今村昌平に捧ぐ~スコセッシが語る映像哲学~

なんとなくTVを観ていたらマーティン・スコセッシ監督が出ていて
観てしまいました・・・。NHK教育で3月17日土曜日の夜10時からのNTV特集、
「今村昌平に捧ぐ~スコセッシが語る映像哲学~」を観ました。

今村昌平監督の作品も、マーティン・スコセッシ監督の作品も
多くは観ておらず、知らない作品があったので
そーだったのかぁと漠然と観ていたところもありましたが、
『復讐するは我にあり』が『ディパーテッド』に生かされていたとは
驚きでした。
『復讐するは我にあり』は子どもに近い若い時に観て、
人間の怖さを知ったという、かなりショックが大きかった作品で、
   でもコレで緒形 拳さんのファンになったのですが
忘れられない1作品です。

繰り返し観たいと思う作品ではないので、
忘れている所もありますが、ラストの遺骨を投げるシーンは
怒りや悲しみも通り越して無感覚状態で観ていたような・・・
それに似た感覚が9.11の映像シーンを観た時にも
あったかも知れません。

人間の本質を描きたいと監督は
9.11以後、見方が変わったと語ってましたが、
9.11の映像シーンは人間の仕業とは思えないけど、
でも、人間がしたことで・・・
確かに、私も変わったかもしれません。
それを観ている自分は
作り物のような映像と思う自分に対して
自分の本質を見抜いたような気がして
どうしょうもなくなった私としては
正に、無感覚状態に陥っていたのだと思います。

オリジナルとの違いをどうしても言いたくなってしまう
『ディパーテッド』は
人をいとも簡単に殺めてしまうシーンが
そこへ繋がるのか・・・と話を聞いていて妙に納得。
実はそこが、腑に落ちないシーンでもあったから。
監督は『ディパーテッド』のリメイクじゃなくて、
『復讐するは我にあり』のリメイクを撮っていたのかもしれない・・・
そんなことを考えて観たら、
『ディパーテッド』が別の作品に見えるかも。


復讐するは我にあり
1979年 松竹
監督: 今村昌平
原作: 佐木隆三  
脚本: 馬場当
音楽: 池辺晋一郎
出演: 緒形拳 (榎津厳) 三國連太郎 (榎津鎮雄) ミヤコ蝶々 (榎津かよ)
    倍賞美津子 (榎津加津子) 小川真由美 (浅野ハル)


復讐するは我にあり [DVD]

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復讐するは我にあり
Excerpt: なんだか、感想書くのもいやになるような極悪非道鬼畜映画。しかもノンフィクションだと言うから、開いた口がふさがらない。
Weblog: 映画や本を淡々と語る
Tracked: 2007-03-28 11:24