きて愛する者の所へ帰る大切さ、如いては命の大切さを描き、
今までの戦争映画とは違った雰囲気が好かったと思います。
興味深かったのは食事とビタミン剤とサイダー。
  海軍兵士の方のエッセイで、死に際に缶詰のパイナップルを
  食べたいという兵士のために、りんごを煮てそれらしく作って
  食べさせた・・・というのを不意に思い出してしまった
食事ってまさに生きることですよね♪ 

物語の展開も好かったですが・・・
潜水艦物のスリリングな要素もしっかり入っていて
しっかりドキドキさせられました♪
艦長同士の腹の探りあいとか、
密室に閉じ込められている人間たちの緊張感が溜まりませんね。
そして役者さんたち♪
艦長の玉木さんは細くてちょっと海軍さんの軍服が似合わないのが
残念でしたが、自虐ネタっぽいのが面白かったです。ただ、
笑って良いものかどうか困りましたが・・・ 
カッコ好かったのはやっぱり吉田栄作さんでした♪
寡黙な機関長だけど、部下想いで、信念も強くて・・・
艦長との信頼関係が素敵でしたね。
こういうところは、女性からみると羨ましいところです。

戦争映画で楽しむ・・・ほんとはそんなことが無い方がいいのですが、
これからの世代、戦争を知らない私たちが、どう戦争について
伝えていけば良いのか、ちゃんと考えなくてはいけないな、とも
思えた作品でもありました。

ところで、劇場で映画グッズが売られていまして、
扇子がありましたが・・・センスイカンだからセンス・・・なの?(笑)

この記事へのコメント

  • SOAR

    TBコメントありがとうございます!
    死を美談とする戦争映画に心を揺さぶられるのも事実ですし、それはそれで嫌いではありません。でもなにかやりきれない思いがが残るんですよね・・・。
    その点本作は、事故死の水雷員一名を除き全員が生還します。生き残ることのすばらしさを描く戦争映画、ひょうひょうとした(でも実はかなりのキレモノの)艦長と、彼を慕うクルーたちの姿がよかったですね。

    大戦末期に、重巡インディアナポリスを回天を使わずに魚雷で沈めたという、実在した艦長さんの話ももっと知りたくなりました。
    2009年06月23日 23:42
  • ひらで~

    SOARさん♪
    こちらこそ、ありがとうございます。

    戦争映画は美談でも戦争という
    許せないものを描いているのですものね、
    やりきれない思いが残って当然です。
    でも、本作は
    生き残るお話でしたので希望がもてましたし、
    今と繋がるお話になっていましたので、
    これからも伝えなければと思いました。

    一見頼りなさそうな体格ですが
    ・・・でも、狭い艦内では
    小柄の方じゃないと
    いけないのでしたね・・・
    人柄の良さで皆を率いる艦長は
    カッコ好かったと思います。

    戦時の逸話を英雄視した物語に
    してしまうのは困りものですが
    まだ世に出ていないお話は
    たくさんあるのでしょうし、
    知ることや伝えることが
    私たちの役目だと思います。
    2009年06月26日 21:39

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『真夏のオリオン』・・・オリオン座が時を超え導いたもの
Excerpt: これはまた一風変わった戦争映画だ。自己犠牲の精神を美談とすることもなく、あるいはそれを客観視して愚かさを嘆くというスタイルにもなっていない。そういうありがちな作品とは明らかに異なる作風に戸惑いも感じた..
Weblog: SOARのパストラーレ♪
Tracked: 2009-06-23 23:35

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