パンズ・ラビリンス☆だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。

18日に劇場で鑑賞♪
画像
パンズ・ラビリンス
EL LABERINTO DEL FAUNO
PAN'S LABYRINTH
2006年 メキシコ・スペイン
監督・脚本: ギレルモ・デル・トロ
音楽: ハビエル・ナバレテ
出演: イバナ・バケロ (オフェリア)
    セルジ・ロペス (ビダル将軍)
    マリベル・ベルドゥ (メルセデス)
    ダグ・ジョーンズ (パン)
    アリアドナ・ヒル (カルメン)
    アレックス・アングロ (フェレイロ医師)
    ロジェール・カサマジョール (ペドロ)
1944年のスペイン。山間部には内戦終結後もゲリラ戦で抵抗する人々がいた。
少女オフェリアは母カルメンと共に母の再婚相手である、ゲリラ鎮圧部隊の
ビダル将軍の元に連れられて来る。臨月の母にとって山道は過酷で途中、車を
とめた。そんな時おとぎ話が大好きなフェリアは不思議な石の欠片を見つける。
あたりを探すと朽ちかけそうな石造があり、拾った欠片を割れ目に入れてみると、
石造の口から虫が飛び出してきた。不安で眠れないその夜、昼間見た虫が
彼女の元に来て、妖精に姿を変えた。オフェリアはその妖精に導かれ
駐屯地近くにある遺跡に入り込む。そこでパンと名乗る不思議な生き物に出会い、
オフェリアが地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、満月の夜までに
3つの試練を乗り越えれば国へ帰れると告げられる・・・。

昨年度のアカデミー賞では脚本賞、 外国語映画賞、 作曲賞など6部門に
ノミネートされ、撮影賞 、美術賞、メイクアップ賞の3部門で受賞した作品。
ノミートされて初めて知ったので、どれほどのモノかとかなり興味がありました。
かなり遅れての地方での公開でしたが、あってよかった♪
内容に関しては大人のためのダークファンタジーと聞いていた。
R-12ということでグロいシーンがあるとは予想していたが・・・
それが予想以上・・・虫とか血とか、人を傷つけたり、かなり・・・。
まぁ、それでも我慢できたのは主人公の
労しいほどの健気さが映えるオフェリア、
イバナ・バケロちゃんの姿があったから。

おとぎ話が好きな少女が主人公となれば、
夢や未来のある結末を誰もが予想し、期待するもの・・・
だけど・・・。
現実が異なれば同じおとぎ話がこうも変わるものなのか?
ダークファンタジーと軽く受けられてはいるけれど、
そこには大人への戒めを超えたものを感じる。
単なる現実逃避的なお話ではなかった。
私が感じた事は・・・
過酷な現実の中で平和な世界を望む夢さえも奪われて
命を落としていったたくさんの子どもたちへの鎮魂歌のようだ、という事。
オフェリアを取り巻く大人たちの社会は1944年のスペインではあるが、
今、現在も大差なく、大人の勝手で命を落としていく子どもたちがいる。
その子達に対してのせめてもの大人の償い・・・
地底の王国は現世より素敵なところと
描く事しか出来ないこの世の有様が切なく、やるせない。

アカデミー賞では技術系の賞しか受賞が出来なかったのは残念でしたが、
その技術は独特なもののように感じ、新鮮でした。
試練のひとつひとつもなんとなく東洋的な匂いもあって、
姿かたちは異なるけれども根底は同じように思えました。
宗教的には詳しくは知らないけど、物語の中に
なんだか賽の河原で石を積む夭折した子を守るという
地蔵さんを連想してしまったの・・・。
変かな?

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映画「パンズ・ラビリンス」
Excerpt: 原題:Pan's Labyrinth この映画での"PG-12"の意味は、成人保護者同伴で小学生を映画館に連れて行って、是非観せてあげてくださいという意味に違いない・・教育指導的お..
Weblog: 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~
Tracked: 2008-01-20 12:32

パンズ・ラビリンス
Excerpt: だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。 原題 EL LABERINTO DEL FAUNO/PAN'S LABYRINTH 製作年度 2006年 製作国・地域 メキシコ/スペイン/アメリカ..
Weblog: to Heart
Tracked: 2008-02-03 20:47

「パンズ・ラビリンス(PAN'S LABYRINTH)」映画感想
Excerpt: 79回アカデミー賞で3部門でオスカーを獲得した、というより外
Weblog: Wilderlandwandar
Tracked: 2008-02-21 18:49