小説「墨攻」→映画『墨攻』


華仔♪の新作が『墨攻』と最近知りました。
原作があるというので、早速図書館で借りて
読んでみました。酒見賢一作、『墨攻(ぼくこう)』は1990年の
「小説新潮」7月号が初出誌の作品。
“墨”とは“墨子”のことで、辞書によると
(1)中国、戦国時代の魯(宋または楚とも)の思想家。
墨家の始祖。墨は姓、名は翟,(てき)。
工匠の子といわれる。
儒家に学んだが、のちに儒家の仁を差別愛であるとして、
無差別的博愛の兼愛を説き、平和論を唱え、
儒家と並び称せられるほどの勢力の学派を立てた。生没年未詳。
(2)思想書。五三編現存。兼愛・非攻・非楽・非命・節用など、
墨家の始祖、墨子の説く十大主張をはじめ、
後期墨家の論理学的思惟・守城法などを記す。
だそうで・・・詳しくは不勉強ゆえ、分かりませんが(^^;)
物語はこの墨翟,さんの教えを元に作られた墨子教団の中の一人
革離(かくり)が一人で趙と燕の境にある
土着の豪族梁氏の城を趙軍から守ると言うもの。
墨子の教えは“墨守”と言う言葉があるくらい、ただ、“守る”。
当時は小さな国がたくさんあって大国の侵略が当たり前のように
なっているのに対し、精兵であり、戦略家でもある墨子の子弟たちは、
こうした侵略を恐れる小国や豪族に招かれ守るのです。
本来なら、一兵団として行くのですが、
当時の教主と少し意見を違えてしまった為に革離が一人で行くことに。
彼は、まず民を墨家の法によって統率することから始めます。
これが結構厳しい・・・新撰組なんてものじゃない・・・禁を破れば斬首です。
民はもうすぐ趙軍が来ると言うので文句も言わず従います。
革離が不眠不休で働くので民の信望が厚くなる中、
城主の息子・梁適(りょうてき)だけが彼を訝しく思っており・・・。

革離は言わば、戦争職人。できる限りの守りを固め、戦となれば先手を打ち、
ことごとく相手の戦略を打ち破って行きます。
このあたり、小気味がよくて、気が付けば応援体制・・・
でも、相手となる、趙軍の将・巷淹中(こうえんちゅう)もなかなかの人で、
ちょっと応援したりする(笑)
短編で優しく丁寧な文章なので分かりやすくて好かったです。
題名の「墨攻」と言うのは守る“革離=墨”を攻めるということか?

この小説は漫画にもなっているらしいのですが、
どうやら、映画はこの漫画を元に作られている様子。
日・中・韓国合作で監督を張之亮(ジェイコブ・チャン)に迎え、製作中です。
主な配役は革離が劉德華(アンディ・ラウ)、
原作にはない逸悅を范冰冰(ファン・ビンビン)
・・・『花都大戦(はなのみやこたいせん) ツインズ・エフェクトII』に出演
巷淹中を韓国の安聖基(アン・ソンギ)、
梁適の父・梁溪を王志文(ワン・チーウェン)となっています。
華仔♪主演映画にこれまた大好きな安聖基♪が出演となれば
期待は大きくなるばかり!
ただ、革離さんの風体が・・・華仔には程遠いらしい(^^;)
禿頭に無精ひげ・・・確かに原作の挿絵ではそうなっているし、
漫画の彼がそうらしいです。
禿頭は『マッスルモンク』で経験済みで、あのラストの風体なら
大歓迎なんですが、どうなることやら。
しかも、原作ではいい感じの巷淹中は超悪役だとか・・・
安聖基の悪役ってあんまり見てないのでちょっと楽しみかも♪
ラストは原作とは大幅に違うと、予想してますが(笑)
何はともあれ、楽しみな一本です。

関連記事:「世界潮流2005」で映画『墨攻』2005/11/15 ・・・
       早く観たいぞ!『墨攻』 2006/10/04
追記: 観ました~記事はこちら

この記事へのコメント

  • Millie

    観てました?今朝のハイビジョン。
    『世界激流2005』”スクリーン・ウォーズ”で、
    この『墨攻』を紹介していたよ。
    日本、中国、韓国、香港(東南アジアを含む)の共同出資映画で、
    日本が35%で1番多かったです。
    プロデューサーが日本人(名前は忘れた)
    この人は黒沢監督と一緒にお仕事したそうで、
    黒沢監督、という名前を出すだけで、
    回りの映画関係者から、一目置かれるそうです。
    撮影チーフも日本人でした・・・たしか・・・
    あまり、興味がなかった私も、
    この番組で俄然観たくなりました。
    2005年11月13日 21:51
  • ひらで~

    ☆Millieさん
    観ましたよ~でも、11時頃からだから
    全部じゃなくて途中から・・・
    井関惺(いせきさとる)プロデューサーですね。
    『スモーク』や『始皇帝暗殺』も
    手がけているそうです。
    何はともあれ、MIllieさんが興味を
    持っていただけて嬉しいです♪
    2005年11月14日 13:23

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Weblog: Gray Diary
Tracked: 2005-12-07 16:30