椿三十郎
1962年
監督: 黒澤明
原作: 山本周五郎 『日々平安』
脚本: 菊島隆三
国英雄
黒澤明
音楽: 佐藤勝
出演: 三船敏郎(椿三十郎) 仲代達矢 (室戸半兵衛)
加山雄三(井坂伊織) 清水将夫(大目付菊井)
平田昭彦 (寺田文治) 志村喬 (次席家老・黒藤)
田中邦衛 (保川邦衛) 藤原釜足 (国許用人・竹林)
太刀川寛 (河原晋)
久保明 (守島隼人) 小林桂樹 (木村)
波里達彦 (守島広之進)
江原達怡 (関口信吾) 入江たか子 (睦田夫人)
松井鍵三 (八田覚蔵) 団令子 (睦田千鳥)
土屋嘉男 (広瀬俊平) 伊藤雄之助 (城代家老・睦田)
ある夜、社殿の中で9人の若侍が上役、次席家老・黒藤と国許用人・竹林の
不正を暴こうと集まっていた。若侍の一人、井坂伊織は粛清を求める意見書を
叔父である城代家老・睦田へ提出したが受けてはもらえず、大目付・菊井のところへ。
菊井には詳しく知りたいから皆を集めるよう言われたという。そこへ、よれよれの
得体の知れぬ浪人が現れ、話を盗み聞きしていたが、その話には裏があると進言。
果たして、社殿は既に大勢の侍に囲まれていた。成り行きで、浪人は
若侍たちを助けることにするが・・・。
先日、森田監督による、織田版『椿三十郎』を観ました。
その時の感想でも書きましたが、
オリジナルは黒澤監督作品の中でもかなり好きな映画でしたので、
今更、なんで?と普通に思ってしまいましたが、
織田さんは好きなので、期待半分で待ってたような(笑)
試写会が珍しく当たって一足先に観ましたが、思いのほか好くて・・・
でも、オリジナルの脚本が面白かったものね~とも思っていたので、
なんだか、また観ても好いかもね・・・と、録画ビデオをデッキごと発掘。
我が家ではDVDしか観れないようにしてあるので、
大昔に録画したビデオはかわいそうなの(^^;)
NHKのBSでまた黒澤監督特集してくれないかな~
初めて観たのは確か高校生ぐらい・・・TVでした。
黒澤監督作はそれまでに『天国と地獄』しか観てなかったし、
三船さんに至ってはスピルバーグ監督の『1941』が初見でしたので、
いつも怒鳴ってばっかりのおじさんのイメージ(笑)
あっ、ビールのCMの「男は黙って・・・」というのもあったっけ?
そんなんで、厳つい爺さんに近いおじさんのイメージしかなかったので
映画でちょっと若い三船さんを見て、普通に喋れるんだ~って
思ったのを覚えています(笑)
今観ても、喋るにしてもなんてぶっきらぼうに喋るのかしら~って・・・
今時、こんな風に喋る(演技する)俳優さんって、いないですよね~
この雰囲気が好いのかな?よくわからんけど・・・と言うのが、本音です(笑)
入江さんがのんびり喋っている時、ふすまに書かれた文字、
“や”の字をなぞっている姿は面白かったし、厳つい感じとの落差が
楽しかったですけど、女性はいらん!みたいな硬派な雰囲気ですから、
女性から見ると入り込めないというか、
男に好かれるタイプの男性なんでしょうね。
映画自体、男性が好みそうな作りですものね~。
加山さん、田中さんの若侍も20~30歳ぐらいの方たちでしょうが、
観た当時の私にとっては映画では若いけど、既におじさんの感覚。
でも、ゴジラの博士の平田昭彦さんはカッコ好いなぁとか思ったり♪
悪役3人組は観た当時、どなたも知らなくてなんて悪そうなんだ・・・って(笑)
志村喬さんは、あとで、『生きる』観て、ビックリしたのでした。
敵役・室戸役の仲代達矢さんは、とにかく気味の悪いイメージでした。
初めて仲代さんを観たのが『女王蜂』でだったから、
なんだか、ず~っと気味の悪い人で、若くても気味の悪い人(^^;)
でも、『二百三高地』でイメージ良い方に変わりましたから・・・
と、一応、フォロー(笑)
なので、あの、ラストの対決シーンは
白黒で良かった・・・と思うほど怖かった・・・。
そうなの・・・そこまではのほほんとして、椿が綺麗ね~
悪人も退治されて良かったわね~と思っていたのに、突然!ですからね~
何度観ても、どうしであそこまでする?って思うほど、ブシュ~って出てますから
初めて観たときの驚きは凄かったです。
でも、再見のたびに出るぞ、出るぞ~!ってドキドキするので、
怖いもの見たさでラストを迎えるのかもしれない(笑)
このあと、前編にあたる『用心棒』を観ましたが、こういう感覚はなかったから、
評価的には『用心棒』が高いけど、私の好みとしては『椿三十郎』の方が上。
リメイクに関しては、お芝居だって再演されるし、
海外小説だって新しく翻訳されることを思えばどんどんすればしいと思う。
確かにオリジナルに感動すれば、自分の思いを壊されるような感じがするけど、
今の感覚や言葉が入ることで別の物になるわけだし・・・
私的には白黒映画はどうも昼なんだか夜なんだかわからなかったり、
色がついてないのは寂しいと思ったりするので、
やっぱり、椿の花に色があるのは嬉しかった♪
撮影時、使った椿の色は“黒”だった・・・って聞いたような
言葉も、昔のをTVなどで放送するとピー、ピー言ってたりするので、
そういうこと考えると今の言葉で言ったほうが好いんじゃないかと思います。
もちろん、昔のを捨てるわけじゃなくて、リメイクされたことで
オリジナルに注目が行って、またみんなで観れば楽しいものね。
椿三十郎<普及版> [DVD]
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