
チェ 39歳 別れの手紙
CHE: PART TWO
2008年 アメリカ・フランス・スペイン
監督: スティーヴン・ソダーバーグ
脚本: ピーター・バックマン
撮影: ピーター・アンドリュース
音楽: アルベルト・イグレシアス
出演: ベニチオ・デル・トロ (エルネスト・チェ・ゲバラ)
ルー・ダイアモンド・フィリップス (マリオ・モンヘ)
ヨアキム・デ・アルメイダ (バリエントス大統領 )
フランカ・ポテンテ (タニア)
カルロス・バルデム (モイセス・ゲバラ)
デミアン・ビチル (フィデル・カストロ)
ロドリゴ・サントロ (ラウル・カストロ)
1965年3月、「サトウキビ農園の視察に行く」と言い残し姿を消したチェ・ゲバラ。
様々な憶測が飛び交う中、キューバ革命後の新たな指導者となったカストロは
ゲバラの“別れの手紙”を公表する。「今、世界の他の国々が僕のささやかな
救助を求めている。君はキューバの責任者だからできないが、僕にはできる。
別れの時が来たのだ・・・。」
1966年、キューバでの地位や市民権を放棄し、家族と別れてまでも、
向かった先はアメリカの支援を受けバリエントス大統領が軍事的独裁政権を
握る南米ボリビア。しかし、ボリビア共産党の協力を得ることができないゲリラ軍は
孤立していく・・・。
ほとんど知識のないまま望んだパート1『28歳の革命』は、
革命そのものを描くのではなく、その時彼が何をしていたのかを
革命後のインタビューや演説を交えて描かれていて、
人を心から愛していた彼を感じるものでした。
革命をなした時点で終わるので、観ていても希望を感じ、
パート2もかなり心待ちにしていました。
彼の行動を追う描き方というのは同じですが、
やはり待ち受けるものは死ですから、かなり雰囲気が暗く、
後半は彼の発作のシーンから特に息苦しく感じるほど。
命を落とすシーンでは目線までもが同じで、
まるで彼の人生を共有してきたみたいでした。
パート2も、革命を全体的には追わず、
お話的にはわかりづらいのは否めませんが、
多くの人の心を捉えた彼の信念を描くためには
彼を感じさせる本作の作り方が必要だったのでしょう。
監督の信念も感じられてとても感心しました。
無音のエンドロールって初めて観たけど、印象的で、
彼への黙祷のようでもあり、
観た者が自分を取り戻す時間でもあるような静寂に
ソダーバーグ監督のこだわりが強く感じられました。
監督が本当に描きたかったという、このパート2、
確かにパート1あってのもの。
人をどれだけ愛していたかがわかった上で観ると、
たとえ革命が失敗で、死が待っていようと、
“信じるものは人間”という彼の言葉が心に大きく残ります。
人間って、何をしたかが大切なのではなくて、
どういう風に人の心に残るのかが大切、と思いました。
武力で人の心を動かそうとしたところは別にして・・・
ラストシーンはパート1でキューバへ向かう船の上のシーンでした。
パート2を観てからまたパート1を観たら、
よりわかり易くなるのかもしれませんね。
さてさてデル・トロさん♪
もう痛々しくて・・
ゲリラ軍が追い詰められて
自分の体も限界を超えて、馬までもいうことを聞かなくなって
馬に八つ当たりするシーンなど観ていられなかったです。
ホントに“なりきった”と言えますね。
バリエントス大統領を演じたヨアキム・デ・アルメイダは
やっぱりここでも悪役でした。似合いすぎ♪
ルー・ダイアモンド・フィリップスはとってもお久しぶりな感じで、
ヨアキム・デ・アルメイダと彼って「24」に出てたよね~
シリーズ違うし、本作には関係ないけど、なんだか思い出した(笑)
ロドリゴ・サントロは癒しシーンだね~♪
チラッと出てきただけでちょっと残念でしたが・・・
この記事へのコメント
真紅
TBのURLが出てこないのですが、受付しない設定なのかな?
もしまた送れるようだったら再トライしてみますね。
そうそう、デル・トロさん第一部より痩せてましたよね。
眼なんか落ち窪んで・・・。痛々しかったです。
最後、ずっと淡々とゲバラを追っていたカメラが彼と同化するところはよかったですね。
無音のエンドロールが、黙祷。。う~ん、なるほど!
いい映画だったと思います。
ではでは、また来ますね~。
ひらで~
TBはこちらの設定ミスでした・・・
ごめんなさい!
お手数ですが、またよろしくお願いいたします。
エンドロールの無音の真意はわかりませんが、
とても大事に作ったからこそそうなった・・・
感じがしてなりません。
その前に流れる曲がとても明るくて、
死に対して悲しむというより、
彼を愛しく思う気持ちが高まり、
次の静寂で落ちつきましたので、
いろんな思いが出てくるのでは
ないでしょうか。
悠雅
エンドロール、わたしも黙祷のように感じていました。
無音のまま続くあの時間に、確かに自分の現実へ戻る用意をしていたようにも思います。
TV放送の時、「音楽はありません」とかテロップを出さないと視聴者は驚くぞ、なんて
余計なことも考えてしまったくらい・・・
どこまでも人間を信じ、自分を信じて行動を続けた男の生き方を
すぐ傍で見届け、彼という人間を感じられた気がする作品でした。
ひらで~
こちらにも来ていただいて、
ありがとうございます。
無音のエンドロール、最初は故障か?
と思ったほどでしたので、
理解(?)するまで時間がかかりましたが、
かえって忘れられないエンドロールに
なりました。
すぐそばで見ないと見えないものが
たくさんありますものね。
わかりづらい見せ方でしたが、
心に入りこんでくるものが
たくさんあった作品でした。