
オール・ザ・キングスメン
ALL THE KING'S MEN
2006年 アメリカ(ソニー)
監督: スティーヴン・ザイリアン
原作: ロバート・ペン・ウォーレン
脚本: スティーヴン・ザイリアン
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ショーン・ペン (ウィリー・スターク)
ジュード・ロウ (ジャック・バーデン)
アンソニー・ホプキンス (アーウィン判事)
ケイト・ウィンスレット (アン・スタントン)
マーク・ラファロ (アダム・スタントン)
パトリシア・クラークソン (セイディ・バーク)
ジェームズ・ガンドルフィーニ (タイニー・ダフィ)
キャシー・ベイカー(ジャックの母)
40年代末のルイジアナ州メーソン市。
上流階級生まれの新聞記者ジャックは郡の出納係りのウィリーと出会う。
ウィリーは妻の影響で酒も飲まない実直な男。そんな彼は小学校の欠陥工事による
事故を引き起こした原因となる不正入札を非難し職を追われるが、
州の役人タイニーに州知事選への出馬を勧められる。ウイリーの出馬に裏があるとは
承知でジャックはウィリーの記事を書くために選挙活動に同行するが・・・。
去年『ハッカビーズ』を観たときから、観たい!って思って待ってのですけど、
こちらでは上映がなく、いつの間にかDVDになってました・・・。
レンタル屋さんのサービスD、一枚だけ残ってたの♪
以下、ネタバレありです。
主役はショーン・ペン かと思って観てましたけど、違うね~
ジュード・ロウ扮するジャックの目を通して語られる展開になっているので、
観ている方は途中焦点がずれちゃうかも・・・
それだけ、ショーン・ペンが濃いからね(笑)
相変わらず挑発的な眼差しで、自らが“悪から生まれた善”を
象徴しているみたい。迫力は凄いです。
その展開も、結構凝っていて面白かったです。
前半はウィリーが不正を非難し、その注目を利用された選挙戦。
後半は知事になって5年後、
ウィリーへの弾劾の阻止をめぐってジャックに降りかかる苦悩・・・
そして悲劇的な結末。
南部のまだ階級差別の根強い土地柄での意識が根底にはあるけれど、
既に没落した上流階級者は精神的には華やかな過去に、
経済的には企業にすがって生きている時代が背景。
描かれているのは現代と変わらぬ根回しや汚職が当たり前の人々。
上手に立ち振る舞った者が生き残り
それに逆らおうとすれば生きるのは難しい・・・。
人の世には理想はあくまでも理想。愛も然り・・・。
これが全てではないけど、持ち合わせているのも否定できない。
善は、悪の中かも生まれる・・・悪の基準も人や時代によるもの。
政治家や企業家に見せたいくらいだわ(笑)
こんなこと見せられると、普通はへこみますけどね~
抑えた色調の映像とジュード・ロウで和らげてくれてましたね♪
この映画の彼は好いですね~♪♪
立ってるだけでも、上流階級出身という雰囲気が漂ってて・・・
彼の心の中にいるのがケイト・ウィンスレット扮するアン。
『ホリディ』では兄妹やってましたので、なんだか妙だったですけど(笑)
プラトニックな関係でしたのでまぁ、いいか~・・・って、
よくなかったりするんだな、これが・・・。
運命のいたずら的な展開にもなるのだけど、
このあたりは男と女で評価(?)が違ってきそうで面白い所。
ここからウィリー弾劾の中心人物となる
アンソニー・ホプキンス=アーウィン判事とジャックとの関係解明と絡めて
結末へ一気に雪崩状態になるのがちょっともったいな気もしましたが、
ジュード・ロウのファンとしては見応えがあって嬉しいよ♪
アンのお兄さん役のマーク・ラファロはこういうお坊ちゃま系の
危ない役に似合っていて好かったですね・・・って、褒めてる?
そして、40~50年代の衣装やロケーションが素敵でした。
当時に作られた州議事堂や
形骸化した上流階級を象徴するような大きなお屋敷・・・
セットじゃないのが素晴らしいよね♪
衣装も、あの厚みとか色とか好いなぁ~
ジュード・ロウに至っては、ズボンの皺まで素敵に見えるよ(笑)
ありゃ?どうしてもここに戻るのね(^^;)
そうそう、
これを観たのが『さらば、ベルリン』を観に行った前日の晩。
二つの映画の共通点は・・・幻想的な愛に破れ傷つくいい男。
私ったら、何観てるんだろう?(笑)
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