
英国王 給仕人に乾杯!
OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE
I SERVED THE KING OF ENGLAND
2006年 チェコ/スロヴァキア
監督・脚本: イジー・メンツェル
原作: ボフミル・フラバル
音楽: アレシュ・ブジェジナ
出演: イヴァン・バルネフ (青年期のヤン・ジーチェ)
オルドジフ・カイゼル (老年期ヤン・ジーチェ)
ユリア・イェンチ (リーザ)
マルチン・フバ (スクシーヴァネク給仕長)
マリアン・ラブダ (ヴァルデン)
ヨゼフ・アブルハム (ブランデイス)
ルドルフ・フルシンスキー (チホタ)
1963年頃、チェコスロヴァキアのプラハ。
赤い星の共産主義体制の監獄から、ヤン・ジーチェが出所して、
ドイツ国境ぞいのズデーテン山中にむかう。そこは廃村。
住んでいるのはヤンのように処罰の余生を送るわずかな人だけ。
“教授”と野性的な少女マルツェラもそうした人々だ。
ヤンの住家となるのはかつてドイツ人が住んでいた廃屋で、
窓のスミにビールのジョッキが・・・。
ヤンの一生は、ビールとともに生きる給仕の人生だった。
青年の頃から、背丈は小さいが夢は大きかった。
いつの日か、百万長者になって、ホテルのオーナーになろう、と。
<HPより>
お正月に挙げた2009年観たい映画 に入っていた本作、
ようやくコチラでも公開されました♪
公開は半ば諦めていたので嬉しいことです。
お話は老齢になった主人公ヤンが思想とかの感化院のような
監獄から出所したところから始まり、
新しい生活の場として与えられた辺境の地で
人生を振り返る形で進められていきます。
以下ネタばれありです。
幸運と不幸の落差の大きな人生を歩みながらも
一歩一歩自分の夢に近づいていく
一人の男の人生を描くのと同時に
あまりなじみのないチェコという国の近代史も語られるのですが
自分にとってはかなり新鮮というか、ショックを受ける内容でした。
どうして監獄にいたのかは最後になってわかります。
監獄に入る理由がまた驚きでした。
政治、思想、戦争と自分の意思ではどうにもならない
世の動き、流れに身を任せながらも、
人との繋がりで身を立てる主人公は
狡いところもあるけど憎めない奴・・・と言う感じ。
プライドも大事だけど、それだけじゃ生きてはいけないし、
この時代はそのプライドが生死に関わることもある。
お金もあれば好いってものじゃないし、
共産主義に代われば金持ちは犯罪人と同等に・・・
給仕をしながらお金持ちの生活を垣間見た主人公は
彼らの仲間になるのも夢みていて、
最後には大金持ちになるのですが
時代は共産主義へ・・・そして監獄。
そこにはかつて給仕したお金持ちが先に入っていて
同じ席に座ろうとしますが、
どうしても主人公はその輪に入ることできません。
身の程を知る彼の姿になんだか泣けてきて・・・
人にとって権力とかお金とかって何だろうねと、
思い知らされて、同時に人ってそれらに左右されて
生きてる生き物であり続けるんだろうな・・・って 思いました。
舞台となったチェコという国は
子どもの頃チェコスロヴァキアと習ったような・・・
気が付いたら別れてた?程度の知識ですし、
ナチス・ドイツやソ連との関わりなど、???状態。
そんな私がこうして少しだけでも知り得たことは
とても大きく、観てよかった!と思える作品でした。
それと、男って・・・とも(笑)
チェコといえばビールが有名らしく、
映画の中で頻繁にビールが出てくるのですが
私は下戸ですのでそのあたりはちょっと残念だったかな 。
なんだか、まとまりのない文章になってしまいました、
久々に滅多に触れられたことがない場所を
揺す振られたような感覚で
どう表現したらよいのかわからなくて・・・
観たらわかりますよ♪この感覚は。
5月になってようやく劇場へ行けたので欲張って
二本立てで観ましたが(一本目は『天使と悪魔』)
大作も大作で観たぞ~!ってなるけど、
こういう優れた小作に出会えて嬉しかったです♪
いい作品に出あえて幸せな一日になりました。
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