
ラヴェンダーの咲く庭で
LADIES IN LAVENDER
2004年 イギリス
監督・脚本: チャールズ・ダンス
原作: ウィリアム・J・ロック
音楽: ナイジェル・ヘス
出演: ジュディ・デンチ (アーシュラ)
マギー・スミス (ジャネット)
ダニエル・ブリュール (アンドレア)
ナターシャ・マケルホーン (オルガ)
ミリアム・マーゴリーズ (ドルカス)
デヴィッド・ワーナー (ミード医師)
第二次世界大戦、間際のイギリスの小さな漁村。
初老の姉妹ジャネットとアーシュラは、嵐の次の日の朝、
浜辺に打ち上げられた青年を見つけ助ける。
アンドレアと名乗る青年はポーランド人で、英語は話せない。
自宅で看病する二人だが、あれこれ世話をするうちに
いつしか青年に淡い思いを抱いていた・・・。
歳をとり、余生を平穏に暮らしていた二人の姉妹の前に
突然現れた、異国の青年・・・
生活は一変、ときめく心♪
姉ジャネットに『ハリ・ポタ』のマクゴナガル先生こと、マギー・スミス。
妹アーシュラに『恋におちたシェイクスピア』のエリザベス女王、ジュディ・デンチ。
共にデイム(Dame)の叙勲(男性のナイトに相当する)を受けた英国の大女優。
姉妹役とはいえ、実は同じ歳(1934年生まれ)!
でも冷静で現実的な姉と、夢見がちな妹、見事に演じています。
殊に、ジュディ・デンチは可愛らしく、孫ほどの歳の離れた青年に
恋心を抱いても、普通なら年甲斐もなく、などと思われても仕方がない
ところなのに、全くそんな風には見えなくて素敵でした。
叶わぬ恋心ですが、哀れと言うわけではなく素敵な思い出として
残るところが、また感動ものです。
彼女たち生い立ちとか、青年の素性とか、映画は多くを語っていません。
1936年、イギリスのコーンウォール地方の海辺の家でのお話ですが、
時代も初めはいつなのかわからず、
車の形やラジオのニュースなどで、やっとわかる程度。
だけど、画面からはたくさんの事が伝わってきました。
彼女たちの“今”を描いているだけなのに、過去や未来までも。
最後も素敵なヴァイオリンの音色にうっとり、感動♪
大御所二人を相手にした(笑)ダニエル・ブリュールくん、
どこかで観たなぁと思ったら、『グッバイ、レーニン!』の
お母さん想いの青年でありました。
まじめそうな感じが好いですね。
姉妹の身の回りの世話するおばちゃん・ドルカス役は
『ハリ・ポタ 秘密の部屋』のスプラウト先生、ミリアム・マーゴリーズ。
彼女が、また面白くて好かったです♪
そして、イギリスの田舎の風景がなんとも素敵!
海岸も畑も家も庭も、そして家具や食器、食事に至るまで素敵で
イギリス好きにはたまらん映画です♪
原題にもある、ラヴェンダー・・・庭に咲いているのかな?と
観てましたが、特に出てこなくてなんでだろう?と・・・
なぜ、ラヴェンダーなのかなぁ?原作にはあるのでしょうか?
私なりに・・・
彩がなかった心に残るある年の思い出・・・それは、
バラ色程には鮮やかではないけれど、
爽やかなラヴェンダー色に染められ、ラヴェンダーの香りに
包まれた恋心・・・そんな風に、感じました。
あんな、おばあちゃんになりたいなぁ♪
ラヴェンダーの咲く庭で 特別版 (初回限定生産スペシャルアロマパッケージ) [DVD]
この記事へのコメント
オルサ
ラヴェンダー、出てきたのかどうなのかわからなかったですよね。でも、素敵な映画でした。
松たけ子
私、ダニブリュことダニエル・ブリュールくん大好きなんです!小熊っぽくて可愛い!大女優ふたりを相手に、さぞ緊張したことだろうなあ。でも、すごい勉強になったことでしょう。
私も海岸で、北朝鮮から脱北して漂着したクォン・サンウ似の音楽家を発見して、家に連れ帰って手厚く看護したい♪って、そんなこと、絶対起きないですよね。やっぱ映画の中だけの話...
乙女の心を持つ老婆の哀歓が、胸に切なかったです。デンチはホント、さすがの名演!青年への可愛い片想いも、女画家への嫉妬・敵意も、女は幾つになっても女だよなあ、とシミジミ...
イギリスの田舎に住んでみたいなあ。
悠雅
このページのラヴェンダー色、記事にぴったりでとっても綺麗で、香りがするようですね!
原題の、ラヴェンダー。お花じゃなくて「ラヴェンダー色のドレスの女性」というのが直訳のようです。
また、年齢を重ねた素敵な女性をそう呼ぶのだと聞いたこともあります(確かじゃないですが)。
これは、原作では40代の女性だったとか・・・
もしそうなら、生々しくてちょっと辛かったかも。
このお二人の出演だからこそ、こんな味わいの作品になったのだと思います。
ひらで~さん。今日はお願いもあるんですが。
もし、お嫌いじゃなければ、バトンを受け取っていただけませんか?
「昔バトン」なるもので、詳細は拙宅にて。
(お嫌いな場合はスルーしてくださいね)
どうか、よろしくお願いします。
ひらで~
初めまして!
ラヴェンダーに関しては
邦題は罪作りでしたね(笑)
でも、そういう庭のある英国の
雰囲気はあったかも・・・
ひらで~
ダニブリュくん、言われてみれば
小熊ちゃんですね(^-^)
クォン・サンウ似の音楽家の
脱北者の漂流民・・・お~!
なんだかあり得そうに思える。
漂流民が不細工だったら
また流したりして(笑)
女画家、また、よりによって
誤解されそうな悪女顔の美人
だから、警戒心丸出しで
なんだか微笑ましかったです。
ひらで~
原題の意味、そうでしたか・・・
『ウーマン・イン・レッド』と
同じ感じだったのですね。
歳を重ねた素敵な女性というのも
好いですね~♪
原作は40代の女性ですか・・・
違ったラストを想像しちゃう(笑)
映画の設定で正解ですね!
バトン、お受けしますね。
その後に回す方は・・・
いないかもしれませんが(^^;)
なな
今頃の鑑賞ですが,素敵な作品だったので感想を書かずにはいられませんでした。
デンチ女史というと,この作品より後に出演した「あるスキャンダルの覚え書」が浮かぶのですが
あの作品の妄執に取りつかれた厳格な老教師とは
まったく正反対のキャラで,その演技力に脱帽!ですね。
イギリス好きには,雰囲気も映像もテーマも申し分ない美しい映画でした。
ひらで~
本当に素敵な作品でしたね(^^)
『あるスキャンダルの覚え書』は未見ですが、
キビキビとした女性から
可愛らしいおばあちゃんまで
何でもこなしているので、
その代わり様に映画を観るたび
驚かされますね♪
>イギリス好きににはね・・・
そうですよね~!
実生活からは程遠い分(笑)
見ているだけで楽しめました。