
こわれゆく世界の中で
BREAKING AND ENTERING
2006年 イギリス・アメリカ
監督・脚本: アンソニー・ミンゲラ
音楽: ガブリエル・ヤレド
UNDERWORLD
出演: ジュード・ロウ (ウィル)
ジュリエット・ビノシュ (アミラ)
ロビン・ライト・ペン( リヴ)
マーティン・フリーマン (サンディ)
ラフィ・ガヴロン ミロ(ミロ/ミルサド)
ポピー・ロジャース (ビー)
レイ・ウィンストン (ブルーノ刑事)
ヴェラ・ファーミガ (オアーナ)
ロンドンの都市開発を手がける建築家のウィルは
サンディと娘ビーと暮らしていたが、ビーは心の病を持っていた。
娘にかかりきりの生活のサンディと仕事が忙しいウィルの間には
何時しか溝ができ始めていた。
そんな時、ウィルはパートナーのサンディとキングス・クロスにオフィスを構える。
そこはあまり治安が良くない所との心配を他所に、
お披露目をするが、その晩、泥棒に入られてしまう。
警報装置も頼りにならず、2度も泥棒に入られたウィルは自分で見張りをする。
こちらでは上映されていないので
その存在すら知らずにいた作品(^^;)
ジュード・ロウとジュリエット・ビノシュの名に惹かれて観たのですが、
地味ながら大人のお話で、久々に色々考えさせられました。
原題の“BREAKING AND ENTERING”は調べてみましたら、
法律用語で“家宅侵入罪”とありました。
それを“こわれゆく世界の中で”とした邦題はお見事!って
観た後に思いまして、更に後でコピーを知って・・・
その奥深さに感動しました。
初めはね、理由やきっかけはどうあれ、よくある夫婦の倦怠期から立ち直る話?
とか思いながら観てましたが(笑)
この二人、同棲中で娘は女性の連れ子なのね・・・
物語が展開する場所も、係る世界もちょっと特殊なのが
興味深くて、色々考えてしまったわけで・・・
人って“こわれゆく世界の中で”生きているものなんだなぁと実感しました。
でも、壊すのと壊れていくというのでは違うっていうのも感じて、
壊すのには相当な気力や勇気がいるものだと。
壊すものが自分に近いものであればあるほど、
その力も大きくないとね。
ただ、どちらかと言うと男性側の視点から語られているお話なので
そういう壊し方は女性側の懐の大きさによるところですが(笑)
ジュード・ロウだからね~少々のオイタも許せる・・・か?
そう考えると、配役が絶妙(笑)
結局は夫婦(同然だよね)の倦怠期から立ち直る話でもあるわけだけど、
彼女が現れると必ず何かしら乱されちゃうってイメージの
ジュリエット・ビノシュがその鍵を握っているんだもの。
それも自分の方から誘ってないところがいつも凄いよね~。
得体の知れない吸引力があるのです。
ロビン・ライト・ペンも強からず弱からずの普通っぽさが好いのかも。
でも、最後は良くやった~って褒めたくなる素敵な女性です。
そして、面白かったのが
ヴェラ・ファーミガの娼婦(って言うのか?)。
ヴェラ・ファーミガって『ディパーテッド』で
精神科医の女医さんしてませんでした?
ここでは音楽療法か?って感じです(笑)
話がそれてしまった・・・元に戻して・・・
ロンドンが舞台なのに場所を選べばイメージも変わるものですね。
いつまでも変わらない土地のように思える土地を選んでいるのも
この作品の面白みなのかも。
セリフもなるほど~と思えるところがいっぱい。
理屈っぽいといえばそれまでだけど(笑)
お互い素直になれない夫婦の会話・・・良くわかります(笑)
妻の方は母親でもあって、いざとなれば子どもに逃げられるんだよね~
その点、夫の方は仕事とか家の外へ行くしかないわけで。
我が家の場合は・・・うふふ♪です。
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