信州まつもと大歌舞伎 平成中村座夏祭浪花鏡
三好松洛
竹田小出雲
演出: 串田和美
出演
中村勘三郎
(団七九郎兵衛)
中村橋之助
(一寸徳兵衛)
中村勘太郎
(玉島磯之丞)
中村七之助
(徳兵衛女房 お辰)
笹野高史
(三河屋義平次)
片岡亀蔵 (大鳥佐賀右衛門)
坂東彌十郎 (釣船三婦)
中村扇雀 (団七女房 お梶)
「夏祭浪花鑑」と書いて、“なつまつりなにわかがみ”・・・
浪花ではなく松本ですが、
夏は信州でも、“祭り”です♪と、の気分の下、
難儀したチケット取りも既に良い思い出(笑)、
中学の娘を期末試験に送り出し、
お気楽な母はのんびり芝居見物へ・・・
歌舞伎の生鑑賞は久し振り♪
ワクワク感を更に高めるかのように、劇場のまつもと市民芸術館は
ロビーからお祭りの雰囲気。
土曜日に行われたお練の際の車と山車
自分へのお土産に(笑)手ぬぐいを買って、
予約しておいたお弁当(1000円とは思えないボリュームと美味しさ!)を
客席で食べ(こんなこと普通はできないよ~!)、
開演を待っていると、笹野さんの義平次が登場・・・
次から次へと出演者が客席通路から登場して壇上へ。
客席は否が応でも盛り上がって・・・芝居がにわかに始まります。
歌舞伎に関しては人に語れるほど詳しくはないので
内容や見せ場の説明などは他の方にお任せしておいて・・・
いや~、おもしろい!楽しい!カッコいい♪
ほかに言葉がないです。
チケット取れて、観に行って、好かった~!!!
一番の見せ場、殺しの本泥&本水シーンは
想像より、迫力があって、怖かったです。
ざんばら髪で、彫り物と赤い下帯姿になった団七(勘三郎さん)は狂気の中・・・
闇に浮かぶその姿は凄惨なのに、美しさも感じられて、
日本人の美学みたいなのを目の当たりにした感じ。
泥にまみれる義平次(笹野さん)は、生きた屍状態で、
観てるこちらも、早く泥に沈んでくれ~!と、思ってしまうくらい。
七之助さんの徳兵衛女房・お辰も素敵でした♪
顔を自ら傷つけるシーンでは
色気を感じさせながらも、悔しさや意地などの強い感情表現に感激。
なんだか、涙が出るくらい・・・。
そして、引込みでポン!と胸を叩くシーンは惚れます♪
人は見た目じゃないよ、心だよ!ってお辰の心意気は、
見た目は細いけど芯は強くて逞しい七之助さんそのもの。
一番のお気に入りのシーンとなりました。
お祭りで始まり、お祭りで終わるこのお芝居、
そこには明るいお祭りとは対照的な、かなりの深い闇もあり、
人間の情とか、性とかよく表されたお話が繰り広げられていきます。
もちろん、負の心だけではなく
今では理解しがたいくらいの義理や筋道を通そうとする正の心も
大きな柱のように存在しています。
歌舞伎の面白さが凝縮されているのかな?
オリジナルを観ていないので比べられないけど、
多分、歌舞伎初心者でも充分わかる展開ですし、
お囃子も見せ場があるのでそれも、また楽しく
初めから終わりまで飽きることなく魅せてくれます。
ラストの捕り物シーンも型に嵌った、大げさな表現の歌舞伎の面白さと
現代らしい見せ方、そして観ている側の想像力が加わって
観る側も段々と昂揚していきます。
話題のパトカーもちゃんと登場・・・本物かは知らないけど
長野県警のものです(笑)
その終わり方も、コクーンとは劇場の作りが違うので異なるらしく、
リピーターの方々にも楽しめるようです。
この記事へのコメント
悠雅
生でご覧になったのね~
またまたTV放送だけれど、
月末にNHKハイビジョンでベルリン公演が放送されるので、
楽しみに待ってるところなのです。
でも本当は、生で観なくっちゃ本当の面白さを感じることはできないんですけどね。
わたしも、本水の舞台を観たかったわ・・・
もし時間が合ったら、ベルリン公演と見比べてみてくださいませ。
ひらで~
こちらにもお越しいただいて
嬉しいです!
我が家から松本までは
電車で一時間ぐらいはかかりますが
東京へ行く事を思えば
観に行かないと!!!と
行ってまいりました。
決して好い席ではありませんでしたが
迫力は充分でした。
TV放送では役者さんのアップなど
客席とはまた違った見方ができるので
放送も楽しみです。
人気のある舞台なので、
再演も期待できるのでは?