ボルチモアの光(奇蹟の手/ボルチモアの友情)
SOMETHING THE LORD MADE
2004年 アメリカ
監督: ジョセフ・サージェント
脚本: ピーター・シルヴァーマン
ロバート・キャスウェル
音楽: クリストファー・ヤング
出演: アラン・リックマン (アルフレッド・ブラロック教授)
モス・デフ (ビビエン・トーマス)
メアリー・スチュアート・マスターソン (外科医ヘレン)
キラ・セジウィック (メアリー・ブラロック)
ガブリエル・ユニオン (クレア・トーマス)
チャールズ・S・ダットン (ウィリアム・トーマス)
1930年、ナッシュビル。
医師を夢見て働く貧しい黒人青年トーマスは、
大学の外科医・ブラロック教授の研究室で雑務係として雇われるが、
手先の器用さを見込まれ、教授の助手に昇格する。
1943年、ボルチモアの大学病院に移籍したブラロックは、
難病“ブルーベビー症候群”の乳児の治療法を探す研究を始める。
黒人に対する差別が残る社会の中で、トーマスは助手として
研究を手伝うが・・・。
どんな内容かも知らず、アラン・リックマンに惹かれて観たのですが、
思いのほか感動して、ラストは思わず涙・・・
世界で初めて心臓を手術した方々の実話を基に作られた
TVドラマだそうで、エミー賞も受賞しているようです。
この間まで放送されていた「医龍」の元祖版みたいな感じ。
・・・違うか?(笑)でも、手術を見学する教授たちのシーンとか手術の練習シーンとか
共通するシーンは結構ありました・・・
心臓を手術するなんて、考えたら凄いことです。
今でしたら普通の事も、初めての時は大変だった事でしょう。
周りの人もとんでもないこと!と普通に思っていたでしょうね。
「神が死なせようとしている子を、私は生かそうとする」
司祭に手術をやめるように言われ、ブラロックが言い切りますが、
本人も実は半信半疑・・・そんな彼を支えたのが助手のビビエン。
彼は医大に行くチャンスを逃しながらも教授の研究を支え、
技術的にも教授をしのぐ腕前の持ち主。黒人ということだけで
生活面でも、また研究者としても名前を公表されないという
差別をされ、一時は研究室を離れますが
父親や妻の助言で、この研究が好きな彼はまた戻っていきます。
一見、差別感のないように見えた教授も差別が当たり前の世の中では
彼の苦悩も見抜けなかったようで、このあたりは研究第一の教授の
姿がはっきりと見えましたし、再び戻った彼の教授し対する
「教授は嫌いだが・・・」という言葉には強い意志と、言葉とは裏腹な
愛情が感じられ、人物描写の上手い所だなぁと感じ入りました。
研究室で培った技術と知識を医学生たちに指導し続けた彼は
晩年その功績がたたえられ、名誉博士として大学に迎えられます。
見ている人は必ずいる!と、嬉しくなりました。
お話は、30年代から60年代までのビビエンの半生を描いたドラマで
研究者の姿(白衣がね~♪)はもとより(笑)
建物などの背景や衣装など私好みだったのも手伝って、
好きなタイプの映画(ドラマ)でありました。
リックマンの研究者馬鹿(っていうのか?)な教授も妙に似合っていたし、
モス・デフさんの一途だけど頑固な姿も素敵でした。
正直、それほど期待してなかったのですが・・・
こういうヒットは嬉しいなぁ♪
この記事へのコメント
みのり
>「教授は嫌いだが・・・」という言葉には強い意志と、言葉とは裏腹な愛情が感じられ、人物描写の上手い所だなぁと感じ入りました。
わたしも同感です。 死ぬ前にビビアンに会いに来たブラロックもまたビビアンへの愛が感じられましたね。
ひらで~
人種間のわだかまりもあった時代に
それを超えて、信頼感の中での
研究だったから成功したのでしょうね。
心が熱くなる好いドラマでした。
くりりん
私もwowowでやっていたのを、アラン・リックマンの名前に惹かれ観ました。内容が予想と全く違っていたのにびっくりしましたが、なかなかの拾いものだったと思います。
リックマンのちょっと「喰えない」教授ぶりが、まさにリックマンならではです。
もっといろいろな人に観てほしい映画ですね。
ひらで~
コメントありがとうございます。
くりりんさんも名前に惹かれて?
ドラマなので知らなかったですよね。
ドラマとはいえ、予想以上の出来。
こういうドラマこそ、
NHKで放送すればいいのに(笑)