プルートで朝食を☆神は、彼にほんの少しの試練を与えた

WOWOWで鑑賞♪
画像
プルートで朝食を
BREAKFAST ON PLUTO
2005年 アイルランド/イギリス  
監督: ニール・ジョーダン
原作: パトリック・マッケーブ
脚本: ニール・ジョーダン
    パトリック・マッケーブ
音楽: アンナ・ジョーダン
出演: キリアン・マーフィ (パトリック・“キトゥン”・ブレイデン)
    リーアム・ニーソン (リーアム神父)
    ルース・ネッガ (チャーリー)
    ローレンス・キンラン (アーウィン)
    リーアム・カニンバル(モッシャー)
    スティーヴン・レイ (バーティ・ヴォーン)
    ブレンダン・グリーソン (ジョン・ジョー・ケニー)
    イアン・ハート (PC・ウォリス)
    エヴァ・バーシッスル (アイリー・バーギン)
    ブライアン・フェリー (シルキー・ストリング氏)
アイルランドの小さな町で生まれて直ぐに教会の前に置き去りにされ
近所のプレイデン家の養子として育った男の子、パトリック。
小さな頃から綺麗なドレスやお化粧に興味があって、変わり者とされていた。
青年と成長した彼は、実の母親を探しにロンドンへと旅立つ・・・。

公開時から観たかったのだけど、こちらでは公開がなく、
WOWOWでの放送で観ました。観たのは少し前なのですが、
時間がなかなかとれずに感想が後になってしまっていたけれど、
先日観た『麦の穂をゆらす風』でキリアンくん、好いね~と
ちょっと、お祭り状態になったのでこりゃ~書かねば!と。(笑)

写真とかで観る限り、綺麗なキリアンくんに華やかな内容を
想像していたのだけど、かなり“シリアス”な内容で・・・
題名も語感が明るいものね~
  プルートとはちなみに冥王星・・・今では違うらしいが、
  太陽系の一番端っこの惑星。
  “キトゥン”が出会った、ある人の言葉に題名が出てきますが、
  このあたりは哲学的で深い意味は私にはよくわかりません(^^;)
  でも“キトゥン”とっては転機になった言葉なのね。
普通にドラマにしていたら、悲惨な人生で観るのも辛いだけに
なったろうなぁ~と想像するけど、本人が“シリアス”が嫌いだから(笑)

70年代のイギリスとアイルランドの関係の中で彼の行動は
一見すると・・・外見からも主義も理想も持たず、
ふわふわととらえどころがない異端者だけど、
彼の思うことはただ、自分の居場所を探すこと。
それは母を探すことで自分の存在を確かめ、
父親に愛されていると知ること。
人は愛されて生まれたと感じなければ幸せにはならない。
当たり前過ぎて忘れてしまうことだけど、
そう生きてこれなかった彼が自らを飾り、明るく振舞うことで、
何とか他人の心の隅に入り込み生きていく術を見つけたのには
人の親として心が痛む。だけど、
それが彼の(彼女?)の人にはない強さなのだろう。
その強さがあって、周りのシリアスさが滑稽に見えてくるから不思議。
“やられたらやり返す”暴力的な世にあって異種とも見える風貌が
戦場に咲く花の様に思えてくる。
風になびき、踏まれても折られても、再び花を咲かす、そんな花・・・。

そんな彼女(彼?)が最後に根を張る場所はあるのか?
見つかるまでに簡単にはいかないけれど、
父親との再会(?)シーンが和む。
素敵なシーンで大きなお父さんが小さく見えた・・・。
「お母さんを探してお父さんを見つけた」・・・もう、“キトゥン”って子は!
って、抱きしめたくなってしまったくらい♪
そして、ラストの彼女の姿はもう風になびく小さな花ではなく、
根元の小さき者を守る大輪の花となっていました。

人生色々とはいうけれど、
ここまで色々あるの?と驚いてしまう“キトゥン”の人生。
この“キトゥン”のキリアンくんも、ここまで綺麗に?と驚いてしまう。
けなげに見えるけど、じっと耐える姿は人の心を動かす“力”がある。
彼を取り巻く人々も個性的で魅力的。物語を外れても楽しめる(笑)
中でもリーアム・ニーソンの今まで抱いていた 
頼れる父親や屈強な男性のイメージとはかけ離れた
柔らかい・・・優しい雰囲気がが好かったです♪

この記事へのコメント

  • fizz♪

    ひらで~さん、こんにちは。
    私も最近観て、キトゥンの柔らかな強さに感動しました。
    >人は愛されて生まれたと感じなければ幸せにはならない
    本当にそうですね! 
    キトゥンも幸せになれて良かった♪
    ラストも爽やかでハッピーでホッとしましたね。
    若輩の私はこの監督の巧さにも、今頃感動しました。
    TBさせて頂きました。
    2007年10月06日 12:29
  • ひらで~

    fizz♪さん♪
    柔らかだけど、人一倍強いのね。
    華やかだけど、寂しさも詰まっていて、
    外見だけじゃ、人は語れないですね。
    そう、ラスト・・・
    男らしいよ~!って
    思ってしまうほど(笑)、
    素敵でした。
    2007年10月06日 18:23
  • マリー

    こんばんは~♪
    キトゥンが、あまりにも ひたむきで~何度も泣いた。
    ちょっと後ろ向き~になりそうな自分を励ましてくれてるような気がして、とっても感動しました。
    本当の強さは見た目だけでは分からないですよね。

    ムクドリの会話が可愛かった~。
    ああいうストーリー展開も好きです。TBさせてくださいね~
    2007年10月09日 23:02
  • ひらで~

    マリーさん♪
    こんにちは!
    キトゥンが求めることが
    普通なら既に満たされていること
    だから、余計にひたむきさが
    切なかったですね。

    ムクドリ・・・何もかも、
    知っているようなそぶりで(笑)
    あの演出は粋でした。
    2007年10月11日 10:42

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