(実は16日)

チェ 28歳の革命
CHE: PART ONE
THE ARGENTINE
2008年 アメリカ・フランス・スペイン
監督: スティーヴン・ソダーバーグ
脚本: ピーター・バックマン
音楽: アルベルト・イグレシアス
出演: ベニチオ・デル・トロ (エルネスト・チェ・ゲバラ)
デミアン・ビチル (フィデル・カストロ)
サンティアゴ・カブレラ (カミロ・シエンフエゴス)
エルビラ・ミンゲス (セリア・サンチェス)
ジュリア・オーモンド (リサ・ハワード)
カタリーナ・サンディノ・モレノ (アレイダ・マルチ)
ロドリゴ・サントロ (ラウル・カストロ)
1964年、ニューヨーク。一人の男が語る。
「馬鹿らしいと思うかもしれないが、真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。
人間への愛、正義への愛、真実への愛。愛のない真の革命家を想像することは、
不可能だ。」
「革命家にとって重要なことは?」という問いに答えたその男の名は
キューバの“影の実力者”チェ・ゲバラ。
1955年7月、メキシコ。アルゼンチンの裕福な家庭で育ち医師となった彼は
南米大陸の旅の途中、独裁政権下のキューバに革命をもたらそうとする
フィデル・カストロにフィデルの弟ラウルを介して出会い、意気投合、
革命に身を投じる。
1956年11月、わずか82名の仲間と小さな船でキューバに上陸した彼らは、
ゲリラ戦を重ね、2年の歳月を経て大都市サンタクララを襲撃。
1969年1月、首都ハバナに入城する。
"2009年観たい映画”に挙げた通り、まずは一本目です(笑)
ただ、チェ・ゲバラという人物についてはあまりにも無知なので
観ても解るのか?という不安があったのが正直なところ。
お名前だけは、よく聞きましたね。
ジョニ・デも敬愛しているとかどこかで読みましたし、
Tシャツとかライターとかに印刷された顔なども見たことが・・・
あとは彼の青春時代を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』ですが、
きな臭いイメージの革命家という言葉に結び付かない
印象を受けた作品でしたから・・・。
本編上映前に(たぶん日本だけだろうけど)、彼についての説明がなされます。
知っている人にはいらないかもしれないけど、
何も知らない人(私だ!)にはかなりありがたいものでした。
1964年のアメリカでのインタビューら始まったかと思えば
1955年のメキシコ、そして1956年以降のハバマまでの進攻、と
時を刻んで挿入されてくるので初めのうちは
人物や行動の把握に一苦労するのですが、
次第にあ~そうか~となるので不思議です。
インタビューで語る言葉、そして国連で語る言葉の意味を
裏付けするような展開でした。
ドキュメンタリーっぽくはあるけれど、
なぜ革命に命をささげるのかとか、
革命そのものを描くのではなく、
チェの生活面や人間性を中心に周りとの関わりを交えて描くことで、
彼の姿を感じ取ることができたというのかな・・・
戦線に出されず傷痍兵を担ぐ役になったり、
馬鹿にされたと文句を言う兵士の誤解を解いたり、
文盲の兵士たちに文字や算数を教えたり、
駐屯した村で医者として村人を診たり、
農民に手を出した兵を粛清したり・・・
そんな小さなエピソードを紡ぐ様にした物語から
彼の姿をすべて知ることは到底無理なことですが、
彼の行動がその後に語られる言葉通りに
愛から湧き出てくるものであろうことは
感じ取ることができました。
そう、彼が何をやったのかを知らしめる映画ではなく、
彼を感じさせる映画のような気がします。
そして、自分の持っていた革命家という言葉のイメージが
変わったというのが自分でも収穫だったと思います。
今までですと、苦しめられた圧制に耐えかね、
半ば憎しみを持って反発して立ち上がる人がなるもの・・・な感じの
イメージを持っていましたけど、彼の場合は違うよね。
武力で変えようとするところは、別にしても
憎しみとか、うまく言えないけど、
マイナスの心情から湧き出たものじゃなくて、
すべてを愛する心からというもの。それが
「愛のない真の革命家を想像することは、不可能だ。」という
彼の言葉になっていて、この作品から強く感じました。
さてさて、デル・トロさん♪
28才には見えないよ~とか思ったけど、
当時の人たちは今の人たちよりずっと老けて見えたのだろうな~と、
ということで、まぁ、いいかと(笑)
実在の人物、しかもまだチェを知っている人が存在する中で
演じるのは大変なことだったろうとは思うけれど、
私としてはデル・トロさんがチェにどれだけ似ているのか
想像がつかない分、デル・トロさんのいいところがいっぱい観れて
とても好い気分になりました。
続きが楽しみです♪
脇としてはあまり登場シーンは多くなかったけど、
カストロの弟・ラウル役でロドリゴ・サントロが出てるのが嬉しかった♪
追記:『チェ 39歳 別れの手紙』の感想はこちら
1月も半ばにして初鑑賞とは・・・なんだか寂しいですので
この日、がんばって二本目を観ることにしました(笑)
『チェ 28歳の革命』とは正反対な
おバカ映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』なんですけど(笑)
この記事へのコメント
真紅
私も、この作品が今年の一本目だったんですよ♪ 幸先いいですね~。
革命家としてのゲバラでなく、一人の「よき人間」だった彼が描かれていましたね。
フィデルも、彼が大事だったからこそ訓練係にして、一見降格だけれど実は彼を守っていたのがよくわかりました。
ラウルをロドリゴくんが演じていたとは私も知らず、うれしかったです~。
後編も楽しみですね♪
ではでは、また来ますね~。
悠雅
お邪魔がすっかり遅くなりました。
わたしも名前と顔のプリントくらいしか知らず
『モーターサイクル~』も未見で、
もし、置いてけぼりになったらどうしようと、直前まで迷っていたんですけど
思い切って、全く何も知らない状態で観てみて大正解。
革命そのものよりも、淡々と彼の内面を描いたことで、
いつまでも崇拝され続ける理由がわかった気がするし、
39歳も是非、観てみようと思わせられました。
映画を通して、その人となりを知る・・・
いったい、何人目なんだろう…っていうか、
わたしはこれまで、何をどう勉強したり知識としてきたのか、
自分で自分に呆れております。。。
ひらで~
真紅さんもこの映画が今年お初なのですね♪
ホントに好い映画でスタートできて
お互いに幸せですね。
純粋に困っている人を助けたい・・・
それだけの思いだったのでしょうね。
フィデルという人は、人をよく見て
使い方も上手だったのかもしれませんね。
上に立つ人は尋常な常識や精神力じゃ
続きませんものね。
後編、すぐにでも観たいです♪
ひらで~
政治的なことも全くといっていい程
知りませんから、
理解できなくても、デル・トロさんだけ
観てれば・・・な~んて思ってたりも
してたのですが、杞憂でしたね(笑)
個人的には無欲なところや、
誰に対しても愛を持って接し、
ただ施すのではなく無力な人でも
力が持てるように手を貸す姿勢が
人を時代を超えても
人々を引き付けてやまないのでしょうね。
映画というのは私にとっては
世界を知る一番の手段です。
まだまだ世界は広いので、
これから出会う映画が私を未知の世界へ
連れて行ってくれるのだと思うと、
楽しみで、楽しみでたまらないのです。
だから、悠雅さんも自分に呆れるなんて
仰らないで、開き直りましょ♪(笑)