アイリス IRIS
2001年 イギリス・アメリカ
監督: リチャード・エアー
原作: ジョン・ベイリー
脚本: リチャード・エアー
チャールズ・ウッド
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: ジュディ・デンチ (アイリス・マードック)
ジム・ブロードベント (ジョン・ベイリー)
ケイト・ウィンスレット (若き日のアイリス)
ヒュー・ボネヴィル (若き日のジョン)
サミュエル・ウェスト (若き日のモーリス)
ペネロープ・ウィルトン (ジャネット)
“イギリスで最も素晴らしい女性”と称された作家アイリス・マードック。
夫は同じく作家であり、文芸評論家のジョン・ベイリー。
1950年代二人はオックスフォード大学で出会い、結婚。
二人で年を重ねてきたある日、アイリスは繰り返される言葉や
文字を忘れたりする事から脳に異変があることを察し、病院へ。
検査の結果、直る見込みの無いアルツハイマーと診断される・・・。
恥ずかしながら、アイリス・マードックさんについての
知識は皆無で・・・『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、
ジーン・アイリス・マードック
(Jean Iris Murdoch, 1919年7月15日 - 1999年2月8日)は、
アイルランド出身の英国の哲学者・作家・詩人。
その小説は、倫理的・性的な主題を巻き込んだ、
キャラクター造形の豊かさと、
読者を惹き付けるような構想ゆえに名高い。
処女出版小説『網のなか Under the Net』(訳:鈴木寧)は、
2001年に米国の『モダン・ライブラリー』誌編集部によって、
20世紀の英語小説ベスト100の一冊に選ばれた。
1987年に大英帝国勲章を授与され、デイムの称号を得た。
2001年のアメリカ映画『アイリス』は、
最晩年にアルツハイマー症を患うまでの彼女の姿を、
6歳下の夫ジョン・ベイリーの視点を通して描き出している。
とのこと。
なるほど、視点はいつもジョンからアイリスへ・・・。
いつも追いかけて、追いかけて、最後まで追いかける。
彼女の中に自分の居場所があるのか、いつも不安だったのでしょうね。
ラスト近く、無垢な顔をして眠るアイリスに悪態をつくジョンの姿に、
苛立ちと共に不安や悔しさを感じました。
全くわからなくなってしまう直前のアイリスの言葉、
「愛している、あなたを」がきっと、最後までの支えとなったのでは・・・。
過去の事が同時に語られていくのですが、
この変換が実に気が利いているというか、映像的に素敵なのです。
ドア、まなざし、空、水・・・昔も今も変わることの無いもので
今と昔を繋ぎ時空を変換してくれます。
ラスト、彼女が寝ていただろう枕から滑り落ちた石と共に、
私は映画の底へ落ちていきました。
アイリスを演じたジュディ・デンチは申し分なく・・・。
若き日のアイリスを演じたケイト・ウィンスレットは、
初めて知的な印象を受けました・・・今までは、まぁ~(笑)
ジョン役は本当に二人で?と思うほど違和感なくて・・・
若いジョンのヒュー・ボネヴィルは変化の大きい俳優さんですね。
他の作品、それほど観てないけど、別人になってます。
ジム・ブロードベントは同年制作の『ムーラン・ルージュ』でも
大活躍していました。
こちらも同一人物とは思えない芸達者ぶりです。
この記事へのコメント
ys386kyam
ジュディ・デンチとケイト・ウインスレットの老若の対比が良いですね。
ジュディ・デンチはいろいろ威厳ある女王役(恋に落ちたシェクスピア、クイーンエリザベス至上の恋)をやってますからそのイメージとの対比もありますよね。
ひらで~
昔は、若い時は好かった・・・
などという話ではなく、
老いて病んでいる今も
愛に満ちた生活を送っている姿が
素敵に思えました。
女王さまから普通のおばあちゃん
・・・ジュディ・デンチの変化は
何を観ても感服させられますね。
来年お正月公開の
『ヘンダーソン夫人の贈り物』では
どんな彼女が観れるのか
楽しみです♪
真紅
私もBS-2の放映で観たのですが、考え込んでしまって感想をなかなか書けませんでした。
自分の人生、行く先を考えさせられる映画でした。
ジム・ブロードベントは『ムーラン・ルージュ!』にも出ていたのですね、全く憶えていません(汗)
ではでは、また来ますね。
ひらで~
若いときには人事のようでしたが、
先が見えてくると
考えてしまいますね。
『ムーラン・ルージュ!』の
ジム・ブロードベントは
支配人でしたね♪
D
4人の俳優さんたちが、それぞれに素晴らしかった~♪
私も、ジョンの役があまりにも似ていたのでスゴイ!と感動しました
若い頃のジョンの方『ノッティングヒルの恋人』にも出ていましたね!
私も!じ
ひらで~
ジョンは同じ人だって言っても
気が付かないかも~ってくらい、
若いジョン⇔老いたジョンの
変化が自然でした。
それだけでも、感動モノ♪