宮廷画家ゴヤは見た
GOYA'S GHOSTS
2006年 アメリカ・スペイン
監督: ミロス・フォアマン
脚本: ミロス・フォアマン
ジャン=クロード・カリエール
音楽: ヴァルハン・バウアー
出演: ハビエル・バルデム (ロレンソ神父)
ナタリー・ポートマン (イネス・ビルバトゥア/アシリア)
ステラン・スカルスガルド (フランシスコ・デ・ゴヤ)
ランディ・クエイド (カルロス4世)
ミシェル・ロンズデール (異端審問所長)
ホセ・ルイス・ゴメス (トマス・ビルバトゥア)
マベル・リベラ (マリア・イザベル・ビルバトゥア)
フランシスコ・デ・ゴヤはスペイン国王カルロス4世に宮廷画家として召抱えられつつも、
教会や権力者の腐敗や庶民の怒りを揶揄して描き、常に現実を写し取ろうとしていた。
1792年、ゴヤが描いている二枚の肖像画・・・一枚は裕福な商人の娘・イネス。
もう一枚はカトリック教会のロレンソ神父。折りしもロレンソ神父の提案で、教会による
異端審問の強化が図られ、イネスは些細なことでユダヤ教徒の疑で
審問所への出頭命令が下されてしまう。
イネスの父は娘の助けるためロレンス神父を知るゴヤの元へ取次ぎを頼むが・・・。
『宮廷画家ゴヤは見た』・・・って、
なんだか、家政婦が主人公みたいな邦題ですが(笑)、
あながち間違ってはいないのね~
ゴヤを主人公にした映画というより
1790年代末から1800年代初頭の統治者がころころ変わる
激動のスペインが主役みたいな感じ。
物語の発端はゴヤにカトリック教会の威厳落すような絵(版画)を描かれて、
その威厳を取り戻すべく、強化された異端者の審問・・・なんだか歴史、
知っとかなきゃついて行けない?とちょっと、心配になりましたが、
そこは『アマデウス』の監督さんですね~
面白いように物語が急展開していき、
所々に誰もが知っている史実を挿入してあるので
あ~そ~か・・・と、なんだかわかったようになるから不思議です。
物語はゴヤが描いていたイネスとロレンソを軸に
激動のスペイン様子を描いています。
実は凄じい生き様が描かれているのにも係らず
滑稽さが浮き彫りにされているようで
それが、たまに出てくるゴヤの画の雰囲気に合ってるんですね。
ゴヤの役回りはその時代の生き証人みたいなもので
画家であるがために冷静に時代を切り取って
絵を描いて残していく、そんな感じでした。
ゴヤの絵は他にもあるので、この作品はゴヤのホンの一部分しか
触れていないのでしょうが、
ゴヤを狂言回しのような役割にしたところで
この時代を覗き見ているような感覚にもなります。
この時代、とは言っても
現代に通じるような人間模様が繰り広げられているので
余計に人間の愚かさが浮かび上がってきて面白かったです。
イネスに関しては可哀想なんだけど、
結末を考えると人間の幸せって何なんだろうね~って
考えさせられてしまいます。
ロレンソ神父にいたっては聖職者の出で立ちや振る舞いに
ごまかされそうになるけど、独りよがりのかなり嫌な奴・・・
でも、信じたものや時代の落とし穴に嵌ってしまうような
ちょっとかわいそうなところもある人・・・かなり複雑な人間ですが、
ハビさんがこれを上手に演じていて“最後の最後まで”強烈な印象。
お目当てのステランは強烈なハビさんと対照的で、
ちょっとほのぼのとした感じ。
渦巻く展開の中でのオアシス的な存在ですね♪
この時代の衣装も好い感じで、ラストシーンの後姿は
ファンとしては感激です♪・・・ファン限定ね(笑)
さぁ、次は『マンマ・ミーア!』だ♪
この記事へのコメント
なな
ステランファンのひらで~さんには
まさに垂涎ものの作品ですね!
私はそんなに多くステランものを見てませんが
けっこうアクの強い役の彼を見てきたので
この作品のゴヤ役の彼は,
ソフトで知的で紳士的で
今までの作品の中では一番好きかも~。
コスチュームも似合ってましたよねぇ。
ハビエルのキャラがあんまりアクが強いんで
余計にそう見えた・・・ってのもありますが。
フォアマン監督の歴史もの・・・さすがの貫禄ですよね。
ひらで~
そうなんです!もうダラダラ~(笑)
ハビさんと並んだ図柄は
さすがに暑苦しさを感じますが(笑)
抑えた感じがゴヤの画家としての
時代を見つめる姿に似合っていました♪
・・・かなり贔屓目の感想です(笑)
ステランは結構、出演作が多いので
これからも少しだけでも気にして
観ていただけると嬉しいです♪