
ヴェラ・ドレイク
VERA DRAKE
2004年
イギリス・フランス・ニュージーランド
監督・脚本: マイク・リー
衣装: ジャクリーヌ・デュラン
音楽: アンドリュー・ディクソン
出演: イメルダ・スタウントン (ヴェラ・ドレイク)
フィル・デイヴィス (スタン)
ダニエル・メイズ (シド)
アレックス・ケリー (エセル)
エディ・マーサン (レジー)
エイドリアン・スカーボロー (フランク)
ヘザー・クラニー (ジョイス)
ピーター・ワイト (ウェブスター警部)
1950年初冬のロンドン。ヴェラ・ドレイクは家政婦として働きながら
近所で困っている人を助け、自動車修理工場で働く夫と息子・娘の
4人で慎ましくも充実した毎日を送っていた。が、彼女には家族には
話していない仕事もしていた ・・・それは望まない妊娠をしてしまった
女性たちを助けることであった。
2004年の映画賞ではアカデミー賞では受賞ならずでしたが、
主演女優賞を多く受賞し、ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞も
受賞した作品で・・・ようやく鑑賞できました♪
イギリス映画好き!とか言ってますが、恥ずかしながらマイク・リー監督作は
これが初めて・・・出演者も娘の婚約者となるレジー役のエディ・マーサンの
お顔ぐらいしか観た事なくて・・・彼の名前も初めて認識(^^;)
こういう、日常を描いた世界と言うのはどちらかと言うと
スターがいないほうが均一的に全体が観れるので好いのでしょうか?
少なくても私にはそう思え、人物や道具など映画の世界の隅々まで
気にしながら観る事ができました。
当時のイギリスの様子、そのものを観ているような・・・
もちろん当時の暮らしぶりは知りませんが、後の評価から考えても充分な再現なのでしょう
・・・とても平凡な日常を切り取った世界でした。
彼女の秘密行為もあまりに日常に溶け込んでいて、観ている方も、
罪悪感を彼女から全く感じず、後半秘密が公になると彼女の苦しみを
同時に観ている方にも感じさせる、そんな錯覚(?)を感じるほど。
重いテーマだけど重くならずに見せたのは監督の演出によるものか?
と、感じましたが・・・演出は、
ストーリーを俳優に知らせず即興的な演技を引き出すような
ものらしいのですが、それが彼らに日常の中の異常を引き出し、
どんな立場にも立って状況を見ることが出来る作りになっていて、
観ている者の性別・立場・状況などの違いでどんなようにも思える、
考えさせられるのではないでしょうか。
実際、ラストシーンはこれからあなたならどうする?と言われたようで
なかなか、興味深い作りの映画だと思いました。
問題点をどこに置くかでも面白く・・・テーマ的に不謹慎だけど、
いろんな点から考える事が出来るお話だと思います。
ヴェラ・ドレイク役のイメルダ・スタウントンはホントに当時そうやって
生きてたんじゃないかと思うほど、普通に生活していて凄いです♪
彼女を取り巻く人々も良い人ばかり・・・
家族に対してはこれからがんばるんだぞ!と応援したくなります。
愛でいっぱいな家族ですものね。
それから、
たぶん正確だろう当時の生活風景、特に上級と中流(かな?)の差は
なるほど~と思うほどでした。
また、イギリスが好きになりましたよ♪
この記事へのコメント
ゆうこ
ご主人がずっと彼女の味方だったとき、感動しました。
ひらで~
内容的にはどこの国でも
あった事・・・ただそれを
そうのように見せるか、
考えさせるかが大事なのでしょう。
いろいろ考えさせられる事が多い
映画でした。